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seiji_arita
2024年6月1日 11:57
「スカイツリーとウクレレ」其の機能は全て 論理的で倫理的であり其れに伴う取り扱い説明書と保証書が添付されているスカイツリーはいつに無く高くそびえ立ち今もなお天高く 伸び続けている様に見えた救世主教会の尖塔 頭頂部には其れが有り地上の僕等を見下ろしている街の路地裏は砂利で出来ており 草すら生えない荒地だった其処には 無能、無知、馬鹿や偽善は
2024年5月31日 22:19
「有り余る余白」不自然な程の有り余る余白形容詞の選び方や句読点の打ち方が何処か微妙にずれた文体の中に僕は居る世間とは外れた場所で僕の中の何かが進行している少数者の為にある様な文章を好んだ其れを読む人間なんてほとんど居ない誰かが僕に占いを信じますか そう聞いて来た僕は即座に興味は無いとそう答えた其処に並べられた とりあえずの道具に特別な価値と力
2024年5月30日 02:53
「悪魔と青く深い海のあいだで」その水は何処までも透明で純粋だったんだそれを知る者は誰も居ない灯りすらない夜の闇 誰かの足音くだらない辻褄合わせに僕等は泣いている銃声の音が聴こえますかまた大切な何かが失われて行く知らぬ間に目隠しをしていた愛の調べ不釣り合いな恋に傷付くのが怖かった水平線の向こうには花は咲いていますか僕等の話を聞いてください
2024年5月29日 01:36
「Good Luck」ソファーで猫が眠っているアメリカンショートヘアバルコニーから夜の海 その上に琥珀色の月が輝いて僕はワインの瓶を静かに開ける そんな風景を信号待ちのサイドミラーの中に描いて素敵な夜を想像していた信号は青に変わり僕はアクセルを踏み込む時事的で複雑な定義に溢れた街を走り抜ける思想性は何処にあるの 助手席の彼女はそう僕に聞く多分
2024年5月26日 22:02
「ハイボール」小さいけれど確かな幸せって人は見逃してしまう夏の夕暮れの風が心地良かったりあの娘が笑いかけてくれたり確か前に 私は不適切な人間だと あの娘は話してた其れは社会に対してであり また自分自身の心に対して上手くコントロール出来無いんだ そう言って俯いた居場所がわからないとだったら此処に居れば良い此処が君の居場所であり僕の居場所だよ
2024年5月25日 21:49
「善導」其れは無意味で硬直した幻想でしか無い四方を囲む幻の壁 其の中で僕は単純で一面的な発想の微笑みを浮かべる疑心暗鬼を押し殺して口に出すべき事柄で無いものの中に真実はある非論理的で無意味な心の通わぬ善導 僕は今日も異論はありません そう笑って答える世界の認識なんて知らない 社会の秩序だってどうでもいいお前達の事だって興味は無い僕は自分の
2024年5月23日 21:48
「龍の国」金で買えない物なんて誰も欲しがらないいつから俺はそんな世界の中に居るんだろう神経が少しずつ狂い始めるまだ死ぬには早過ぎる 理由なんて無いただ漠然とそう思っただけだ尻の軽い女と口数の多い女は苦手だ買収される奴と買収されない奴世の中には明日の来ない今日だってあるんだぜ教えてやろうか それがお前の口癖新月の闇 その中にあるはずの無
2024年5月22日 08:51
「鏡の中」ある種の鳥が綺麗なビー玉を収集する来る日も来る日も集め続けている其れは世界を構成している精神性なファクターであるかの様にある結論をもたらす大切な因子であるかの様に僕の前では頭の狂った人間達が其れにうなずいている夜は足速に過ぎ去り 僅かな月明かりに照らされて鏡がゆっくりと静かに光を持つ其処に僕が映し出されるしばらくして奇妙な事に気がつく
2024年5月21日 19:54
「道化のグラス」僕は其の限り無く純粋な水を道化と言う名のグラスに注ぐ華麗な結晶が輝くとか輝かないとか僕等は瓦礫の山の赤茶けた地面にトンネルを掘り銀行を襲う計画なんだ僕は才能の枯れ尽きてしまった作曲家と写真家と絵描きを誘った才能の枯れ尽きた詩書きなら此処に居る そう言って笑った失われた音符と失われたフィルム失われた絵の具と失われた言葉それでも其
2024年5月15日 14:27
「二人称単数」過去の記憶と現在の感情が時間軸を隔て まるで違う人物の二人称の物語を描く様に流れて行く其れは常に平行しており等価であり 全てが僕個人に含まれている欠片だと気が付かない僕の意志とは無関係な所で選ばれた事柄が進みまた 僕の意志とは関係無く失われて行く其処に居る僕は揺るぎない確信を探し求めているこの場所に君が一緒にいてくれたならと僕は
2024年5月13日 22:11
目には見えない程の細かな雨 白夜の様な清潔な静寂何処かしら温かみを欠いた無機質な風が吹く誠実な靴音を響かせて歩く人しかし其れは硬く的確に不透明を排除する音の様に聴こえた原色が至る所に塗り付けられた肖像画は難解では無いがその絵の意味する事柄が僕には読み取れない何ひとつとして怠りの無い光が床に射し込む違和感は無いが匿名性を帯びコンセプトを持たない人
2024年5月10日 14:37
「車窓」限られた目的が人生を簡潔化して行く其処には言語化される事の無い自分自身のルールが存在している平坦で無個性な街を行き先表示の無い電車が走る僕は座席に座り窓の外を見ていたいったい何処へ行くんだろう多様な選択肢が目に入り消え去る時間の進みが早過ぎて 僕は世界とのバランスを失った上手く行かないのは僕のせいじゃ無いそう 誰にも聞こえない様に呟いた
2024年5月8日 23:04
「正しい場所」日付を持たぬ日々が通り過ぎて行く僕は自分自身が存在して無い事に気付いていない違う 存在しない者として ただ生きていた其処にある時間軸に従いながらも生の欠落を感じとっていた僕は空にある雲に触れた 其れは 硬質で鈍色な塊 其処には虚無で深い沈黙だけが渦巻いている聞こえる 何の意味も持たない音が大量のウィスキーが眠りに誘う意識
2024年5月7日 20:29
「言葉」非調和性を帯びた不協和音とトランス状態に似た微かではあるが確実な狂気意識と無意識の境目が手招きをする僕は半円形の世界を見ていた 其れはただ見る必要性に迫られたからで本当に見たいから見ていた訳じゃ無いいつしか僕は現実では無い世界の中に自分の見たいものを自分自身で見つけ出した其処には僕と個人的に結びついているとしか思えないそんな言葉が