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死ぬ気で好きなことに金を使え。死なないから。

 レストランで一番安いものを注文してしまう。スーパーマーケットで気になる商品を見かけても値段を見て諦めてしまう。そんな、いつもお金がないあなたへ朗報だ。

 夫を石油王へチェンジしなくても、ウソの退職理由をでっち上げて転職しする必要もない。人によっては歯磨き以下の労力でできるかもしれない。私は8年間メガバンクで法人営業をして、お金持ちも、昔お金持ちだった人も、お金持ちでない人もたくさん見てきた。その中で、今すぐにお金がざくざく入ってくる方法に気が付いた。

 それは「本当に好きなものを、好きなだけ買ってみる」ということだ。

 私たちは無意識のうちに、親からの刷り込みを強く受けている。親たちも同様に、上の世代から刷り込みを受けている。じいさん・ばあさんはまだ日本が戦時中であった頃に「ぜいたくは敵だ」という言葉を国が広めようとしていたから、「清貧」という宗教を信じている人が多い。だから、私たちも思ってしまうのだ。「贅沢をしてはいけない」と。お金は貯めるもの、お金は我慢して稼ぐものだと。

 でも周りにいる金持ちを見てほしい。どんな人がお金を持っているだろうか? SNSで金持ち自慢をしている、外資系企業のサラリーマンや、ベンチャー企業の役員や、FIREとか自慢しているバカは、真の「お金持ち」ではない。外資系企業の人たちは税金でほとんどが持って行かれているし、ベンチャー企業は利益を給料に反映しない。意味もなく資産額を開示している人間(投資系のアカウントはのぞく。彼らは資産額を開示する必要があるし、ちゃんとしている人が多い)はファンドの情報をXでポストするだけで10万円を稼いではいるが、港区女子が最も嫌うドケチ族だ。だから、彼らのデマ情報に騙されてはいけない。

 真の「お金持ち」というのは、自由に使えるお金が多いことを意味する。彼らの生態については、意外と知られていない。彼らはSNSでドヤ顔で発信しないし、そんなところでちっぽけな自己承認欲求を満たされなくても、十分に満たされた日々を送っているからだ。では、彼らは誰なのだろうか? ずばり「地主」か「中小企業のオーナー」だ。「なんだそれ。特権階級かよ。俺には縁がないよ」と思うかもしれない。それは彼らが表立って出て来ないからだ。

 例えば東京郊外の市役所で働く友人から、こんな話を聞いた。そこには「地主だから働く必要はないけど、することがなくて暇だからノルマのない公務員になった。昇格試験を受けず、平社員のまま定年を迎える」という同僚がゴロゴロいるそうだ。彼らがオンラインサロンで荒稼ぎしたり、どこかの自己啓発本で読んだような内容をセミナーで話して金を巻きげる姿は想像できるだろうか? おそらくできないだろう。

 嘘のお金持ちからはデマ情報を流される。真のお金持ちからは話を聞けない。じゃあ、どうすれば良いのか。答えはひとつで、「お金に関するブレインロックを、自力で外す」ことだ。

 例えば、私は先月、好きなだけお金を使ってみることにした。「マッサージを60分で一万円を超えるのは高い」と思っていたのだが、吉本ばななさんがお勧めしていたこともあり、代官山のチャハヤインダで一万円を超えるマッサージを受けてみた。

 頻度も「週に2週間に1回まで」と決めていたのを「1週間に1回」とロックを外してみた。今まで手を出してこなかったサプリメントやCBDオイルなどもバンバン買ってみた。するとマッサージ代と健康食品代だけで、1ヶ月で20万円を超えた。それで何が不都合が起きたか?

 今のところ、何も起きていない。クレジットカードで支払っているから、苦しむのは翌月の私である。さすがに「20万円使ったから、ちょっと稼がないとな」と思って仕事を探しているが、焦ってはいない(そこは焦れよ)。今まで微妙なマッサージで自分を誤魔化していたことがよく分かったし、本当に効くサプリのお陰で心身ともに絶好調だ。

 自分の好きなことにお金を使っていると、嫌なことに対するセンサーがビビッと反応するようになる。「これは私の好きなことにお金を使うことにならないな」と思う程度の知人からの誘いをキャンセルできるようになった。「最安値だから」という理由で買っていた日用品も、実はあまり好きでないと気付いたから、ちょっといいブランドに変えた。

 だから一度、ぜひやってみてほしい。びっくりするくらい幸せになれるから。私くらい極端にならなくても、例えば「ちょっと高いイチゴを買う」「雨の日はタクシーを使う」とか、そういうのでもいい。

 お金を儲けたいと思ったら、お金に関する価値観を根本から変える必要がある。「好きなものにしかお金を使わない」ことを徹底して、好きなことにはジャブジャブにお金を使ううちに、自分が本当にいくら稼がなきゃいけないかも見えてくる。意外なことに、そんなに金額がいかないはずだ。そうするとお金の不安もなくなり、本来すべき以上に働く必要もなくなる。某副業サイトで買い叩かれたり、やりがい搾取されることもなくなる。

 パートナーがいる人は、別に自分だけが稼がなくてもいいのだ。あまり大きな声で言えないが、夫のクレジットカードを使ってもいい。人生は4,000週しかない。意外と短い。「老後のために」「給料が上がったら」「子どもが大学を出たら」しようと思っていることは、一生起こらない。なぜかというと、インフレがすごい勢いで進んでいる世の中では、お金を握りしめていても、決してそれが増えることはないから。

 お金を好きなことにだけ使っていこう。そしてそれに合うような仕事をしていこう。キーワードは「先に使う、後で稼ぐ」だ。

 好きなことにお金を使っていると、自己肯定感も上がる。転職をする時も「私は1時間1万円でしか働きません!」と強気に出ることができる。自分を大切にしておらず、自分の価値を低く見積もって「私は能力が低いので、これだけのお値段でお仕事をさせていただきます……」とか言っているのは謙虚でなく、資本主義社会ではただのカモである。カモの末路は、ここまで読んでいただいた読者にはお分かりいただけるだろう。お金を切り詰める生活が待っているのだ。

 「ちょっと待てよ、それじゃあ総資産が増えないじゃないか」と思うかもしれない。確かに世の中では「資産額が1億円ある人が偉い」とか言われている。でも、考えてみてほしい。彼らはその1億円を手に入れるために、何かを失っているのだ。子どもを海外留学させずに公立に行かせているはずだ。海外旅行は行かずに国内旅行を年に一回しか行かないはずだ。港区のタワマンではなくて郊外のボロアパートに住んでいるはずだ。そんな生活を、あなたはしたいだろうか? 私は絶対に嫌だ。

 「お金を貯めた人が偉い」というのは、国の刷り込みだ。あなたは我慢をしなくても大丈夫。あなたは好きなことにお金を使っても愛される。人間には「基本的人権の尊重」というものがある。生まれた時から尊いし、溺愛されて良い存在なのだ。

 一度「〇〇してはいけない」と思っていることを「〇〇してもいい」と思考の癖を変えてみるだけで、だいぶ変わってくる。もう我慢はやめよう。そんなのをしていると、相手にも我慢を強いるようになってしまう。お金は驚くほど入ってくるから大丈夫。一度騙されたつもりで、ぜひやってみてほしい。

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