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art & fashion

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アートとファッションにまつわるエッセイ集です。「○○とアート」「○○とファッション」などのシリーズはこちらに。
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#私の仕事

インスタを毎日投稿してみたらどうなるか実験しています

インスタを毎日投稿してみたらどうなるか実験しています

急に思いついて、2月はInstagramを毎日投稿してみています。ドレスの仕事用のアカウントです。

これはちょっとした実験です。わたし、じぶんで実験するのが好きなんです。

変化はね、ありましたよ。まず、リール動画をつくるスピードがあがった! 最初は1本のリール動画をつくるのに3時間(!)もかかっていたのだけど、いまはめっちゃ早くなった。やっぱり慣れって大事ですね。

それからさまざまな機能にも

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弘前つがるこぎんの旅|誕生日には、好きな街で、好きなことを。

弘前つがるこぎんの旅|誕生日には、好きな街で、好きなことを。

おととい神戸から弾丸で青森・弘前に行って、きのう帰ってきました。

14時20分に青森に到着して、翌日の14時に青森を出発する弾丸旅。青森滞在時間はわずか23時間40分。それでも行こうと思ったのにはわけがありました。

青森での出会いわたしは神戸でウェディングドレスをつくる仕事をしています。

「フジドリームエアラインズ(FDA)青森ー神戸便の利便性を活かした青森・神戸のビジネス交流会」という事業

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ワクワクできるかどうかを最優先にしてみてもいいのかも

ワクワクできるかどうかを最優先にしてみてもいいのかも

旅に仕事に大学の勉強にと、いろいろやっているわたしですが、本業はウェディングドレスのオーダー制作とリメイクの仕事をしているドレスの仕立て屋です。

先日、花嫁さまとお小物合わせをしました。「お小物合わせ」とは、当日のドレスに合わせて、ヘアアクセサリーやベールなどを決めていくことです。

ふだんから、ウェディングの小物や、ヴィンテージの帽子、アンティークのレースなど、こつこつと好きなものを集めていま

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花々と星々を縫いとめる|お母さまのウェディングドレスのリメイク

花々と星々を縫いとめる|お母さまのウェディングドレスのリメイク

春に手がけたウェディングドレスの物語です。

わたしは神戸でウェディングドレスのリメイクとお仕立ての仕事をしています。最近では、遠方からのお問い合わせも増えてきました。

今回ご連絡をいただいたのは、広島にお住まいの花嫁さま。どんなドレスに出会えるのだろうとワクワクしながら、神戸から広島へドレスをお迎えに行きました。花嫁さまとドレスに会うための、しあわせな日帰り旅です。

お母さまのウェディングド

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白に魅せられてしまったものはしょうがない

白に魅せられてしまったものはしょうがない

そうだった。つくっている間は苦しいんだった。

ウェディングドレス、つくっている真っ最中は、悩むし、そのことで頭がいっぱいになるし、責任感に押しつぶされそうになる。楽しいだけじゃないこともある。

わたしはなんでこんなに責任の重いものを仕事にしてしまったんだろう。

そもそも色が「白」っていうだけで大変さが倍増する。すごく神経を使う。

一日中制作して、クタクタになって翌日の段取りを考えながら歩く

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チョコレートは着るものです。

チョコレートは着るものです。

数年前のある日「わたし、ウィリー・ウォンカになりたいんです」という女性から、衣装づくりの依頼を受けました。(わたしの本業は、オーダーで衣装やウェディングドレスをつくるドレス作家です)

ウィリー・ウォンカとは、ジョニーデップ演じる「チャーリーとチョコレート工場」の工場長。これがまあエキセントリックで不気味なチョコレート工場で、ダークファンタジー好きにはたまりません。

この映画のイメージで、チョコ

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「声をあげるドレス」 女性たちは何を着て闘ってきたのか。 #国際女性デーによせて

「声をあげるドレス」 女性たちは何を着て闘ってきたのか。 #国際女性デーによせて

政治や選挙に関する記事はあまり人気がないかもしれませんが、服を仕事にするわたしが書くなら、ファッションにからめて書いてみます。タイトルは「声をあげるドレス」です。

「DRESS TO PROTEST」
書きたいと思ったきっかけは、HARPER'S BAZAAR(ハーパース・バザー)UK版・2021年3月号の、「DRESS TO PROTEST」という特集記事です。「抗議するドレス」として、政治的

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ドレスは環境問題に貢献できるか? 排出されたエアバッグで作ったウェディングドレス

ドレスは環境問題に貢献できるか? 排出されたエアバッグで作ったウェディングドレス

ファッションにもサスティナブルが当たり前の時代がやってきました。サスティナブルとはサステナブルとも言い、「持続可能な社会を目指す」価値観です。繊研新聞を見ても、毎日どこかしらにサステナブル関連記事が見つかります。

わたしはウェディングドレスのお仕立てとリメイクをしているのですが、近年は環境問題やSDGsへの関心から、リメイクのお仕事の依頼が増えてきました。お母さまのウェディングドレスのリメイクや

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ここからヴィンテージをつくるということ。

ここからヴィンテージをつくるということ。

とうとう、2000年代生まれ、Z世代の花嫁さまがウェディングドレスのオーダーにいらっしゃった。

インスタグラムでわたしのエシカルウェディングドレスの活動と、オーダードレスの作品を見てくださって、はるばる遠方からお母さまと一緒に。

ついこの間まで10代だった花嫁さま。彼女たちはまったく新しい価値観でものごとを決める。エシカルやヴィーガン、SDGsは当たり前の世代だ。まぶしい。新しい時代がやってき

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もしも旧グッゲンハイム邸が、あの「グッゲンハイム」じゃなかったら。

もしも旧グッゲンハイム邸が、あの「グッゲンハイム」じゃなかったら。

花嫁様の召使い、ウェディングドレスの仕立て屋タケチヒロミです。

昨年夏、神戸のウェディング関係者に衝撃が走りました。

「旧グッゲンハイム邸って、別人宅だったってよ!」

私たちが「旧グッゲンハイム邸」だと言っていた洋館は実は別人宅で、本当の旧グッゲンハイム邸は、20メートル北側にある「旧竹内邸」と呼ばれていた建物だったそうなのです!衝撃です。

神戸新聞に掲載されたそのニュースは、業界関係者の

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しあわせな仕事おさめ

しあわせな仕事おさめ

2020年の仕事納めは、海辺の洋館での召使い業務でした。お屋敷付きの衣装係として、花嫁様のお支度をお手伝いするのです。

素晴らしいお天気に恵まれた、とてもしあわせな1日でした。

今年はいろいろあったけど、こうして花嫁さまのお手伝いで今年の仕事を締めくくることができて、こんなに幸せなことはないです。

ウェディングの仕事が自分にとってどんなに大切だったのか、改めて知ることのできた一年でした。

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読み、繕い、繋ぐ、おばあさまの仕立てたウェディングドレス。

読み、繕い、繋ぐ、おばあさまの仕立てたウェディングドレス。

古いものとドレスとイギリスをこよなく愛す、ドレスの仕立て屋・リメイク作家のタケチヒロミです。

先日、お母さまのウェディングドレスのリメイクのご依頼がありました。シルクのコード刺繍が美しい、35年ほど前のウェディングドレスです。

ボリュームのあるお袖のデザインが80年代のドレスの特徴を表しています。

1980's この時代のドレスには、肩や袖など、上半身にボリュームのあるロマンティックなデザイ

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廃棄されるはずだった5着の服が、ウェディングドレスになるまで。

廃棄されるはずだった5着の服が、ウェディングドレスになるまで。

ドレスの仕立て屋・リメイク作家のタケチヒロミです。

先日書いた「ドレスは環境問題に貢献できるか?」という記事を公式マガジンに載せていただいたみたいで、とっても嬉しいです。

今日はその「エシカル・ウェディングドレス」の創作のドラマについて。

廃棄される予定だった5着の服が、エシカルなウェディングドレスになるまでの工程です。完成品を見ただけではわからない手順や、リメイクの発想法なども書いてみます

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「旅先で受賞を知りました」って、言いたいだけ。#2020年秋の美術・芸術!コンテスト で入賞しました。

「旅先で受賞を知りました」って、言いたいだけ。#2020年秋の美術・芸術!コンテスト で入賞しました。

「ただの召使じゃないわね」が人生で言われてみたいセリフNo.1のドレスの仕立て屋、タケチヒロミです。花嫁さまの召使いだと思いきや、実は移動式チャペル・ルーロットの女主人です。

ちなみに言ってみたいセリフのひとつが「旅先で受賞を知りました」だったのですが、なんと、その夢のシチュエーションがきのう、叶ってしまいました。
#2020年秋の美術・芸術 ! で入賞したとの知らせを受けたのです。なんと旅先で

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