ほんとうのわたしをさがして③

迫真の演技をしながら
心を殺しながら
私は素晴らしい中学生活を送った。

高校生になった。

音楽漬けになりたくなかったので
音楽科のある学校には行かなかった。
推薦では落ちたが、一般で受かった進学校に入った。

生徒会長になりたかった。
中学の時みたいになりたいと思っていた。
最上級の役職だと思ったし、役職がなければ私は存在価値がないと、心の奥で無意識に思っていたのだろう。

しかし、既に生徒会長は決まっていた。
1年生の段階でなぜか決まっていた。

ここで私は、自分にはできることがないと思ってしまった。
そんなこと思う必要がなかったのだと思うが、違う中学校から来ているいろんなクラスメイトに圧倒されて私の居場所はないんだと思ってしまっていた。


それに合わせて中学の時にヨリを戻していた彼に
重く接してしまい、振られてしまう。
勉強も全然しなかった。どん底だった。

このへんで、10周年を迎える嵐に出会い
そこから10年ほどお世話になる。

高校の時は死んでいた。
何も上手くいかなかった。
何のために勉強するのかもわからないし
何で生きているのかもわからなかった。

3年になってから学校には泣きながら行った。
今思えばちょっと鬱だったのかもしれない。
でも誰にも何も言わなかったし言えなかった。
親は「いじめにあってるのか?」と言った。
私は的外れな質問にうんざりした。

まあ仕方ないよな。私が何も話さないんだから。

この頃からしっかりと、うちの親っておかしいのでは?
とやっと思い始めた。

何でもかんでも母は
酔っていた時のことは覚えていない、知らない、
そんな時に言われたってわからない
酔っ払っている時に話すお前が悪い
そう言った。

今でもそう言われる。

進路を決める時、国立大の教育系音楽に行こうとしていた。
このときはもう、進路は大人が決めていた。そしてわたしにも意思はなかった。進路なんかどうだってよかった。生きていくかどうかさえあやふやだった。

たくさんの大人がかかわった。歌のレッスンもすることになった。学校の音楽の先生にも怒鳴られた。泣きながら指導を受けた。

今考えると、本当に頭のおかしいことをされていたと思う。ずっと。いろんな人に。でも、抵抗するほどの体力がなかった。精神的な力ももう何も残ってなかった。とにかく言われた通りにすればいいと、それしか思わなかった。
毎日言われた通りに生きた。学校には行くものだから行って、レッスンも行くものだから行って、理不尽な怒られ方にももう何も感じなかった。

私はロボット。機械だから、何も感じない。
毎日そう言い聞かせて学校に行った。

勉強もしてないし、推薦も前期も大学は落ちた。
後期の試験の前の日に、震災が起こった。

ある意味、震災がわたしの人生をリセットしたのかもしれない。だけど私は変わらなかった。

震災で後期試験は中止となり、私は滑り止めの私大に入った。
震災のせいにできた。すべてを。
だから、国立大学に落ちたことを誰も責めなかった。
全ての努力がいろんな意味で無くなった。
バカみたいだったけど、リセットされた気がした。

だけど、せっかく環境が変わったのに
私は何一つ変わらなかった。
我慢を繰り返し、本当の自分を見失っていた。
我慢していることに気づいていないから
何も変わらない。
我慢なんてもんじゃなくて、生きるために必要なことだった。自己犠牲だけが自分を生かした。死にながらも形だけ生きているように見せられた。


もはやゾンビだった。
中身のない、リモート義体のような。
私の全てが腐っていた。



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