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被災者の命と暮らしをどう支えるのか?社会福祉・地域福祉の視点から(R6/3.21更新)

被災者の命と暮らしをどう支えるのか?社会福祉・地域福祉の視点から(R6/3.21更新)


被災者ニーズを想像する・被災者の生活に目を向ける

災害時対応の法制度災害法制は、災害別に「予防法制」「応急法制」「復旧・復興法制」の3種類に区別できる。これらの法制度を統括する基本法が、1959(昭和34)年の伊勢湾台風を契機に施行された災害対策基本法である。

(1)災害対策基本法

この法律ができるまでは、日本で災害が発生した場合の行政責任は明確ではなかった。1959年より、国・地方公共団

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統合失調症を伝える

統合失調症を伝える

精神疾患は高血圧症患者と同じくらいの患者数がある。
がん・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中「精神疾患」
特別な病気ではなくなった。
統合失調症は100人に1人、15~35歳までの比較的若い世代の人が発病する。
地域や人種によって発病率に違いはない。
男女の比率、1対1.4で男性に多いと言われている。

まず知っておきたいこと。
精神疾患、統合失調症は「遺伝」や「性格」「育て方が悪かったから」ということが原

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国際生活機能分類(ICF)について   

国際生活機能分類(ICF)について   

障害を人が「生きる」こと全体の中に位置づけ「生きることの困難」として理解するもの。
ICIDHの改訂版、国際疾病分類の補足としてICIDHがあった。
国際疾病分類(ICD)1990年に採択されたICD-10が最新分類。
世界共通の診断基準として、WHOが国際疾病分類を作成した。
*ゲーム障害の定義(2019.5 ICD-11に追加されることが正式認定(発行2022)

・国際分類ファミリー健康観:

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計画相談支援の人員基準に「相談支援員」を位置付け 相談支援専門員の助言下で業務(2023年10月30日)

計画相談支援の人員基準に「相談支援員」を位置付け 相談支援専門員の助言下で業務(2023年10月30日)

厚労省の障害福祉サービス等報酬改定検討チームは10月30日、次期報酬改定に向けて相談系サービスについて議論した。計画相談支援事業所において、「相談支援員」が利用計画の原案作成を行えるようにすること等が提案された。

計画相談支援・障害児相談支援は、平成27年度から障害福祉サービスを利用するすべての障害児者が対象となっている。令和3年度報酬改定においては、「機能強化型」の基本報酬区分が設けられた。費

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「選別主義」「普遍主義」の利点と欠点

「選別主義」「普遍主義」の利点と欠点

 社会的な支援を必要とする人々に対し、資力調査のある「選別主義」と資力調査のない「普遍主義」がある。
 
 選別主義は、社会保障の恩恵が特定の人や条件に対してのみ提供されるべきという考え方である。
 例えば生活保護制度を挙げると、資力調査が行われることで、社会的な支援を必要とする困難な状況にある世帯に対してのみ支援が提供される。その中でのメリットとしては、生活保護費の受給に係る適用条件を満たさない

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こぼれ落ちそうになったら~15歳からの社会保障~

15歳からの社会保障という本が刊行された

社会保障制度をわかりやすく身近なものとして
気軽に読める本

社会はとても便利になっていて
ないものを見つける方が難しいくらい何不自由なく生活することができる
なんでもできる、どこにでも行ける、誰とでも繋がることができる
確実に快適で、希望が持てる時代になっているはず。

だけど、一つどこかで間違えると、簡単には戻れない場合が多い
上手に言語化できないけ

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住民主体の地域福祉活動を展開する際に必要なこと(レポート)

住民主体の地域福祉活動を展開する際に必要なこと(レポート)

 福祉サービスを必要とする地域住民を、何らかの生きづらさを経験しているマイノリティとした場合、それはマジョリティが直面していない、あるいは直面せずに済んでいる問題を抱えている住民となる。はじめに、現在の社会的な課題から施策をもとに課題を整理していきたい。
 
 マイノリティとされる地域住民の抱えている諸問題は、個人的な問題として捉えられ、社会的に解決すべき課題として公正・公平に捉えられにくい。社会

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大切にしたい事柄メモ~精神保健福祉に関して~

大切にしたい事柄メモ~精神保健福祉に関して~

 社会的包摂として地域共生社会、地域包括ケア、地域移行支援など制度の整備が進んでいるものの、地域の受け皿などの整備が遅れている。
 特に精神障害者の地域移行支援や地域定着支援に至るまで経過では、精神障害者への関り方に戸惑いを覚えるなどの「スティグマ」いわゆる偏見や差別的な見方についてより具体的な対策を考えていくことが急務である。
 
 方法としては、教育的な側面から地域住民への啓発のための講座開催

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社会的処方に必要な理論(覚書)

社会的処方に必要な理論(覚書)

社会的処方とは? 地域の方の大半は、はじめから集いの場などの地域づくりの必要性について疑問を持つ人は少なく、なぜ必要なのか・・というところの説明としての啓発活動が重要となっています。
 啓発の初めの一歩としては、やはり予防的な側面が強くある「ポピュレーションアプローチ」を主軸としたかかわりが求められます。
 健康状態に置き換えれば、症状が出てからの治療段階では、医療機関や公的サービスの出番です

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宿題のリデザイン

小学校に入学する際、「宿題をさせるのは親の責任だと思ってください」と学校から言われることが多い。世の親御さん、特にお母さんはマジメな人が多いから、必死に子どもに宿題をさせようと頑張る。しかし悲しいことに、これが勉強嫌いへの第一歩となる。
子どもが小学校に入るまでの親は、子どもの成長に先走ることはない。先走っても無駄だから。まだ歩けない赤ちゃんに「歩くにはこう!こう足を動かすんだよ!」と言っても、言

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個別支援に必要な、5つの保健師スキル。

個別支援に必要な、5つの保健師スキル。

保健師が行う業務は、乳幼児健診、健康相談、健康教育など多岐に渡りますが、個別支援もそのひとつです。そしてこの個別支援こそ、保健師としての醍醐味を味わえる仕事と言っても過言ではないかもしれません。

その分、責任は重大です。その人の人生を変えてしまうこともあるから。必要があるなら、対応策として、家庭解散の選択肢まで含めることさえあります。

私個人的には、自殺対策を通した個別支援を多く担ってきました

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障がい者が障害と障がいを感じない社会へ

障がい者が障害と障がいを感じない社会へ

 「障がい者が障害と障がいを感じない社会の創造」
ユニバーサル・インクルーシブ。考えを巡らせている着眼点でとても興味があります。
現在までの制度設計は「縦割り」です。しかも、これまでは「障害のある人が少しでも生きやすくなるために保証しよう」という制度での「救済」が主な目的だったのだと思います。
その部分が、介護保険制度で言えばケアマネジメントという「契約からサービスへ」利用者自身の選択による画期的

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「何が正しくてそうではないのか」+ABC理論

「何が正しくてそうではないのか」+ABC理論

「何が正しくてそうではないのか」とても難しいことです。
先に結果がわかればいいのですがそんなことはありえません。

 まず考えなければならないことは「それが本当に倫理的な問題であるかどうか」です。そんなに目くじら立てなくても良いのではないかということが日常に溢れています。
 細かいことにあれこれ考えを巡らせてしまうと、先に仕事が進まなくなってノイローゼみたいになってしまいます。例えば、訪問先でお菓

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地域包括支援センターの専門性とは?

地域包括支援センターの専門性とは?

R2.11.9記事内容加筆しております。
法的根拠
○地域包括支援センターは、市町村が設置した地域包括支援センター運営協議会(以 下「運営協議会」という。)の意見を踏まえて、適切、公平かつ中立な運営を確保することとされている。 (介護保険法施行規則第140条の66第2項)
○介護保険法
・第78条の2第7項(地域密着型サービスの指定) ・第115条の2第5項(地域密着型介護予防サービ

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