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雑文エッセイ日記コラムプロレス諸々

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その名の通りです。
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#本屋

「1か月を3で割る」&「最終的には○○○○」

「1か月を3で割る」&「最終的には○○○○」

沢木耕太郎さんの本が好きです。

営業マン時代、仕事をさぼって飛び込んだ町の本屋で「深夜特急」に出会い、救われたのが最初でした。

同作ではなかったかもしれないけど、彼の書いたこんなニュアンスの文章に共感したことを覚えています。「1か月を3で割り、それぞれを仕事、旅、酒に充てたい」

我が身に置き換えるなら「書店員、物書き、読書&プロレス観戦」でしょうか。安定の低空飛行とはいえ、できてなくもないで

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「本を売ることに力を入れたい書店員」と「強い新日本プロレスを取り戻したいレスラー」

「本を売ることに力を入れたい書店員」と「強い新日本プロレスを取り戻したいレスラー」

先日こんな小説を書きました。

本は利益率の低い商材。だから雑貨や文具、催事などで補う必要がある。わかっています。それでも「本屋の売りは本」という考えを捨てたくない。そんな熱を込めた掌編です。

本屋の売りが本なら、新日本プロレスのそれはプロレスです。にもかかわらず、広島大会でおこなわれたKOPW争奪戦は3ラウンド制で、1ラウンド目はマツダ車のタイヤをリング上で4つ積み上げた方が勝利。2ラウンド目

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イチ非正規書店員が「第39話」から学んだこと

イチ非正規書店員が「第39話」から学んだこと

4月9日はウルトラマンがゼットンに敗北した日。

最終回である第39話「さらばウルトラマン」が、1967年のその日に放送されたようです。

当時の子どもはショックを受けたでしょう。

ちなみに私が第39話を見て真っ先に思ったのは「ゼットンの光線を食らってうつ伏せに倒れたウルトラマンがなぜ仰向けに寝ているの?」です。負けると知っていたので、どうやられるかにドキドキしました。

知人に昭和ウルトラシリ

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「トライ&エラー」と「人間だよ!」

「トライ&エラー」と「人間だよ!」

新しいことをどんどん試し、思うような成果が上がらなければ手を引き、べつのアプローチを目論む。挑戦と失敗、微調整を繰り返し、少しずつ目標の達成へ近づく。

「トライ&エラー」と呼ばれる方法論です。

悩ましいのは切り替えのタイミング。株の損切りと本の返品を同一線上では考えられません。同じ書店でも、常に賑わうコミックの棚とさほど混まない人文書のそれでは基準が変わってきます。

「ストロングスタイル」を

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「1の戦闘力」を隠し持つ「4列目」

「1の戦闘力」を隠し持つ「4列目」

小学生の頃、進学塾へ通っていました。

当てられて答えられないと罵倒され、ペンを投げつけられ、頭を叩かれる。そして帰宅させられるか廊下で自習です。教室の机は4列。テストの成績で座る場所が決まりました。

入った当初はいちばん後ろの4列目。中学受験をする意志などなく、嫌々通っていたからやる気ゼロ。最初の数か月はクラスの底辺でした。

3か月後に1列目へ昇格。初めて座る際「4列目から1列目」という誰か

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次に出してほしいのは「猪木版・○○○ー○○○」

次に出してほしいのは「猪木版・○○○ー○○○」

少し前にこんな本が出ました。

故・アントニオ猪木さんから最も信頼され、アリ戦やペールワン戦といった特殊なシチュエーションでセコンドに付いた仕事人・藤原喜明。決して饒舌ではない彼が何を語るか? 

猪木さんが一昨年に亡くなってから様々な本が出版されています。映画にもなりました。プロレスファンの書店員としては、ここで原点回帰というか、試合をもっと世間に紹介したい。

かつて講談社から「燃えろ! 新日

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「納得」はしてないけど、この曲に救われた

「納得」はしてないけど、この曲に救われた

Myテーマ曲をひとつ紹介させてください。

アニメ「マクロス7」の主人公・熱気バサラがヴォーカル&ギターを務めるFire Bomberの「HELLO」です。

この曲名だと、福山雅治さんを連想する人が多いかもしれません。私も好きです。学生の頃、アコースティックギターで弾き語りを練習しました。

ASKAさんの「HELLO」も名曲です。「とりあえずここは裸足で 一塁だけ狙ってみよう 息を止めて走って

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「新人賞に落選し続けたイチ書店員」がNJC決勝前に思うこと

「新人賞に落選し続けたイチ書店員」がNJC決勝前に思うこと

「夢ありませんか?」

SANADA選手が昨年末に言い続けたコメントです。

2005年におこなわれた新日本プロレスの入門テスト。合格した内藤哲也選手が挑戦者で、落ちた自分は王者として東京ドームのメインに立つ。その感慨をアピールしていました。

夢があると感じるファンもいたでしょう。私は乗れなかった。「そういうのを自分で言っちゃうのは」と思ったからです。

一方、そのSANADA選手を破り「NEW

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「4年前の支え」と「誇りたい同志」

「4年前の支え」と「誇りたい同志」

2020年春。

某感染症の流行に伴い、各プロレス団体は興行を自粛。無観客で収録した試合をネットで配信する形へ切り替えました。

当時の楽しみは、毎週土曜に最新回がアップされた全日本プロレス。現在進行形の闘いから元気をもらえて助かりました。

緊急事態宣言が出てお店は休業。それでも荷物は入るので週に2度だけ出社しました。膨大な量の雑誌を棚に出し、まったく減らぬまま返品。そんな仕事を続ければ気分が滅

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「寄り道」+「本気」=「生きる道」

「寄り道」+「本気」=「生きる道」

「とにかくそれは、見事な男であった。あっぱれな奴であった。好いところが一つもみじんも無かった」

太宰治「親友交歓」の一節です。↑を見て思い出しました。

札幌大会ではセコンドの介入による場外リングアウトでエル・デスペラード選手を倒し、IWGPジュニア王座を獲得したSHO選手。賛否両論や好き嫌いは当然あるでしょう。昔からプロレスを見ている人ほど、あるいは拒否反応が強いかもしれない。お気持ちは理解で

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「一番自分を評価してくれた人」の思い出

「一番自分を評価してくれた人」の思い出

4年前。

いまの職場に来てしばらくは棚を任されず、雑誌の手伝いをしていました。正直「またか」です。最初に入った書店で長く雑誌担当を務めたせいか、以後の職場でも「じゃあやって」となるケースが多かったのです。

しかしある日、店長に「雑誌をやらせるつもりはないから」と告げられました。そしてビジネス書や専門書の棚を作るコツをイチから教えてくれたのです。時間をかけてじっくりと。

同僚の非正規に「ここは

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「書店員になって最初の休日に見た映画」の話

「書店員になって最初の休日に見た映画」の話

松田優作さんの主演映画は「蘇える金狼」と「野獣死すべし」だけDVDで見ています。書店の契約社員になって最初の休日でした。

営業マン時代は、休みが月に2日あればいい方。それが毎週2日休めるようになった。世間では当たり前のことなのになぜか戸惑ってしまい、何をしたいかわからない。

結局仕事に向かう時と変わらぬメンタルで目覚め、何かへ挑むように二作を続けて見ました。

内容が内容なので、気分がどんより

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「初めて生で見たプロレス」は○○○○だった

「初めて生で見たプロレス」は○○○○だった

↑の記事、笑っちゃいました。元ネタは「スラムダンク」のあの人ですな。

オーカーン選手、戴冠おめでとうございます。試合後のコメントも素晴らしかったです。

「地方再生」
「配信なんか、むしろなくたっていい。そうすれば、特別なルール、特別な試合を見たくて、わざわざ遠くから地方に集まる」

すなわち「KOPW」のタイトル戦を配信のない地方大会でのみ開催しよう。そうすれば特殊なルールでおこなわれる熱闘を

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イチ非正規書店員が「育成選手の待遇」に思うこと

イチ非正規書店員が「育成選手の待遇」に思うこと

「育成選手はプロ野球選手ではない」

福岡ソフトバンクホークス・和田毅投手のコメントです。

感銘を受けました。42歳にして先発陣の一角を担う彼からしたら、若い投手が伸びてこない方が望ましいはずなのに。自身のキャリアのことしか考えていない人からは出てこない発言でしょう。

ちなみにNPBにおける育成選手の最低年棒は240万円。私は妥当な金額と考えます。一軍公式戦に出られない(=所属する企業の売り上

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