忘却の閾値

忘却の閾値

 ※これは小説のメモでプロットである。どんなエピソードであれほんの断片であって、全体に響くのかどうかまだ分からない。  町民体育館と言えば、本間恵には淡い思い出があるらしい。  バスケットボール、バレーボール、サッカーボール、スポンジボールなどなど各種ボールや、競技用トランポリン、仕切り用フェンス、使わなくなった卓球台など雑品が所せましと保管してある倉庫はホールの8分の1程度の広さがあり、子どもたちはそこを使ってかくれんぼをすることも多かった。倉庫は隠れるポイントの一つに

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「吊るし雛」・・・怪談。娘の学校で父親が見たものとは。

「吊るし雛」・・・怪談。娘の学校で父親が見たものとは。

『吊るし雛』 授業参観に来るように、妻が念を押してきたのは 晩酌のビールが終わりそうな時だった。 「俺は仕事だから無理だよ。母親だけで良いだろう。」 「だめよ。調整して。 他の生徒さんは全員ご両親揃って出席するのよ。 美香だけ一人じゃあ格好がつかないじゃない」 「面倒だな。だから伝統にうるさい私学になんか 止めときゃ良かったんだよ」 「何言ってんの。あなたの卒業した学校でしょう」 「だから嫌だったのさ、あの学校はね・・・」 「ああ。もういいから。とにかく来週火曜

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この衣装に描かれているのは……? 各時代を沸かせた「地獄太夫」とは?
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この衣装に描かれているのは……? 各時代を沸かせた「地獄太夫」とは?

一目でただものではないとわかるこの女性。 重そうな簪(かんざし)、笄(こうがい)、櫛たちが小さな頭を彩っている。 細面な白い顔はややうつむけられ、白いうなじが覗く。 しかし一番目を引くのは彼女の美しさではなく、豪華絢爛な打掛に違いない。 だが、燃えるような赤色が目立つこの衣装に描かれているのは 「地獄」 である。 よくよくご覧いただければ、この赤色が文字通り地獄の炎であることが見て取れるはず。 他にも、肩のあたりには牛頭・馬頭が死人たちを運ぶ火車を引いてい

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島アンソロジー×かぐプラコラボ公募応募 俳句連作『環海異文』
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島アンソロジー×かぐプラコラボ公募応募 俳句連作『環海異文』

犬と街灯主催『島アンソロジー』とかぐやプラネットのコラボ企画の公募に応募した作品です。 『環海異文』 田中目八 俊寬忌島は柩にゆりかごに マグノリアの劉ねる海と地の鬩ぎ 幻氷と歷史の裡に息を繼ぐ 蜃氣樓柱に遺る瑕の蹟 魚島や盤を構成する力 菜花てふに化したり不安定の島 濱萬年靑遺傳はきまぐれに混ず 數字の生死ランダムに水月かな 九穴の鮑や海は五つにわかれ 海龜の地圖を蒐めてドウルカマラ 鳥の眼や雨の波紋とあめんばう 銀灣を島島反轉してありぬ

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イグBFC2応募作『疼愀嗄蠢』俳句四句
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イグBFC2応募作『疼愀嗄蠢』俳句四句

『疼愀嗄蠢』 鳰スケキヨは鼻詰まりたる 秋の夜はとにかく左とん平す 炎帝のラストマツチは猪木かな 春蠅殺すドラえもんを觀終つてから

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会合/町民体育館/夜中、自転車で通りを過る若い女性

会合/町民体育館/夜中、自転車で通りを過る若い女性

 ※これは小説のメモでプロットである。どんなエピソードであれほんの断片であって、全体に響くのかどうかまだ分からない。  本間恵はどうやらかなり幼い頃からこの地域に住んでいるらしく(ここで生まれたのかどうかは謎。そもそもこの付近に産婦人科、助産院のようなものがあるように思えないのだが)、町のあちこちを知悉しており、井本淳と向田ひよりにあれこれと地理を、もしくはこの地域の人物に関する噂を、あらかた教えてあるらしい。年代を一列に並べるのではなく、まるで部屋の間取りを説明するように

「桃色に染まる部屋」・・・怪奇を暴け!4。ピンクの我が家。
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「桃色に染まる部屋」・・・怪奇を暴け!4。ピンクの我が家。

人間、気持ちに余裕のないときには、ほんのちょっとした事にも 腹を立ててしまうものである。 数日前、夜遅くに帰宅したとき、 部屋の中に、奇妙な違和感を感じた。 何というか、平和な筈の家の中に淫靡な何か、悦楽を連想させるような甘い雰囲気が感じられたのである。 「何かおかしい。これはあの時の感じに似ている」 18歳で東京に出てきて、初めて夜の歌舞伎町を散策した時だ。 ミニスカートの派手な化粧の女性に腕を握られ、 無理やり風俗店に連れこまれそうになったことがある。 『呼び込

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雑誌『幻想と怪奇』投稿俳句連作『没食子』
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雑誌『幻想と怪奇』投稿俳句連作『没食子』

●雑誌『幻想と怪奇』公募二回目の応募作です。 『沒食子』 田中目八 老僧のこゑ美しき誘蛾燈 蛾の命燒べて翁の貌の光 老翁の乾いてありぬ瑠璃蜥蜴 麥波につかむ翁の袂かな 屍に悠くありけり雲の峯 粽より大きい兒らを蒐めをり 嬰兒の重さや柏餠啖ぶる 林檎飴濡れ薔薇は脈打ちはじむ 蜘蛛の圍や星圖に置かれゐる眼玉 玉繭や闇は宇宙を透し視る 生が來る死よりも疾く雷聲す 掻き探る手は手をなくし繭あらた 夏の夜に醒むるわが身を魚とせよ 山百合やリリスに愛の夢を視す 舞へば獨り裸

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人魚アンソロジー 海界 十二の海域とそのあわいにたゆたう

人魚アンソロジー 海界 十二の海域とそのあわいにたゆたう

なんと!小説家の阿瀬みちさんにお誘い頂いて私めっぱちさんこと目八も文字通り末端に参加させて貰いました。 俳句連作13句をちょっと俳句誌などではやらない感じにレイアウトしてみました(つもり) 他の作家さんは以下の通り皆さん名うてのパイセンたちで無名の私が参加してる事が不思議なくらいです。 [執筆者] 宮月中 3月クララ 化野夕陽 坂崎かおる 成鬼諭 こい瀬伊音 千早とわ うっかり 谷脇栗太 阿瀬みち 田中目八 冬乃くじ(巻頭イラスト) そしてクリタさんの表紙デザイン、巻頭の

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