マガジンのカバー画像

エッセイ集『LOVE notes』

123
心音(ここね)の【エッセイ】や【日記】をまとめたマガジンです✨
運営しているクリエイター

#詩のようなもの

わたしの中のゴッホとピカソ

わたしの中のゴッホとピカソ

わたしの中にゴッホとピカソがいる、と気付いたのは、いつだったでしょうか。

以前、ピカソ本人が出演しているドキュメンタリー映画を観たとき、あぁ、彼の根底にあるもの、表現の真髄みたいなものは、わたしの中にもあって、これは意識で繋がってる気がするなぁ、と、ただそう感じました。

彼が絵を描く中で、どんな風にひらめき、どのように形にしていくか、というプロセスを捉えたその映画には、何も特別なことはなく、た

もっとみる
OH MY LIFE

OH MY LIFE

クリスマスはわたしにとって、夏の終わりと同じくらい、命の火を見つめたくなる特別なシーズン。

今年もツリーの絵を描きました。

タイトルは『OH MY LIFE』。

描きながら、ツリーを彩ることは、

自分の人生を祝福することなのだなと

気付きました。

誰のためでもなく、自分のために

目の前のツリーというあるがままの存在を慈しみ、

自由に飾り付けをする。

それはとても静かで満たされた時

もっとみる
白からはじまる世界

白からはじまる世界

破壊と再生を超えて

はじまる安堵の世界

それはいつも白

誰も知らないまっさらな場所が

まとわりついた闇鍋色を一掃する

解放された点と線

その空白を虹色に染める

居場所を知らせるのは

光と風の役目

わたしはここにいると

無限の発色で奏でる

形のない LOVE & JOY

やがて

日没は終わりを告げ

月下のさなぎが奇妙に揺れる

しだいに膨張する光は

夜明けと孤独の誕生を

もっとみる
開かずの扉の向こうには

開かずの扉の向こうには

身体のずっと奥の方に、開けられずにいた扉が二つありました。

でも、もう、その重さに身体が耐えられなくなってきて、開ける覚悟を決めました。

最初に開いた扉は黒色で、目を背けたくなるような、記憶がたくさん入っていました。

苦しい顔、寂しい顔、恨めしい顔、怒りに満ちた顔。

蘇るあの日あの時の、充満する不快感や恐怖感。

わたしが目を背けてきた、わたしの悲しみがそこにはありました。

その一つ一つ

もっとみる
わたしの中のすべて

わたしの中のすべて

人間の肉体造形が好きです。

自分の手指を見つめたあと、髪を撫で、胸のふくらみを包み込み、なめらかな曲線に手を這わせるとき、その造形の美しさ、内側に隠れた神秘を感じます。そしてそれは、肉体という自分自身の輪郭をダイレクトに感じる瞬間でもあります。

これはあくまで肉体であって、自分そのものではないような気がするからこそ、もっと奥の方から、肉体を通して、ふつふつと込み上げるものを感じるとき、魂と呼ば

もっとみる
たとえば愛と呼ばれるものについて

たとえば愛と呼ばれるものについて

人を“愛さなければならない”という幻想が、わたしの奥の方にモヤモヤと残っていたようで、たまたま見つけたある方の記事を読んで、堰を切ったように抑え込まれていたものが溢れ出した。

うれしくて、声をあげて泣いた。ものすごくスッキリした。

無意識に自分によくわからない縛りを設けて、責めてしまっているというのは、よくあること。

当たり前のようにまかり通っている、この世界で生きていくためのルールみたいな

もっとみる
永い旅

永い旅

15時過ぎ、洗濯物を干そうとベランダに出たら、空があまりにも澄んでいた。

ここ最近、家族のイベントがあったり、体調の変容があったり、雨も続いていたり、散歩に出てなかったので、久しぶりに外へ出た。

圧倒的な空に、太陽に、迎えられて、涙が込み上げてくる。

久しぶりに外に出ると、いつもこうだ。

どんなときも変わらない存在。

わたしの中は安堵感でいっぱいになる。

爽やかで清々しい緑。

光と戯

もっとみる
秋の息吹に誘われて

秋の息吹に誘われて

9月に入って、曇り空だった昨日、しばらくぶりに外へ出た。

風が少し強くて、湿っている。

秋が深まっていく、雨が近づいている。

いつも散歩の前にファミリーマートに寄って、飲み物を買うのがささやかな楽しみのひとつだ。

今日は何にしようかな。

前からちょっと気になっていて、でも買うほどでもなかったアイスランドメーカーのプロテインが、ラスト1個になっていたので、買ってみることにする。

公園に着

もっとみる
言葉なんか、忘れさせて

言葉なんか、忘れさせて

性の欲する生き方がなんなのか、記事を書こうと思って、下書きがとっ散らかってしまった。

綺麗な気持ちだけを掬って描こうとすると、なんか、リアリティーがない。嘘くさい。

かと言って、事実をありのまま描いてみようとしても、それを公にしたくはない、わたしだけの大切な秘密、心の聖域にしておかなければ、わたしが癒されないし満たされない。

そんな気持ちが溢れては萎んで、その繰り返しで、違った表現で描いたふ

もっとみる
境界線が消えるとき

境界線が消えるとき

自分がなんにもないところへ還るのを、手助けをしてくれるような音楽がある。

ただ、そこに佇んでいてくれる。

その人の音楽に触れると、わたしはゼロになり、空洞だったことを思い出す。

彼女の名前は、荒井由実。

『水の影』

この曲に漂うような、

消すことのできない切なさと共に生きてきた。

だけど、切なさってなんだろう?って

考えたことはあまりなかった。

でも、今ならわかる。

切なさって

もっとみる
あなたに

あなたに

言葉にできない想いばかりが、この頃は溢れる。

言葉にはならない領域、

もっともっと奥にある想いを感じてほしくて

言葉に振り回されたくなくて

言葉に振り回されてほしくなくて

わたしは絵を描きました。

愛してるって言葉をもらっても、与えても、

安心出来るのは束の間。

だって本当は愛は、ずっとそこここに漂ってるんだよ。

あなたはお母さんから愛されなかったと思ってるかもしれない。

でも

もっとみる
本当の世界は

本当の世界は

自分の身に降りかかることが、

過去や未来の恐怖を手放し、

愛を思い出すためだったと、

腑に落ちた今この瞬間、

どれだけの人が、

わたしに働きかけてくれていたか、

どれだけの人が、

わたしにエネルギーを注いでくれていたか、

やっと身体の底からわかって、

涙が止まらないです。

わたしがいちばん調子の悪い時期に、

身体を張ってそばで支えてくれた人がいて、

そんな人たちの気持ちも蔑

もっとみる
出逢いが織りなすハーモニー

出逢いが織りなすハーモニー

たとえば「あなたが好きだ。」と言われたとする。

わたしは、その言葉をそのまま鵜呑みにはしない。

その言葉が纏うエネルギーをただ感じる。

すると時々、嘘だな、と思うことがある。

そんな時は、そんな嘘つかなくても、本当のこと言ってくれたらいいのに、と思う。

わたしは、昔から、耳障りのいい言葉よりも、とてつもなく本当の音を求めている。

本当の音、本物の音、それは、本音だ。

本当は言いたいけ

もっとみる
森の中の記憶

森の中の記憶

母が妹を出産する頃、しばらくの間、山奥の祖父母の家で暮らしていた。

少し小高い崖の上のような所にあったその家は、窓を開けるとすぐに山肌で、ありのままの自然に囲まれていた。

毎朝、川を挟んだ向かいの家の鶏の鳴き声で目が覚める。

台所がある土間のひんやりとした空気。

ハエ取りテープの粘着面が剥き出しのままぶらさがった、頼りなさげなランプ。

忙しなく食事の用意をする、祖母の後ろ姿。

漂う田舎

もっとみる