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イチ非正規書店員が「第39話」から学んだこと

4月9日はウルトラマンがゼットンに敗北した日。

最終回である第39話「さらばウルトラマン」が、1967年のその日に放送されたようです。

当時の子どもはショックを受けたでしょう。

ちなみに私が第39話を見て真っ先に思ったのは「ゼットンの光線を食らってうつ伏せに倒れたウルトラマンがなぜ仰向けに寝ているの?」です。負けると知っていたので、どうやられるかにドキドキしました。

知人に昭和ウルトラシリーズのマニアがいます。「ゼットン星人が断末魔に残した言葉を『ゼットン』と聞き取れるハヤタの耳は宇宙最強レベル」と妙なところに感心していました。

ただあの回は、無敵のヒーローであるウルトラマンが敗れた後こそポイント。科学特捜隊のアラシ隊員が、岩本博士の作った一発だけの「無重力弾」(ペンシル爆弾)を命中させ、ゼットンを倒すのです。

やってやれないことはない。書きながらエミネムの名曲「Lose Yourself」を思い出しました。「この瞬間、この一撃に己のすべてを捧げろ」「そうすれば何だってできるんだぜ」と。

あるいは、ひとりの並外れた存在に頼るのではなく、凡人たちの知恵と勇気を集めて課題をクリアしていこう。そんなメッセージが込められていたのかもしれません。「英雄にすべて決めてもらう独裁か? 民衆が自分たちで決める民主主義か?」を描く「銀河英雄伝説」にも通底するテーマが。

第37話でも「どうせウルトラマンが何とかしてくれる」と嘆き、己の存在意義に疑問を感じていたイデ隊員が奮起し、新兵器のスパーク8で再生ドラコとジェロニモンを倒しました。

政治の閉塞感や書店業界の現状をどうにかしたい。でもウルトラマンはどこにもいない。それっぽい人に依存するのも危険極まりない。

ヒーローではない、ひとりのありふれた非正規書店員として、できることをやっていきます。

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