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育休から育業へ その1 男女雇用機会均等をリファレンスに 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 先ずは定義から。

 職場の理解が得づらいことやキャリア形成への不安などから、育児休業の取得を躊躇する人が未だに多くいます。「育休」を「仕事を休む期間」と捉えるのではなく、「社会の宝である子供を育む期間」と考えるマインドチェンジに向けてディスカッションし、育休に愛称を、ということで

みんなで育てるしごととしての

育業

と言う言葉が生まれたとの理解です。

 人間を60余年やって来た私としては、育休の定着は大きく捉えれば時間が解決してくれると思っています。

 男女の雇用機会の均等も私が社会人になった直後位に法律ができて、そこから徐々に改善していきました。

 因みに男女雇用機会均等法が制定されたのは1985年 、1986年に施行です。私が生まれ育った1960年代の高度経済成長期、女性の社会進出が進展しました。しかし、実態は採用枠に性差別が有って、女性は単純・補助的な業務に限定するなど男性とは異なる取り扱いをする職種を設ける企業が多くみられました 。

厚生労働省
男女雇用機会均等法の変遷

 今日でもまだまだという運用もありますが、当時の酷い状況を知る私としては、相当改善したというのが率直な印象です。40年経ってやっとここまでという感覚。

 教育が仕上がって固まっちゃった大人の考え方の芯の部分を変えるのは中々厄介で、世代交代を待たないと難しいというのが私の60年生きてきた実感です。幸い私はそれでも進取の精神ってやつを刷り込まれた人種なので相対的には柔軟にやって来れたと思っています。実際に例えば子供からは比較的そうだったと思って貰えて居るようです。
 その意味では勿論生物ですから個体差は大いにあるのですが…

 この経験からすれば育休という仕組みが本当に根付くのも時間が必要で、兎も角ベクトルの方向が狙った方向に向いて居れば必ず何れは理想的な状態になるということになります。

 自分の人生を振り返れば、育休などの制度もなく、日々サラリーマンを演じきってしまい育児という人として最大の楽しみの1つを味わう事も殆ど無く、貴重な時間をお金に変換し続けました。
 唯一の救いは、フレックスタイム制。製造業の現場に隣接していた研究所だったので現場は3直4交代、なので24時間365日稼働。ですからこの制度を使って朝の6時には会社に出勤し、夕刊4時には退社、5時前には自宅で子供のお風呂やおむつ交換なんかは楽しむことができました。女性から見ればいいとこ取りってやつをやって退けました。

 勿論年間の休みは120日程度有り、年次有給休暇は20日、最大の40日まで年度を跨(また)いて繰り越せました。また、労働組合が正常に機能していて、年次有給休暇の取得を書面で管理していました。年次有給休暇を捨てることなく完全消化することが定着していて、その意味ではそれなりに育児を楽しめたと思っています。

 とは言え育児は99%は吾妹に。

 時間を追って行くと、先ずは昭和の時代の女子のお作法たる結婚退職。結婚を理由に超大手企業を退職し間もなく妊娠。私がお互い若く傷の少ない遺伝子のうちに早く子供を授かって、綺麗な遺伝子同士の融合からなる子供を育て上げるという人生最大の課題を優位にかつ早くこなしたかったからなのですが。そこからはキツい悪阻(つわり)に始まって、出産で大きな負荷が掛かった身体のまま育児開始。特に辛い所、例えば深夜や早朝の対応とか、24時間365日というベースは完全に吾妹任せでした。

 本当に感謝しています。

 因みに2人目の子供の時は鉄鋼会社が半導体事業に出る社運を掛けた投資に関わっていて、米国で自ら開発した製品の量産化を日本の最新工場に移管しての工場立上げ、そしてそれを海外にマーケティングしたりセールしたりと残業や海外出張·単身の海外駐在をしまくっていて、育児を楽しむことが余りできませんでした。略々(ほぼほぼ)吾妹にお願いしていまった感じでした。Again,

 本当に感謝しています。


 その様な人生を歩んでしまったので、尚更今般の育業という愛称を活用して育休の定着を図るというのはナイストライという印象です。
 「社会の宝である子供を育む期間」と考えるマインドチェンジを愛称を付けることで促進するというのは、就活、婚活、就活など略称ですら有効なので良い試みかと。その意味では、育休だって年休と同じ様に取得して良いんだよという意味では機能していると思っていますが…
 
 キャッチーな言葉を駆使して話題にし、試行錯誤しながら定着を促進するのは王道ですよねぇ。今の私は老兵は去るのみと言う立場では有りますが、身近なことから1つ1つということで、先ずは私自身の育業に対するリテラシーをより高め行動することから始めますね。
 一寸前まで現役でサラリーマンの成れの果てをしていた時は、清く正しく(笑)育休取得促進には最善を尽くしていました。(なんたって若い頃結婚前後に年次有給休暇制度を使い倒した開拓者ですから…と次回のネタバレ)

 育業の今後の進展に期待しています。

 

 

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