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エッセイ

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自分の哲学・ただ思ったことなど…
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#わたしの本棚

『母という呪縛 娘という牢獄』を読んで

『母という呪縛 娘という牢獄』を読んで

【※ネタバレを含みます】

毒母と娘の話で、
以前起こった母親殺しのノンフィクション。
しかしところどころ創作が混ざっているみたいで、
アレッというところもある。
例えば主人公の名前は仮名のはずなのに、
命名の由来が書かれていたり…。

この話、母親がおかしいくらい
娘をコントロールしていて、
娘は9年間の浪人生活を強いられ、
母親の思い通りの、医者になる人生しか
歩ませてもらえない苦しい毎日を送

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『フランスの高校生が学んでいる 哲学の教科書』を読んで

『フランスの高校生が学んでいる 哲学の教科書』を読んで

『フランスの高校生が学んでいる 哲学の教科書』
を読んでみた。
哲学は好きだけど、難しい内容も多いので、
ちょっと哲学書は敬遠しがちだが、
これならわかりやすいかな、と…。

でもやっぱりちょっと難しかった…💦
「選択の連続が自分をつくっている」
という箇所と、
「なすべきことをしたと思えれば、
 死への恐怖は弱まる」
というところは心に刺さった。

確かに毎日、人生は選択の連続。
これを選んだ

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芥川賞受賞作品『ハンチバック』を読んで

芥川賞受賞作品『ハンチバック』を読んで

芥川賞受賞作品の、
市川沙央さんの『ハンチバック』を読んだ。

重度障害者が主人公の小説で、
市川さんご本人と重なるが、
フィクションである。
実話が基になっている部分はあるのだろうけど、
体験したことを書いただけの
作品でないことはわかる。
状況が似ている人を主人公にすると、
実話だと思われやすいよね。
レビューを見ても、そう思っている人が
一定数いるようだった。

最初の感想は、思っていたよう

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狂気の愛を描いた、私の愛読書

狂気の愛を描いた、私の愛読書

山根あきらさんの企画、#愛読書で自己紹介
に参加させていただきます。

まずは名作の中から好きな作品を1冊。
夏目漱石の『こころ』

これはもう解説は不要かと思いますが、
親友を裏切って恋人を得たが、
親友は自殺してしまった…というあらすじ。
中学生の時に初めて読んで度肝を抜かれ、
一気に読んだ記憶があります。

人間関係における心理描写だけでなく、
さすが文豪、情景描写がすばらしかったのを
鮮明

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大好きな絵本の紹介

大好きな絵本の紹介

今日は好きな絵本を紹介してみます。

私が一番好きな絵本はこれ👇

シェル・シルヴァスタインの『おおきな木』
(原題:Giving Tree)。

確か小学校の教科書に載っていたと思う。
私は教室でこれを一人で読んで、
ものすごい衝撃を受けたのを覚えている。
実も枝も幹さえも、少年に与え続けるだけの木。
もらうだけ、全て奪い取って行く少年。
こんなことがあっていいのだろうかと
小学生の私は思った

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逃げ出さないことが大事

逃げ出さないことが大事

こちら(👇)の記事でも書いたが、
私はパニック障害を患っている。
いつも発作が起こるわけではなく、
限られた状況でしか発作は起きないので
普段は忘れているが、
断続的に25年以上も付き合いを続けている。

昔買って、時間がなくて読めていなかった本、
『パニック障害からの快復
  こうすれば不安や恐怖は改善できる』
を今週やっと読んだ。

実体験でわかってはいたが、
ストレスがたまっている状態で

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ソウルメイトに出会うまで

ソウルメイトに出会うまで

ソウルメイトは
”一生に一人だけの運命のパートナー”
のことかと思われがちだが、
どうやらそうではないらしい。

過去に読んだ複数の本によると,
私たちは何度もこの世に生を受け、
やがてまたあの世に戻り、
また何年かしたら生まれて…
の繰り返しらしい。

その度にまわりにいる人たち、
~両親、祖父母、兄弟姉妹、配偶者となる人、
結婚には至らなかったけれど
人生に影響を与えた恋人、親友など~
は、ほ

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不幸な経験も,幸せのための要素

不幸な経験も,幸せのための要素

手持ちの名言集の、
幸福に関する項目を見ていたら、
興味深いことがわかったのでご紹介する。

1.自分の内に安らぎを見出せない時は、
      外にそれを求めても無駄である。
    (ラ・ロシュフコー)

2.現在、持っている物に満足しない者は、
      持てたらと思う物を持ったところで、
      満足しないだろう。(アウエルバッハ)

この2点に共通するのは、
自分が今持って

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寝ながら食事したり,仕事したり…?

寝ながら食事したり,仕事したり…?

いろいろな職業の人に聞いた、
専門的な話をまとめている本、
『経験を盗め』(糸井重里 著)に載っていた、
興味深い話を思い出した。

「眠りのお話」という章で、
理学博士が言っていた言葉、
「植物だとか単細胞のバクテリアなんかには
  睡眠はありませんし、
  虫もあるかないかのようなレベルです」
という箇所に、ちょっとした驚きを覚えた話。

そう言われてみればそうかと思ったが、
生まれてから全く

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“無になる”時の脳の状態

“無になる”時の脳の状態

昨日少しご紹介した本、
『精神科医kagshunが教えるつらさを手放す方法   
幸せになる超ライフハック』
が、とてもためになる本だったので、
今日もその本を一部要約してご紹介。

スポーツ選手がゾーンに入ったなどというのも、
後者の状態だそう。
ゾーンに入るとは集中力が高まり、
感覚が研ぎすまされる状態で、
周りの一切が気にならず、
自分のするべきことだけに意識が向く。

集中していることだ

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親切の押し売りになっていないか…?

親切の押し売りになっていないか…?

親切と贈り物は、
した瞬間に忘れるくらいがちょうどいい。

相手が喜んでくれれば
もちろんこちらも嬉しいし、
した甲斐があったと思うけれど、
そう思う時点で何かを期待していることになる。

気持ちの押し売りって、
相手にも敏感に伝わるものだ。

「喜んでくれるかな」
などと考えながら贈り物を選んだり、
こうしたら相手のためになるだろうと考えて
何かをしたりする。
その行為だけで自分が満足するべきだ

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ひどいことを言われた時でも,悪いのは自分?

ひどいことを言われた時でも,悪いのは自分?

最近,ある人にひどいことを言われて
落ち込んだ時に,昔読んだ本
『スヌーピーたちのいい人間関係学』に,
書いてあったことを思い出した。
それは,「人からひどいことを言われて
うちのめされるのは,言われた方にも原因がある」
というもの。

それは,「言われたことが真実ではないと
自信を持っていれば,
何を言われても平気なはずで,
怒ったり泣いたりするのは,
自分でもひょっとしてそうかもしれないと,

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ムーミンに学ぶ哲学

ムーミンに学ぶ哲学

ムーミンが好きで、
フィンランドまで行ってしまったことがある。
ムーミンの童話より、
コミックスが好きで、全巻持っている。
その中で印象的だったセリフを少しご紹介。

ムーミンママが
「習慣にこだわるのは、
  よくない老化のしるしね」
と言って、いつも通りにしなくても
いいんだと悟るシーンがある。
こだわりを捨てて頭をやわらかくすると、
ラクに生きられるよね。
まぁ、やろうとすると
最初は抵抗

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100年後,何してる?

100年後,何してる?

人間はいつか必ず死ぬんだと、改めて気づいた。
いや、もちろん知ってはいたけれど、
実感がなかったというか、
深く考えたことがなかった。

また精神科医の藤野智哉先生の本になるが、
先日、Audibleで『自分を幸せにする
いい加減の処方せん』を読んだ、
というか聞いた時に、
「人間はいつか必ず死を迎える。
  『あなたは人生を頑張って来なかったから
  死なせてあげない』なんてことは起こらない

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