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詩集『ココロノオト』

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心音(ここね)の【詩】をまとめたマガジンです✨
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記事一覧

光の音

光の音

空が鳴る

世界を包む音がした

あの日の光  

それは

わたしの故郷(ふるさと)でした

タイトル【光の音】

この絵を描き終わったとき、もう7年も前、空から音が聴こえた日のことを思い出しました🫧

光の音、それは自分の内側から聴こえてくる、囁きのようで、微かな振動を持って響いてくるもの。

外の世界にどれだけ探しても見つからない、叡智と繋がれる場所。

いつも身体の奥の方で、わたしを呼ん

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降りつづく雨

降りつづく雨

降りつづく雨 街ゆく人たち
色とりどりの傘 濡れたアスファルトに映る

霞んだ景色を ぼんやり見つめて
ひとり立ち尽くす 雨の音が胸に痛い

頬を流れる雫は雨…?
それとも涙…?

あの日と同じ 今日も降りつづく
雨は哀しく あなたを思い出させる

傘を差しても 心は濡れたまま
あなたがいなくちゃ 意味なんてない

わたしの心に まだ雨は降りつづく

空を見上げて あなたを想う
光差す日が来ること

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地球に生まれた日

地球に生まれた日

地球に生まれる日

あの日の願いが叶う瞬間を

今 迎えるときが来たよ

どれだけ待ち侘びただろう

きらめく銀河を抜けて

碧い水の中へ

沈み降りてゆけるこの日を

果てしないループの中

幾度だってあなたを探して

地図のない海を泳いできたの

やっと会えるんだね

幾つもの星を超えて

今度こそ ふたり

ここで笑いあえたら

いざ ブループラネットへ

【地球に生まれた日】

2022年

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冬の朝

冬の朝

うっすらと白く

霜がかかった

刈りたての芝の上

生温く湿った草土の感触

黒糖ミルクコーヒーを片手に

白い息を眺める

上空には白鷺が流れゆき

背後からは電車の過ぎる音がする

わたしは近くの石段に

コーヒーカップと腰をおろす

前方に見える歩道橋

急ぎ足のチャイルドシート付き電動自転車

木々の合間を飛び交う

小鳥のさえずり

横切る犬とじゃりが擦れた靴音

繰り返す電車の轟音

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DESTINY

DESTINY

翼を広げて風に乗る

わたしの後頭部には

花が咲いています

どうやらあなたも

唯一無二の役割を終え

銀河にたなびく階段を見つけて

ここまで昇ってきたのですね

さあどうぞ わたしの背で

これまでの疲れを癒して

のんびりと寛いでくださいな

あなたが安心して眠りにつくころ

新たな種子(たね)が芽を出すでしょう

あなたが穏やかな心地で目醒めるころには

とりどりの花がひらいていること

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扉の向こうにLove&Peace

扉の向こうにLove&Peace

新しい扉はいつも無限にそこにあり

わたしとあなたの世界を繋いでいる

どれを選んでも

わたしたちの人生が

願い通りに展開していくことは

生まれる前から約束されている

笑いたいときに笑って

泣きたいときは泣いて

お腹が空いたら食べて

眠くなったら眠る

感覚をコンパスに

喜怒哀楽の地図を広げて

魂の軌跡を辿る

A Journey of the Galaxy

わたしの味方はわた

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白からはじまる世界

白からはじまる世界

破壊と再生を超えて

はじまる安堵の世界

それはいつも白

誰も知らないまっさらな場所が

まとわりついた闇鍋色を一掃する

解放された点と線

その空白を虹色に染める

居場所を知らせるのは

光と風の役目

わたしはここにいると

無限の発色で奏でる

形のない LOVE & JOY

やがて

日没は終わりを告げ

月下のさなぎが奇妙に揺れる

しだいに膨張する光は

夜明けと孤独の誕生を

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真冬の蝉

真冬の蝉

いつもの公園を歩いていたら

どこからともなく蝉の鳴く声がした

こもったような羽ばたきが

頭上をかすめて飛んでゆく

わたしは空を仰ぎ

クルクルと身体を回転させながら

蝉の行方を追いかけた

見つけた

まだ枝葉の少ない

若い桜の木に止まっている

小ぶりな黒い胴体を

前後に震わせながら

あたり一体にその声を鳴り響かせて

真冬に蝉がいるなんて

一体どうしてなんだろう

つかまえた

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あの山の向こう

あの山の向こう

遠くにゆれる幾重もの稜線が

おいでおいでと僕を呼ぶ

あの山の向こう

淡い陽が

洩れてさしこむ 道なき標

今 惑いの空に映る

魂は

地上を離れ

すい込まれるように

あなたの元へ飛んでゆき

あまりの美しさに

はかなき明日は

この手をするりすべりおちていった

やがて

ふもとの闇に浮かびあがるは

あの日焦がれた

とわのゆめの城跡

光を求め

さまよい続ける

いつかの幻影

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ふるえてひらく、音という光

ふるえてひらく、音という光

素朴・上質・至福という響きが

こんなにも似合う音楽がある。

生まれてきたよ。

さあ、お祭りの始まりだ。

いつも、生命の誕生と躍動を祝福しているのは

流れ、止まることを知らない

ありふれた日常。

木製のボディに反射する、虹色の風景。

音という光の花がひらくみたいに、始まるギター。

あたりまえのようにそこら中に漂い

溶け込んでいる

なんてことない生活音こそ、

この世界に満ち溢れ

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さくらいろの光

さくらいろの光

穏やかな音色で

誰かに呼ばれているような気がした

溢れあふれる愛しさが

花びらのように充満している

さくらいろの光

夢を見た

あなたがしあわせそうに

台所に立っている夢を

満ちたりた表情で

お皿を並べる姿を

わたしの視線の先には

いつもあなたがいた

手を伸ばし

声無き声で叫んでも

届かなかった

いつかの水の記憶(ぬくもり)

ただ笑って

こっちを見て欲しかったの

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素直な心で

素直な心で

こうあるべきだとか、
こうでなければならないとか、

自分や誰かのそんな言葉や心を感じ取った時、
私はいつも、狭い箱の中に閉じ込められているような姿を思い浮かべてしまう。

例えば…

私自身の生き方について、
他人には理解されにくいのかもしれないということを、肌で感じる事はよくあることだ。

それでも、
私の前には、
いつも無数の道が広がっている。

そして、
その無数の道というのは、

私にと

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境界線が消えるとき

境界線が消えるとき

自分がなんにもないところへ還るのを、手助けをしてくれるような音楽がある。

ただ、そこに佇んでいてくれる。

その人の音楽に触れると、わたしはゼロになり、空洞だったことを思い出す。

彼女の名前は、荒井由実。

『水の影』

この曲に漂うような、

消すことのできない切なさと共に生きてきた。

だけど、切なさってなんだろう?って

考えたことはあまりなかった。

でも、今ならわかる。

切なさって

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ささやきが聴こえる

ささやきが聴こえる



水の音が聴こえる

風と共に揺れる緑や

濡れたあじさいの花たちが

いつもよりそばでささやきかける

昨夜からの雨も上がって

少し湿った土の感触を靴底に感じながら

あなたにさそわれ歩き出す

清々しく晴れた

ゆるやかな午後の公園

いつもより水かさを増した

流れる川を背にして

近くのベンチに腰を降ろしてみる

ゆっくりと呼吸するように

穏やかな風に吹かれる

太陽と空と木々の緑は

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