広瀬クリストファー
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#創作大賞2024・個人的ふりかえり&ダイジェスト
いやあ、創作大賞2024の応募期間が終わりましたね。私は本年で二回目の挑戦でしたが最終的に14作品応募しました。昨年は中間選考通過作品もありましたが今年はどうかなあ。
というわけで、個人的なふりかえりをしつつ自分の応募作品を簡単に紹介しようと思います。
求められてもいないのに何故そんなことをするのか?
そう思われた方にこそ、この先に書かれている答えを読んで欲しい!
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実は今回の締切後
青春の人体実験【最終話】退院、入院、そしてさよなら【#創作大賞2024】
【最終話】退院、入院、そしてさよなら
退院からの一カ月はあっという間だった。俺は続けていた他のバイトの合間を縫ってオーストラリアに行く準備を着々と進めていた。そしてふと気が付くと、また国分寺の治験病院に行く日が近づいていたのだ。今回はもう投薬はなく、一泊で体調の検査をされるだけなので気が楽だった。
当日、俺は他のバイトを休んで、国分寺のあの病院に向かった。今回は荷物も少なく身軽だった。朝の集合時
青春の人体実験【第4話】不法侵入メリーゴーランド【#創作大賞2024】
【第4話】不法侵入メリーゴーランド
一旦治験の入院生活に慣れてしまえば、退屈な日々もあっという間に過ぎていく。ここに来る前は、この治験バイトが別名「人間モルモット」と呼ばれていることも知り、かなり警戒していた。しかし経験してみれば、治験ボランティアという正式名の通り、内容は真っ当なものだった。
そして、最初は赤の他人だった他の被験者の奴らとも、寮生活のように一週間寝食を共にすると不思議な連帯感も
泣くな! リンダばあちゃん! (挿絵:ChatGPT画伯)
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ワーキング・ホリデーというシステムをご存じだろうか。日本と協定を結んだ国において生活し、滞在期間中に働いたり勉強したりすることができる制度である。
20代前半に今よりもっとお肌にも張りとツヤがあった頃、自分探しのために外国暮らしを決意した俺は、働きながら海外で生活できると言うこの制度を利用してオーストラリアに行ったのだ。
しかしこの話は、そんなビザ制度を紹介し青少年の海外渡航を奨励す
青春の人体実験【第3話】脱走ラガーマン【#創作大賞2024】
【第3話】脱走ラガーマン
入院二日目の朝がやってきた。
「おはようございま~す!」
角ちゃんの声で目を覚ますと、皆ごそごそ起き出してゾンビのようにぞろぞろと食堂に向かったのだった。しかしテーブルの上にならんだ地味な朝ごはんは、実験の都合なのか何なのか、なんだかとても少なく、あっと言うまに食べ終わってしまった。
そそくさと病室に帰って、体温や血圧測ったり採血したりすると、朝からもうやることがな
青春の人体実験【第2話】タロットおじさんと寡黙兄さん【#創作大賞2024】
【第2話】タロットおじさんと寡黙兄さん
「誓約書」にサインをし終えて待合室の中を見回すと、既に書類の記入を終えたらしき何人かの男性が長椅子に座り暇そうにしているのが見えた。
(一緒の治験の人だな)
すぐ近くに座っている若い男性と目があい、俺がなんとなくペコっと頭を下げて挨拶するとその小柄な若い男性も俺に向かって軽く頭を下げてくれた。
(同じくらいの年かな。なんか大人しそうな人だな)
ちょっ
青春の人体実験【第1話】ツタに覆われた国分寺の病院 【#創作大賞2024】
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【第1話】ツタに覆われた国分寺の病院俗に言う治験アルバイト。正式には治験モニターや治験ボランティアと呼ばれているので、厳密にいえば、もらうお金はバイト代ではなく謝礼金と言うことになる。
その謝礼金、治験の内容やリスクにもよるが、大概の場合かなり気前の良い金額が設定されていた。数週間入院してクスリを飲んでるだけで実に50万円なんてものもあった。治験に参加する場合には何カ月か間隔を空ける必
気絶するほど悩ましい
往年の名曲の題名をお借りして書き始めて見たが、初夏の今日この頃、皆さん、いかがお過ごしだろうか。
え?気絶するほど忙しい?
そう、今日はちょっとその気絶の話をさせて欲しい。
これまで生きてきて何度か気絶したことがある。その瞬間は、文字通り気を失っているのでほとんどの場合細かいことは覚えていないのだが、最近また久々に気絶を経験したので、これまで経験してきた気絶も含めて、私の気絶歴を振り返ってみた
目パッチリで肌ツルツルのオッサンになった話
以前に「街角の証明写真ボックスで写真をとったら色々画像補正機能がついていて驚いた」というような話を書いたことがあった。その時は、撮影の時に『男前+1, +2, +3』などの中から希望のレベルを選ぶとそれなりにちょっと男前になるという機能だったのだが、ま、結果的にそれほど男前にならず、「人間、何事も期待しすぎてはいけない」と言う教訓を得たのだった。
証明写真だったからなのかもしれないが、その頃は基
十五夜お月様と夜空に浮かぶ謎
古来より日本人は何かを見ながら酒を飲むのが好きである。春の「花見酒」、秋の「月見酒」、そして冬には「雪見酒」という具合である。
花見酒は桜が咲いている間の短い期間限定だし、月見酒も満月(十五夜)の夜に限られる。しかし雪見酒と言うのは何なら冬中ずっと飲めちゃうので、これは単なる酒飲みの言い訳という感じもする。
それはともかく、今年も秋の代表行事、月見の季節がやってきた。十五夜はその年々によって日
#創作大賞2023中間選考通過!ありがとうございます!
9月のある日、いつもの様に note を開き、面白そうな記事はないかな?と思いズラッと並んだサムネイルを眺めていると、誰かの書いた「創作大賞中間選考を通過しました!」という記事が目に入った。
(おお、中間選考結果でたのか!)
その記事を開いて見ると、「なんと中間選考を通過した旨メールで通知があった。やったぜ!」的な事が書かれてあった。
(そうか、メールで通知があったのか……)
実は私も今回
君の名はスケソウダラ
まず、この題名を見て「え、スケトウダラじゃないの?」などと言う声が聞こえてきそうである。そう、私も「ん?どちらの名前も聞いた事があるけど違う魚なのかな」などと思いググって見たのである。するとこんな感じの回答がたくさん出てきた。
どうやら正式名称は、「スケトウダラ」らしい。しかし日常的には「スケソウダラ」と言う呼び名の方をよく聞くような気がする。食品の包装の裏側の原材料などの欄には「スケソウダラ」