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最近のこと

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最近のことをエッセイ風に。
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#とは

至言の体現

至言の体現

引っ越してきて、今日で一ヶ月。
といっても、荷物を二日に分けて運んだこともあって、ちょうど一ヶ月という気は、なんだかしない。
でも、はじめて自分で玄関の鍵を開けて、カーテンも雨戸も窓も開けて、ガスや電気を通して、夜になったら寝て、ということをしたのは、確かに一ヶ月まえだ。

この三十日間、これはこれで山あり谷ありだったなと思う。
途中でどうやら引っ越しうつとやらになり、一週間ほど寝こんだりもした。

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百円たわわ

百円たわわ

区役所に出陣しがてら、噂でしか知らないCoCo壱番屋でカレーを貪るそのついでに、百均ショップに詣でてきた。

この市に引っ越してきたのが、先月の二十一日。それ以来、寝こんでいた時期もあったため、まともに外に出たのはほんとうに久しぶりのことだった。
理想の中の私は引っ越して一週間もしたら自転車に乗り駅までの道を探検するはずだったのに、現実は一ヶ月ちかくが経ってもタクシーを利用するていたらく。
そんな

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なまりは水面をゆく。

なまりは水面をゆく。

公園まで犬にエサをやりに行くんだけど、君も来るかい?

高校二年の、八月のおわり。
部屋の片づけをしていたところへホストファザーがやってきて、そう尋ねた。

イギリスへの留学はホームステイも兼ねていた。私の受け入れ先はなかなか決まらず、七月なかばから寮で研修を受けながら不安まじりにそわそわしていたから、中部にある若い夫婦と赤ちゃんの家庭に行くことになったと正式な通知を受けたときは、とにかくほっとし

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闇に備える照明書

闇に備える照明書

愛情って何だろう。
この退屈な疑問にきっと答えは出ないだろう。

「愛情がまったくない」

引っ越しをした日の午後。まだテーブルも広げていない部屋で、何でも屋さんがそう言った。私の甘ったれた依頼のもと、新しいキャットタワーを組み立ててくれながら。
他の業者さんはもう帰っていた。代表であるその方だけが残り、事前にお願いしたいくつかのことをこなしつつ、何でも屋さんならではのいろいろな逸話を聞かせてくれ

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馬鹿の名前

馬鹿の名前

引っ越しハイかもしれない。
つい先日まで「引っ越しうつだ」と寝こんでいたのが嘘のように朝から晩まで片づけをしている。
この極端な性格、どうにかならないものだろうか。
しかも先週はかなりの時間を睡眠にも費やせていたのに、今はやや不眠気味である。
おかげで部屋もだいぶ片づいてきたし、外界とも接触をとって今ある問題の解決にも向かえているのだけれど、これが一段落したらまた糸が切れそうで怖い。

なにごとも

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いるものの色は

いるものの色は

先月。築八十年の家を出る直前のこと。

「この箱の中、必要なものありますか」

引っ越しを手伝ってくれている何でも屋さんが、古い段ボール箱の口を広げつつ差し出してきた。
私は一瞥してから、押し入れの下にあったものですよね、そう聞き返すと、女性業者さんが首を縦に振った。

「じゃあ、ぜんぶ捨ててください」

業者さんはもう一度だけうなずいて、いったん箱を畳に置いた。
長年、タンスに隠れていた場所と比

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ゼロとイチのこれから

ゼロとイチのこれから

移動は人を成長させる。
真剣に武器を操り敵を打ち倒していくうちにふと気づいた。
タイミングをはかり、距離をとり、冷静に適切なボタンを渾身の力をこめて、押す。

「ちょっと何で!?」
「押した!押したよ!ちゃんと〇ボタン押したのにあーもう!」

残酷にもゲームオーバーを告げる画面に向かって叫ぶこともある。一昨年だったか、一度だけあまりにもできないものだからコントローラーを投げたことさえあったものだ。

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先生の人差し指とキーボード

先生の人差し指とキーボード

からし色のマフラーが冬のくもり空の下ではぐれ者のように浮いていた。
ちょっとだけ毛玉ができている。一月はじめのころだと新しいものを身につけている人が多い。クリスマスプレゼントであったり、初売りの戦利品だったりするのだろう。
先生のそのマフラーはどちらでもないようだ。身体にすっかりなじんでいるようにも、見えたから。

私は奥さんがいないと何にもできないんだよ。

いつだか、そんなことをはにかみつつ言

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万能な天気なんてない。

万能な天気なんてない。

雨の日だったことを、よくおぼえている。
九月のあたま。雨のおかげで暑くはなかったけれど蒸していた。

たった一日でいろんなことが積み重なっていた。それを何とかやりすごし、なるべく良いほうに解釈しなければと自分に言い聞かせながら、傘を片手にエレベーターのボタンを押した。

残っている訓練生は私だけだった。
障害者就労移行支援所(以下、支援所)はビルの七階にあった。あいにくエレベーターは一階から上がっ

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「なんで?」の角にぶつかって

「なんで?」の角にぶつかって

私は豆腐が嫌いだ。
豆腐だけはどうしても食べられない。

逆に言うと豆腐以外に食べられないものは特にない。

ちょっとぐらいの汚れものならば残さずにぜんぶ食べてやる。
おお豆腐。君はダメ。
真実を握りし……めてないと良いな。豆腐の真実なんて知りたくもない。

こうしてキーボードに touhu と叩きつけるのもあまり気が進まない。
その程度には豆腐が嫌いである。

この私のアンチ豆腐っぷりを見て人は

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