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エッセイ

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ノンフィクション、実録エピソードです。生きづらさ、自己肯定感、悩みが中心。
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#自己肯定感

モンスターボールを99個集めないと気が済まない

モンスターボールを99個集めないと気が済まない

自分がゲームの趣旨から逸れた遊び方をしていて、取り返しのつかないところまで来ていることは、小学三年生の私でも、気付いていた。

ゲーム「ポケットモンスター」は、今でこそ多様な遊び方ができるが、初代と次世代までは「ポケモンを集めること」と「ジムリーダーに勝って、ポケモンリーグに挑むこと」に重きを置かれてゲームが設計されていた。ポケモンの数は初代「ポケットモンスター赤緑」では181匹、次世代「ポケット

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占いに行って、少し泣く

占いに行って、少し泣く

 占いに行ってみたいと、ずっと思っていた。

 その日は午前中に代官山でマッサージの後に予定があるだけで、午後には何も予定がなかった。そこで友人からお勧めされた、渋谷にある占いのお店のことを思い出した。調べたらお値段も良心的だし、電話をしたら予約が取れた。人間はどうして、ここまで退屈に耐えられない生き物なのだろう。ほとんどの元凶は「ひま」から始まる。

 マッサージを終えて、占いのお店が入るマンシ

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ミュートのすすめ

ミュートのすすめ

今まで誰にも言わなかったことがある。かなり性格が悪いことが露呈してしまうから、黙っているつもりだったのだが、最近やたらネットで目につくようになったので、ここで書くことにする。

特定の人たちの「それって、ただの自慢ですよね?」と思うような発信についてだ。

具体的な名前は伏せるが、先日「うちの子どもは、こんなに本を読むのが好きなんです」という作家の親バカを、新聞のコラム欄で見かけた。また、「私って

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私は段取りができない

私は段取りができない

 ああ。今日という日が来てしまった。夏至? 満月? 大祓? どれも違う。本日21日は、クラウドファンディングで購入したサウナチケットの有効期限だったのだ。

 私は段取りができない。前の記事で「私は料理ができない」と書いたが、じゃあ一体私にできることってなんだろう? 少なくとも息はできる。排泄もできる。……これ以上はやめておこう。ただでさえ〇毛ヘア(夫から「ネットで陰〇とか書かないで!」と頼まれた

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人に振り回されない

人に振り回されない

 「脱・陰毛ヘア」を目指して予約をしていた明日の美容院を、キャンセルした。はい、せーの。

 はぁ~~~?

 昨日の記事であれだけ「金曜日に楽しみな予定がむふふ」とか「週末に母校の同窓会がドヤァ(私の定義では同窓会に行く奴はリア充である。よってドヤる)」とか騒いでおいて、何キャンセルしてんの? 決してお金が惜しくなったわけではない(ちょっとはあるけど)。時間がなくなったのだ。

 美容院でトリー

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「集団で感じる孤独」との付き合い方

「集団で感じる孤独」との付き合い方

 飲み会で周りに座る同僚の顔を見る。みんな笑っている。上司のカスみたいなジョークにげらげら笑っている。「こいつらが嫌いだ」と思い、深い孤独を感じる。

 この種の絶望を感じたことがある人は多いと思う。学校では気の合う友人ができない。職場ではランチに誘われない。飲み会でも浮いてしまう。孤独というのは不思議なもので、誰かといる時ほど深く感じてしまう。そして集団の中の孤独ほど、辛いものはない。

 こん

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死ぬ気で好きなことに金を使え。死なないから。

死ぬ気で好きなことに金を使え。死なないから。

 レストランで一番安いものを注文してしまう。スーパーマーケットで気になる商品を見かけても値段を見て諦めてしまう。そんな、いつもお金がないあなたへ朗報だ。

 夫を石油王へチェンジしなくても、ウソの退職理由をでっち上げて転職しする必要もない。人によっては歯磨き以下の労力でできるかもしれない。私は8年間メガバンクで法人営業をして、お金持ちも、昔お金持ちだった人も、お金持ちでない人もたくさん見てきた。そ

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ベランダで一日を始めてみたら、いつもの朝が激変した

ベランダで一日を始めてみたら、いつもの朝が激変した

ワーキングマザーにとって最もHPが削られる時間帯は、平日の朝だ。

事件は母親が起きた瞬間から始まる。リビングではYouTubeを観ている娘や、隠れてゲームをやっていた息子が出現する。未就学児は「スカートじゃないと嫌だ(保育園ではNGだってば)」「牛乳が飲みたい(もれなく零す)」など、身勝手な要求のコンボを繰り出してくる。こちらは「始業時間あるいは会議の時間」というタイムアタックが、時限爆弾のよう

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妬みは幸せのチャンス「あの人の海外駐在を、なぜ素直に喜べないのか?」

妬みは幸せのチャンス「あの人の海外駐在を、なぜ素直に喜べないのか?」

Facebookを開くたびに、少し緊張する。「どうか嫌なものが目に飛び込んできませんように」と思いながら、いつも恐る恐る開いている。

「じゃあ、そもそも見なければいいじゃないか」と思うかもしれないが、友人と連絡を取るために必要なのだ。友人の中には数名、LINEを使っていないからFacebookのメッセンジャーだけでやり取りしている人がいる。その人から連絡が来そうな時はFacebookを開くのだが

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大丈夫じゃなくても大丈夫なふりをしてしまう

大丈夫じゃなくても大丈夫なふりをしてしまう

先日アフタースクールの面談で、小学1年生の長男がどう過ごしているか教えてもらった。「基本的には問題ないんですが、大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをしてしまう時があるんですよね」と先生から言われた。

長男にはよく一緒に遊ぶ、Aくんという男の子がいる。Aくんは長男と二人きりで遊びたいタイプの子だ。だから他の子たちが「仲間に入れて!」とやってきた時、Aくんは長男に「なんか、人いっぱい来ちゃったな……あっ

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離婚しても死なないように、投資信託を買う

離婚しても死なないように、投資信託を買う

 「職業はライターです」と言うと、相手の顔色が変わることが多い。相手が金持ちのハイスペ女性だと顕著だ。有名私立女子中学から一流大学を出て、外資系企業でバリバリ働いているくせに、なぜか立ち振る舞いはトラック運転手のような女性。そんな人種には言う前から分かる。今まで同じ部屋で和やかに話していたのに、職業を知った途端に、さっとカーテンを引いて奥の部屋に引っ込んでしまう。

 この反応は無理もない。「どう

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「何も学ばない」を学んでみる

「何も学ばない」を学んでみる

「また出たよ、1月恒例のお題が……」

そう思った人も多いのではないだろうか。今回の「今年学べたいこと」のように、「今年こそ」系は1月には多く見かける。

少しだけ思い返してほしい。果たして「今年学びたいこと」に掲げたことが、「今年学べたこと」として、年末に振り返ることができただろうか。

私の経験から話すと、ほぼない。
1月に立てた目標なんて、きれいさっぱり忘れているからだ。

じゃあ、目標を立

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ぎっくり腰で、車に轢かれそうになる #育休から育業へ

ぎっくり腰で、車に轢かれそうになる #育休から育業へ

第二子の育児休業は、ぎっくり腰とともに幕を開けた。

長女が生まれたのは、長男が2歳の頃だった。0歳と2歳の子供たちは、二人とも赤ちゃんみたいなものだ。どこかへ移動する時は2歳長男をベビーカーで、0歳長女を抱っこ紐に入れていた。

栄養不足、運動不足、寝不足。母親にとって産後は、足りないものをあげたらきりがない。育児給付金もしばらく経たないと振り込まれないから、お金も満足にあるわけじゃない。
当時

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【エッセイ】創作大賞の中間選考を通過するまで~自己肯定感とのデスマーチ~

【エッセイ】創作大賞の中間選考を通過するまで~自己肯定感とのデスマーチ~

「五菱銀行 怪奇事件 専門課」が漫画原作部門を通過するまで

五菱銀行 怪奇事件 専門課「呪いの銃①」 が、noteが主催する創作大賞の中間選考を通った。これまでに出版詐欺に遭い、賞に応募して落選することに慣れ切っていたから、「【おしらせ】あなたの作品が創作大賞の中間選考を通過しました」というメールを受け取った時、「詐欺か?」と感じてしまった(運営さん、疑ってすみません)。

また創作大賞には四部

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