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いつかのあの木を想う

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処女詩集
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だいじょうぶさ、ルディ。

だいじょうぶさ、ルディ。

だいじょうぶさ ルディ

いつかまたきっと逢えるよ

考えすぎさ ルディ

気に病んでもきっと取り越しさ

だいじょうぶさ ルディ

いつか歩きだせるよ

心配しすぎ だよ

おもしろことはじめてこうよ

遺伝子たちの居場所

遺伝子たちの居場所

この遺伝子と風が

交わる場所へ

行きたいの 

あの頃にもしも

戻れたのなら

それはそれで

すこし虚しいかもしれない

でもあの頃は

鮮やかに見えたのさ

教室の窓から溶け込む光

嫌いなやつの笑い声

すぐそばの君の横顔

街の隙間から流来る

風にでもなりたいと

想ったんだ

勿忘草

気がついたら

咲いていて

それみたいに

気づいたときはもう

ぼくら

大人になっていた

産声

産声

懐かしいあなたの笑顔

100年前にこの世に落っこちた

そのとき天と海涙流した

もう二度とないよな

この生命

もう一度逢いたいと

流れてくる

希望が

夢が

こころが

沢山の勇気に支えられたのだ

あの山はいまも堂々と聳えている

蟲 

蟲 

峠幾つも
越えては進む
懐かし詩集
携え進む

沸き立つ孤独
高鳴れ鼓動
蟲の音響く
闇夜の森よ

帰り路に
お茶でも一寸
約束果たせず
おうちへ帰る

沸き立つ孤独
高鳴れ鼓動
蟲の音知らす
光夜の森よ

朝まで話し
焚火を蒸しや
おいもを焼いては
もぐもぐ食べる

沸き立つ孤独
高鳴れ鼓動
蟲の音知らす
偉大な森よ

秋の聲 New ver.

秋の聲 New ver.

おいらを待つのは秋のやさしさ
とんだなまけもののおいらは
しようがないとため息をついて
外に出られぬ夏を過ぎて
またやがて秋と遭うだろう

秋になると
響きたるウクレレの音 
それは友達の調べ
小さな小さな無花果が
あの木になるとき
きみに聴かせたい歌をひとつ
歌おうと思います

少女があの山のそばで泣いている
あなたが昨日夢で見た
こわいおばけとやらは
おいらはそんなに恐いとは思わない

海では

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秋草風 しゅうそうふ

秋草風 しゅうそうふ

あきいろのかぜふいたら

あなたとあぜみちあるいている 

こおろぎもきようはどこかおとなしい 

またさんまをやいているおばあちゃん

しあわせをすこしかんじながら

いちじくのはやしは 

ほんのすこしだけいろづいて 

あきのやさしいひかりたちがほら

きみのわらうかおを 

おおきなみずうみにうつしている  

もしもないていたなのなら

わたしのことすこしおもいだして 

あいをう

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似顔絵

似顔絵

小さなさかなが見慣れた池泳ぐ
秋の木の葉があなたの頬撫でる
あなたの手が温かくてやさしかつたのは
このほしの神秘だと気づいた

ぼくの描いた似顔絵見てくれたのかな
あなたの手紙を待つてゐる
あなたと過ごしたこの町で

あなたが嘘をついた日から
なんのために息をしているのかわからないから
哀しみなんてチンケに響くわたし
1日だけあなたとまた暮らしたいつて思うのは
わたしがしあわせだつたからでしょうか

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靴下

靴下

メリー・クリスマス
虹色の魔法につつまれた
あなた指先から流れ出す
ケーキがシフォンに変わつて
あなたのほつぺは落ちる

白い雪が落ちてくる
まるでプレゼントみたいだ
靴下用意しなきやいけないね
あなたに編んであげたクリームのセーター
それはとても似合つてる

メリー・クリスマス
町はなんだか浮き足立つていて
ぼくのこころは空の上
あなたはマドレーヌのようにあまくてやさしい
今日は苺に逃げられたく

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桟橋

桟橋

じかんをつぶしていてほしいんだよ

あなたには

絹のような頬は

たくさんの物語隠している

僕は退屈 君は編み物

君は退屈 僕は ドック・オブ・ザ・ベイ

遊び心  信じる心 諦める心

わたしはこのうたを歌うために生きてきたの

ギターは夜中にひとりで音を爪弾いている

でもなるはやあの歌を歌いたいの

僕の鼓動はいつかのビート

いつもどこかであの歌を歌う

どこかの桟橋で歌っていたらわ

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わたくし季節

わたくし季節

わたくし季節

あなたの恋人

わたくし季節

あなたにくちづけ

昨日までの世の中

モノクロームで

手の中からはなにかもが消えてしまったよ

あなたの指から出ていることばは

優しい気持ちにわたしをさせてくれる

ほんとはたくさん知っているのだ

かみさまがどこにいるのかって

わたくし季節

あなたの思い出

わたくし季節

あなたにくちづけ

ひとつの絵

ひとつの絵

あのひとつの絵

前観たときは感動していたのだけれど

今観ても

あまり感動しない

だからといって嫌いになったわけでもない

じゃあどうしてだろう?

わたしの中であの絵が放つ色の気分が変わった?

だとしたならそれはとても素晴らしいことかなあ

なんて思いながら上野東京ライン乗ってたよ

鮮やかな日々聴きながら

外ではみんながもうすぐ来る秋の準備している

今年こそは野宿してみない?

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夢から覚めて

夢から覚めて

夢の中のあなたはやさしい

まるでこの現実と

全然違うんだ

あなたのことが

好きだったけれど

あなたはわたしに

興味なんかなかった

だからではないけれど

印象派の絵画のように

色づいた夕暮れの手前で

ギターを弾いて歌ってる

あなたはすてきな人

でも今の関係では

あなたは遠くにいる

すてきな人

あなたにはあなたの人生があって

それが大切だということも

知っている

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煙が目にしみて

煙が目にしみて

わたしみんなみたいに生きれない

どうしてなのでしょう?

これは秋の問題

心の中は枯れ葉でたくさんです

あなたの声がわたしのなかでいまこだましていて

わたしは少し勇気が出る

未来永劫この気持ちがつづくとしてもわたしはやっていけるでしょうか

この喫茶店でいまぼくの好きな音楽がながれ始めた

煙が目にしみる

クリフォードのトランペットの音がわたしを泣かせるのだ

そんなことばかりわたしは

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現実おばけ

現実おばけ

月の明かりがわたしの頬を照らすとき

たくさんの歓びと後悔押し寄せてくるのだ

わたしが生まれたときこの海は少し広くなったらしい

異国の街ではどんな音楽が鳴り響いているのだろうか

この街では朝まで踊ってゐるひとはごく少ない気がするな

愛しいものが多いからからまた朝を待ってるけれど

生きることと暮らすことは違うと最近思つてゐる

とまれ 歓びが今日にとまる

わたしが昨日使っていたまくらは今

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