雑踏とビジョン

用済みのカプセルが散乱 欲しがりは底無しで
開けても開けても 昔見た夢に踊らされていた
都市の憂鬱は 灰色の鳩と煙草の吸い殻
ビル壁面の大型ビジョン 黒いスーツで眺めた

追いかけていたこと 辞めてしまった
この先何があるか分からないって言った
あいつの言葉が 結果論で赤丸 付けられていく
悔しさの裏で安心して 今を肯定出来てしまった
私は 大人になってしまったようだ

あの曲が新譜だった頃 今を決めた季節
イヤホンから聞こえる 彼の言葉は苦くなかった
人とは違うことがしたい 絶対に埋もれたくない
その気持ちだけで 自由に未来が描けるなら

改札口で手遊びする二人は 制服で
ビル群に天使が堕ちてゆくのなんて
その目で 見ちゃいなかった
また明日ねと手を振ったら
いつまでも離れられない
春の溝が深まる

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