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何度でも読みたい。

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何度でも読みたい。noteで読ませていただいた、そんな記事をまとめています。
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記事一覧

「頭がいい人は難しいことをわかりやすく説明することができる」は本当だろうか

「頭がいい人は難しいことをわかりやすく説明することができる」は本当だろうか

長文ファンの皆様おはようございます。

「頭がいい人は難しいことをわかりやすく説明することができる」とよく言われます。ある程度はそう言えそうなものの、やはり難しいことはどんなに説明上手でも理解が難しいこともあり得ます。

これは「わかることと、わかった感があることは違う」ところからやってきていると思います。どちらかというと「わかった感」の話をしていると思います。ではわかった感はどう生み出されるので

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やりたいことをやっていくために必要なこと

やりたいことをやっていくために必要なこと

今回はどうしても、ある特殊な「仕事論」の話を書いていきたいのです。

最初に、こういう話からさせてください。

普段から仲良くさせていただいている、お師匠兼お友達の精神科医の名越康文先生がいるのですが、名越先生との会話で、「自分の仕事で長生きする秘訣というのは、もしかしたら、100%本命の、自分のやりたいことをやらないことなのかも知れない。それよりも、自分のやりたいことから、ちょっとズレたことをや

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センスとは何か

センスとは何か

 効率を求めるZ世代諸君は無駄な努力を嫌うでしょう。昭和スポ根のような青春は希薄に霧散して、今やコストパフォーマンスの向こう側、タイムパフォーマンスやらなんやらの時代です。

 たしかに能力の差異というものは存在します。プロリーグのある競技が分かりやすく、スポーツもゲームも何もかも、努力だけでは埋まらない絶望的な差というものがあります。それを才能と呼ぶかセンスと呼ぶか、ここではセンスと表現しましょ

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日常的な料理には、日々食べ続けられる生活の工夫が詰まっている。「海の向こうの自炊」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

日常的な料理には、日々食べ続けられる生活の工夫が詰まっている。「海の向こうの自炊」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加

 自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。今年の4月から世界中の「日常のごはん」を求めて、海外に赴いている山口さん。なぜ「日常のごはん」に触れたいのか? その旅の目的と、出発に到る経緯について綴りま

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誰のための部活動なのか?

誰のための部活動なのか?

部活動(サッカー)指導をやりたくて中学校教員になった『そい』と申します。

平成元年より小学校教師を6年勤め、新卒時より地域のサッカー少年団や、地域の中学校のサッカー部外部指導者を経て、7年目より念願の中学校教員としてサッカー部顧問を務めて今年で35年目を迎えました。

新卒時は16時に退勤してからの『サッカー指導の時間』こそ、一番やりたいことをやる時間という感覚であり、勤務時間など考えたこともあ

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「変化の激しい時代」という言葉への違和感

「変化の激しい時代」という言葉への違和感

思考は言葉でできている。だから、思考を深めるためにできることは、一つだけ。言葉を精査することだ。

以前に『思考停止を促す言葉を使わない』というnoteを書いたが、世の中には、意識せずに使うと思考停止を促す言葉が幾つかある。ぼくのnoteでは、そうした言葉たちについて何度か紹介してきた。

例えば、「頑張る」や「覚悟を決める」は、そうした言葉の代表格だ。

これらの言葉は、精神的興奮で課題克服を図

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64 日本一になった怪我人から、怪我をして悩むキミへ

64 日本一になった怪我人から、怪我をして悩むキミへ

僕は念願だった日本一の栄冠を手にした入院15日目の怪我人です。

両脇には松葉杖、手首には入院中の患者がつけるリストバンドをつけています。

あの日から3ヶ月。やっと笑うことができた瞬間でした。

そして、次の日にはまた入院生活が始まり、松葉杖の穴からは今も時々、ビール臭がしています。

これから書き綴ることは、怪我を乗り越えた人物の成功体験ではなく、手術したばかりで、これから乗り越えていこうとし

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A whale of a time

A whale of a time

あとがき

最近、強い焦燥感や不安に押し流されそうになる時がある。
この国はもうダメだとか、泥舟から早く脱出しなきゃいけないとか、アレは得でコレは損だとか、誰が悪くて誰が正しいとか。僕も皆も右往左往しているように感じる時がある。

先日、長男の中学校の合唱コンクールを鑑賞した。仕事が忙しい時期で、面倒だなと思いながら会場に向かった。が、一生懸命に歌う彼、彼女らの姿を見て思わず落涙しそうになった。

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47 人生ゲーム

47 人生ゲーム

ここまでは人生ゲームのルーレットを回すと大きい数字しか出ないような、そんなプロキャリアだったように思う。

怪我もしてこなかったし、プロ入団後は主力選手としてほとんどの試合で先発出場し、ルーキーオブザイヤーのベスト5にも選ばれ、翌年には日本代表にも選出された。

気づいたときには、想像もしてこなかったような場所に立っていて、ここまではハイペースに進んできた。

そんな中、3月に大怪我を負ったことに

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本当の理解とは、「分けて考える」の先にある

本当の理解とは、「分けて考える」の先にある

ぼくは昔から食べることが好きで、大学生時代はアルバイトで貯めたお金で、一流と呼ばれるレストランに足を運ぶことが趣味だった。

一流の料理人がつくる料理は、ただ美味しいだけではない。

そこには料理人の魂みたいなものが息づいていて、その人の哲学が凝縮されているように感じる。それは世界観といってもいいかもしれない。そういう料理を食べ終わると、いい作品を読み終わった後のような気持ちになる。

ぼくが思う

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呼吸と断捨離の境界

呼吸と断捨離の境界

 喘息もCOPDも閉塞性換気障害を呈する疾患です。これを平たく言い換えますと、うまく息を吐けないということです。

 息が苦しいと空気を吸いたくなりますが、吸うためには吐かねばなりません。吐ききらないうちに吸おうというのは、膨らんだ風船に空気を入れ続けようとするようなものです。いずれ吸えなくなりますし、無理矢理空気を押し込めばパーンと破れます。

 呼吸。

 呼気とは吐く息、吸気とは吸う息です。

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関係につける名前なんて問題にならないぐらいの、あなたなのだ。――「ことぱの観察 #15〔友だち(訂正)〕」向坂くじら

関係につける名前なんて問題にならないぐらいの、あなたなのだ。――「ことぱの観察 #15〔友だち(訂正)〕」向坂くじら

詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。

友だち(訂正) 三十になろうかという秋の夜、「お友達になりたいです」と言われた。この、もっぱら人づきあいが苦手で、友だちの少ない、そして「友だち」という語のうまく使えない、わたしが。そうメッセージをくれたのは同年代の女性で

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幸せを取りこぼさない方法

幸せを取りこぼさない方法

初めて来た外国で、気が付けばまったくタクシーの来ない場所に取り残されていた。困っていると、知らない青年が「お金を払ってくれるなら俺が街まで送ってあげるよ」と提案してきた。あなたならその車に乗る? 乗らない?

今日は幸せを取りこぼさない話がしたい。
私の周囲には幸せな人が多い。私も概ね幸せな人生を送っている。生きていく上で、辛い思いもしたし哀しい出来事も経験した。苦い経験も頭を抱えるような気持ちで

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