私道かぴ (安住の地)
安住の地 所属。http://anju-nochi.com
戯曲や小説やコラムなどを書…
記事一覧
どこだれ⑬ 地元神戸、知らなかった街のこと(前編)
「お洒落なところでいいですねえ」。
これまで出身が神戸だと伝えた時に、最も多かった返事だ。次に多いのは、「山もあって海もあって、自然が多い場所ですね」「住みやすそうな所」だろうか。とにかく、神戸という土地に対してはみな何かしらよい感想を告げてくれる。そんな時、自分が何をしたわけでもないけれどどこか照れくさくなったり、誇りを持ったりするのが一般的な反応なのかもしれない。しかし、私はなぜかこういう言葉
どこだれ⑫ 駅で他人に懇願すること
切符売り場の前で、私は途方に暮れていた。その駅は、地方でもたくさんの電車が乗り入れる所で、路線も沢山伸びていた。そのため切符売り場の路線図には、信じられないほど多くの線が広がっている。図に入れるだけ入れようという気概が感じられ、見たことも聞いたこともない駅名がこれでもかと並んでいた。これから目指す駅など到底直ぐには見つけられない様子だった。
最初は地道にひとつずつ見ていたのだが、段々と焦ってきた。
どこだれ⑩ 子どもたちを尊敬している
芸術関係のことをしていると、度々ひょっこりと現れるのが「ワークショップ」の機会だ。
中学の頃、はじめてこの言葉を調べた。そのときはワークショップ=「体験型の講座」と認識した。受けるばかりだったそれを、今では自分がやる側になっているのだから人生はわからない。
劇場や公共施設からの依頼や自主企画で何度かやっているが、いままで縁遠かったのは「子ども」に対するワークショップだ。劇団や個人ではたびたび対象を