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私の心です。
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#眠れない夜に

「穴の空いた人間」

「穴の空いた人間」

ここ数日の間に観た映画がどれもこれも胸のど真ん中を刺してくるもんだから、どうやって未来を選んでいこうか考えさせられている。

何を観たかは内緒。

常々思っていることがある。
"なにか"によって空いた穴は、"ほかのなにか"では埋められないということ。
恋人を失くして空いた穴。仕事でミスして空いた穴。傷がそのまま穴になることも、あるはずだったものが与えられなかったがために最初から穴になっている場合も

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諦められない潤いの夜半

諦められない潤いの夜半

ひとりの夜が好きだ。
マグカップのセイロンミルクティー、小さなキャンドルから香るサンダルウッド、台詞の少ないフランス映画、天使の美しいタロット、ベッド際のライトが照らす読みかけの本。22:30を過ぎた頃から流れる私だけの時間が愛おしい、心が凪いでゆく。

私の生活は、仕事と居場所運営が大半を占める。本業は、平日朝から夕方までの8時間。デスクワークと人前で話す業務が半々くらい。自分の裁量によってある

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それでも立ち続けるしかなくて

それでも立ち続けるしかなくて

仕事が楽しくない。嫌々取り組んでいる。過去にも何度も挫けそうになっているのだけれど、使命感を得る機会に恵まれたりして、なんとか騙し騙し頑張ってきた。今は違う。倒れそうな苦しみはないけれど、とにかく「やらされて」やっている。

そんな私を神様は見ている。突如大好きなひとから久しぶりの連絡が来たり、ねぎらいの言葉が降ってきたり、後ろ向きな気持ちを希釈するような出来事が続く。ひととことばの力を以て、私は

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また深く息を吸うために

また深く息を吸うために

ああ、年度末すら明けてしまった。

3月末ギリギリまで公私共に立て込んでいて、自分でもよく乗り越えたものだと思っている。スケジュールは詰め詰めで、心も揺さぶられ、隙間時間は夜更かしして作っていた。おかげで寝不足だったので、ヘルシーな生活とはどうにも言えなかった。

早くここを越えてしまいたいという思いと同じくらい、「越えたとて、また新しい次のヘビーが待つだけだ」感が胸にずっとあった。すっきりさっぱ

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できるもできないもすべて、

できるもできないもすべて、

ひとつめ。

素敵だなと思っていた人と、今度こそ友だちになれた。知人からレベルアップした。ふとその人が口にする言葉に心が動くことが何度もあった。それは新しい驚きの種類ではなく、私が大切にしているものと共鳴する動きだったから、どうしても仲良くなりたいと思っていた。

やっていること、好きなこと、自分のこと、誰かのこと。交互に話していたつもりが、気がつくと混色していた。私たち、そっくりな部分をたくさん

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強い風が吹いた、私は誰

強い風が吹いた、私は誰

明るいことと暗いことって一緒にやってくる。喜びばかり続いたあとで足元を掬われる経験を何度もしているので、同時に来るくらいでちょうどいいのかもしれない。

と、自分に言い聞かせる。

ハリのない生活をすると大抵気持ちが沈む。仕事のモチベーションが下がっている時、大体自分を嫌いになる。ただこのタイプのネガティブは対処が簡単。無理矢理にでもエンジンかけて走ってみると、あっという間に気持ちを立て直せる。そ

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眠い冬、次へと私を運ぶのは

眠い冬、次へと私を運ぶのは

眠気の只中にいながら走り続けている。1つのタスクをこなしたら、すぐ次に取り掛からねば明日がきてしまう。明日を越えられなければ明後日を迎えられない。それは困る、だからがむしゃらにやる。でも眠たい、ああ眠たい。そんな日々。

冬の布団はなぜあんなに魅力的なのだろう。凍った足を織り込むように身体を折り、膝下にゆたんぽを忍ばせる。湯上がりの熱は一瞬で引いて、私の末端は他人のもののように冷たい。シーツの表面

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どこまでも遠くへ行けたらいいのに

どこまでも遠くへ行けたらいいのに

12月。秋は終わり、空気の澄み方が変わる。
大きく息を吸い込むと、肺の中まで冷たくなる。この時期の散歩は気持ちがいい。耳と鼻先がつんとして、自然と早足になる。コートのポケットに突っ込んだ手は中途半端な温度なのに、動いているうちに身体は薄ら火照る。温冷まぜこぜのまま歩く。冬の心地よさ。

何度も書いてしまうけれど、年の瀬が本当に苦手だ。「閉じていく、終えていく」季節に感じる不安。あとは家族の時間が持

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違う色、同じ胸の中で

違う色、同じ胸の中で

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気持ちが追いつかず、「適当に」仕事をしていた数週間があった。のらない、気分が本当にのらない。瞬間風速的に頑張ることはできても、そのモチベーションが継続しない。必要最低限やらなければならないことをタスク的に済ませ、あとは延々に時間と空間を消費した。同時に自分の心もしゅわしゅわと溶けるように散っては床に落ちた。「頑張れない自分」の罪悪感はひたすらに迫ってくる。責めている相手も責められてい

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ほどけた心のそばにいる

ほどけた心のそばにいる

「私のことばと想いがきちんと届く」
そう安心できる相手がいることは、なんて嬉しいものだろう。

好きな映画の話をしたときに興味を持ってくれること。お気に入りのお菓子をおすすめしたら一緒に買いに行ってくれること。自分の世界を広げたいからと私の趣味に乗っかってくれること。譲れない想いや軸を互いに伝え合えること、そしてそこに共鳴できること。苦手や弱さや恥をそのまま見せられること。

「ことばと想いが届く

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高熱の夜の本音

高熱の夜の本音

実は流行りにのってしまい、現在療養中である。熱は数日前に引いたけれど、数年ぶりの体調不良の症状に悩まされている。自宅療養明けまでまだかなりの日数があるが、身体の各所できたしている不調が完全に癒えるのか、今は正直いって不安。当たり前だがやはりこれはかからないに越したことがない。同じく感染症と戦っている人たちが、一日もはやく回復しますように。

初めて高熱を出した夜のこと。解熱剤が効くまでに時間がかか

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夏の夜の匂いに想うは

夏の夜の匂いに想うは

夏の夜を嗅いだ。22:30の空気。

ばたばたと仕事をして、先輩と少し愚痴って笑って、帰りにスーパーでパックのお寿司を買った。半分くらいの集中力でドラマを観ながら食べて、シャワーでさっさと1日分の汗を流した。金曜の夜、いまはひとり。

薄い顔をしたままワンピースを着て外に出た。あと数時間で今日は終わるけれど、私にはまだやることがある。対話。私と話をしたい少女の元へと向かう。

昼間の気温は36度だ

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「好き」は生きしろに、鉱脈を掘り当てて

「好き」は生きしろに、鉱脈を掘り当てて

昨年の春、『余白を愛していきていく』というnoteを書いた。ありとあらゆる流れの中で忙殺されてはいるけれど、とはいえ私は「くらしを愛する」「好きというきもちを大切にする」ことを蔑ろにしたくないと思い続けている。

ここしばらくの記事でお察しの方もいるかもしれないが、薄暗い空白に押し込められるような感覚に見舞われていた。自分の人生では経験したことのないようなものを他人の人生を通してどかんと受け取った

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心を手放してしまわぬように

心を手放してしまわぬように

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「いつか倒れちゃうよ」といわれて、そんなことになるのかなあと首を傾げた。大荒れの渦中にいることを自覚していないわけではない。へっちゃら、ということもない。でも、倒れないと思う。

"大丈夫" ということばを頻繁に使う自分にも気がついている。それがいいかどうかはわからないけれど、誰かと目を合わせた状態で伝えたくなることばが 

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