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日本以外のアジアに関する本のレビュー集

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日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
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#シルクロード

海の古代史―東アジア地中海考 (角川選書)

海の古代史―東アジア地中海考 (角川選書)

 どこの国でもそうですが、日本の古代史にも、謎が多いですね。
 古代といえるほどの昔は、どうしても、情報が少ないからです。

 本書は、日本の古代史に、「東アジア」という視点から、切り込んでいます。
 古代の日本は、東アジアの国々と関係が深かったことが、明らかになっています。にもかかわらず、この視点からの一般向けの解説書は、少ないです。
 本書

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アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

アフガニスタンの美(ショトル・ミュージアム)

 アフガニスタンは、アジアの内陸にある国ですね。二〇一四年現在は、政情不安な国であることで、知られています(^^;
 また、イスラム教国であることでも、有名ですね。

 かつて、この国では、仏教が栄えました。その頃の遺跡が、たくさん残っています。
 正確には、「残っていました」と言うべきかも知れません。イスラム教の勢力が強くなり、政情不安と相ま

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アジア遊学 No.35 天駆ける馬

アジア遊学 No.35 天駆ける馬

アジア遊学 No.35 天駆ける馬

 勉誠出版から出ているムック『アジア遊学』シリーズの35号です。
 「天駆ける馬」という特集号です。

 ユーラシア大陸を縦横無尽に駆けてきた、ウマとヒトとの関係性を解いています。
 他に、アラビアのウマや、ロバについても、書かれています。

 騎馬民族や、騎馬文化について知りたい方には、必読の本ですね。
 本書をひととおり読めば、ユーラシアの馬文化

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シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

シルクロードの象 (1980年) (シルクロード史考察 正倉院からの発見〈14〉)

 『シルクロードの象』とは、不思議な題名ですね。
 内容は、この題名どおりです。シルクロードに現われるゾウ(象)を紹介した本です。

 シルクロードと象とは、普通は、あまり結びつきませんよね。
 けれども、考えてみれば、シルクロードの途中には、ゾウの分布する地域があります。東南アジアや、インドを中心とした地

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シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

 シルクロードを実際に旅した著者が、それぞれの土地の文化や歴史について、書いた本です。

 著者が旅した範囲は、西はトルコ、東は中国、南はイエメンやインド、北はウズベキスタンやタジキスタンにわたります。
 これだけ広い地域には、さまざまな人々の生活があるなあ、と感じられます(^^)

 解説書や事典というよりは、エッセイです。著者の

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飛天の道―東洋の各地に舞う天人・天女たち (Shotor Museum)

飛天の道―東洋の各地に舞う天人・天女たち (Shotor Museum)

 飛天【ひてん】を御存知でしょうか? 空を飛ぶ天人や天女のことです。
 その飛天について、美しい絵画や写真とともに、紹介した本です(^^)

 飛天は、東洋版の天使ですね。西洋の天使が、キリスト教の神の周囲を飛ぶように、東洋の飛天は、仏さまの周囲を飛びます。
 仏像や仏画がお好きな方なら、必ず、目にしているでしょう。

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アジア遊学 (No.28) ドラゴン・ナーガ・龍

アジア遊学 (No.28) ドラゴン・ナーガ・龍

アジア遊学 (No.28) ドラゴン・ナーガ・龍

 雑誌というよりは、ムックに近い『アジア遊学』シリーズの一冊です。
 アジアについて、何かしら学ぼうという方なら、一度は、お世話になる雑誌です。

 この号は、「ドラゴン・ナーガ・龍」を特集しています。

 東洋の龍も、西洋のドラゴンも、その中間に位置する南アジアのナーガも、取り上げられています。
 ペルシア、スリランカ、ベトナム、インド

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阿修羅のジュエリー (よりみちパン!セ シリーズ44)

阿修羅のジュエリー (よりみちパン!セ シリーズ44)

 『阿修羅【あしゅら】のジュエリー』という題名を見て、何の本なのか、内容が思い浮かぶ方は、少ないでしょうね。

 本書は、有名な、興福寺の阿修羅像を、取り上げています。
 でも、仏像の本ではありません。ジュエリーの本です。阿修羅は、とっかかりであって、ジュエリーのほうが、本題です。

 あまり知られていませんが、あの阿修羅像は、全身

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シルクロード 華麗なる植物文様の世界

シルクロード 華麗なる植物文様の世界

シルクロード 華麗なる植物文様の世界

 美しい本です。全ページに、カラーの写真や絵があります(^^)

 題名どおり、たくさんの植物文様が載っています。
 石に刻まれたもの、陶磁器に描かれたもの、装身具に仕立てられたもの、ハンコに彫られたもの、布に織られたもの、仏像に付随するもの、などなど。
 シルクロード沿いの地域で、人間が、こんなにも豊かに、植物文様を享受してきたのだ、とわかります。

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毘沙門天像の誕生―シルクロードの東西文化交流

毘沙門天像の誕生―シルクロードの東西文化交流

毘沙門天像の誕生―シルクロードの東西文化交流

 仏教に登場する神さま、毘沙門天【びしゃもんてん】の姿について、追求した本です。
 この分野では、一般向けの類書は、無きに等しいです。そのため、他に類を見ない面白さがあります(^^)

 毘沙門天は、謎が多い神さまです。
 なぜ、毘沙門天には、多聞天【たもんてん】という別名があるのでしょうか?
 なぜ、四天王のうちから、毘沙門天に対する信仰ば

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仏教の説話と美術 大文字版

仏教の説話と美術 大文字版

仏教の説話と美術 大文字版

 題名どおり、仏教の説話と美術を解説した本です。
 類書には、ハードカバーで、お値段も高いものが多いです。そんななか、本書は、文庫本で、入手しやすいところがいいですね(^^)

 仏像や仏画を見る時、彫られたり、描かれたりしている場面が、どういう場面なのか、気になりませんか?
 気になる人には、この本をお勧めします。仏教のさまざまな言い伝えが、コンパクトにまとめ

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シルクロードのガラス―時空を超えた魅惑の輝き (MUSAEA JAPONICA)

シルクロードのガラス―時空を超えた魅惑の輝き (MUSAEA JAPONICA)

シルクロードのガラス―時空を超えた魅惑の輝き (MUSAEA JAPONICA)

 ガラスの誕生から、こんにちまでの歴史をたどった本です。

 題名は、『シルクロードのガラス』ですが、ガラスが誕生し、発展したのは、ほとんどシルクロード沿いの地域です。事実上、ガラスの歴史の本となります。

 ただし、中世以降のヨーロッパのガラスについては、載っていません。ボヘミアのガラス、ヴェネツィアのガラス

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