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日本以外のアジアに関する本のレビュー集

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日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
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2023年3月の記事一覧

幻獣辞典

幻獣辞典

幻獣辞典

 古今東西の、架空の生き物たちを集めた本です。妖怪辞典、怪物辞典ということもできますね。

 日本語で読めるこの手の本としては、古くから出ているものの一つです。新紀元社の『Truth In Fantasy』シリーズが出る、はるか前に出版されました。
 私が持っている版は、一九七四年初版、一九八五年十八刷、となっています。これを見てわかるとおり、長く、たくさん売れ続けている本です。

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天怪地奇の中国

天怪地奇の中国

天怪地奇の中国

 中国に関する随筆【ずいひつ】集です。主に、中国に伝わる不思議な話を取り上げています。

 本書の帯には、こうあります。(一部に、環境依存文字があります)
 『ワンダーランド中国では、馬は舞い、鳥は喋【しゃべ】り、鬼は跋扈【ばっこ】し、人は大酒を呑む。  一読すれば哎呀【アイヤー】、驚倒【ビックリ】!』

 まさに、このとおりの本です(^^)
 中国の文化が好きな方、不思

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世界の犬の民話

世界の犬の民話

世界の犬の民話

 題名のとおり、世界の犬の民話を集めた本です。
 ざっと、96話ほども載っています。

 犬は、人気がある生き物ですよね。そのわりに、類書は少ないです。本書は、貴重な例です(^^)
 世界の各地で、犬は、どんなふうに見られているのか、わかります。

 ただし、本書は、扱っている地域に、偏りがあります。
 オセアニアの民話は、一つだけです。アフリカの民話も、三つだけです。

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極地の哺乳類・鳥類

極地の哺乳類・鳥類

極地の哺乳類・鳥類

 北極と南極と、二つの極地に棲む哺乳類と鳥類とを取り上げた本です。
 「北極・南極、両方に分布する」という意味ではありません。どちらか片方に棲む生き物たちを、紹介しています。

 北極と南極と、両方に棲む哺乳類や鳥類は、ごくわずかしかいません。
 哺乳類ではシャチ、鳥類ではキョクアジサシくらいです。むろん、どちらも、本書に載っています。

 本書の類書は、ほとんどあり

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匈奴―古代遊牧国家の興亡

匈奴―古代遊牧国家の興亡

匈奴―古代遊牧国家の興亡

 中国の歴史に興味がある方や、遊牧民族に興味がある方にとって、本書は、必読です!

 匈奴【きょうど】は、中国史において、おそらく、最も有名な遊牧民族でしょう。
 漢時代の中国は、匈奴を抜きに語れません。

 匈奴と漢との関わりには、多くの逸話が伝えられています。
 漢の将軍なのに、匈奴に投降した李陵【りりょう】や、漢の宮廷から匈奴へ嫁入りした王昭君【おうしょう

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龍の起源

龍の起源

龍の起源

 題名のとおり、龍の起源を探った本です。
 ただし、最後のほうは、龍の話ではなく、文明論になります。この部分を、蛇足と感じる方もいるでしょう。
 それでも、龍が好きな方は、ぜひ、お読み下さい。

 龍は、幻想生物の王者ですよね。不思議なことに、ほぼ世界じゅうに、「龍」といえる幻想生物の伝承が、語り継がれています。
 これは、なぜでしょうか? 本書は、この疑問の答えに迫っています

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ギルガメシュ叙事詩

ギルガメシュ叙事詩

ギルガメシュ叙事詩

 古代オリエントの神話を載せています。具体的には、現在のイラクあたりを舞台にした神話です。起源は、五千年以上、昔にさかのぼると考えられています。

 古代オリエントや、世界史に興味がある方は、必読ですね。
 これを読まずに、古代オリエント史を語る資格は、ありません。そう言えるほど、重要な本です。

 原典は、粘土板に書かれた楔形文字の文章です。原典そのものに欠損が多いた

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龍の百科

龍の百科

龍の百科

 東洋の龍について、たいへん詳しく、さまざまなことを載せた本です。
 東洋(東アジア)の龍に関しては、本書が一冊あれば、ほぼ、理解できると思います。

 西洋(ヨーロッパ)のドラゴンや、南アジアのナーガについては、少ししか載っていません。『龍の百科』というわりには、そこが不満に感じる方も、いるかもしれませんね。

 とはいえ、世界の龍について知りたいならば、無視できない本でしょう

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