21日目 サンタクロース

子供たちの寝室に、毎晩鳩時計のスイッチを切りにいくのは僕の仕事だ。

娘は極度の怖がりで、妻の両親から贈られた鳩時計から夜中に鳩が出てくるのが怖い、と言う。真っ暗闇も怖いと言うので、いつも電灯の豆ランプを点けておいて、豆ランプが切れたら夜中でも取り替えに行くのも、僕の仕事だ。

夕食にししゃもが出ると、ししゃもの顔が怖いから取って、と言う。顔なんて言うから怖いんじゃないか、と思って顔じゃないよ、と

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暑中お見舞い申し上げます☆
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サンタクロース症候群

学生の頃、今持っている全てを捨て、ここではないどこか遠い場所に行ってしまいたいとずっと思っていた。

どこでもいいから、

誰もわたしのことを知らない、わたしも誰のことも知らない場所に行ってしまいたい、

と思っていた。

まだ見も、存在するのかすらもわからない、
その世界のことを考えていた。

当たり前に健康な身体と恵まれた環境を持ってなお、ずっと何かを求めていた。

何かわからない何か。

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心のささくれは毛羽立っていないだろうか

中学校三年生の秋。二学期が始まって一ヶ月ほど経ったころだ。
僕は、隣の席の女の子が絆創膏を使おうとするその一連が気になって声を上げた。

「え?なにそれ?」

彼女は、絆創膏の包装の先をつまんで軽く開いた。ここまでは僕も知っている。
その後だ。絆創膏の包装を最後まで開き切らず、中身を引き抜いたかと思うと、絆創膏を患部に巻き付けたあと、粘着部分に貼り付いていた紙を包装の中に置き、包装を元の形に戻した

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良ければ、また読みにきてください。
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サンタクロースの雪

サンタクロースは毎年クリスマスが近づくと大忙しです。世界中の子供達の希望をかなえることができるように、いろいろな種類のプレゼントを用意しなければならないからです。
「よし、これで準備ができたぞ」
 今年のサンタクロースの用意したプレゼントは十分過ぎるほどで、肩にかつぐ大きな布の袋ははちきれそうでした。
「さて、そろそろ行くとするか」
 クリスマスイブの夜もふけて来た頃、サンタクロースは出発しました

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「スキ」をありがとうございます!
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サンタクロースお手伝いの指定校

学級活動の時間に、先生が言った。

「今年、大森小学校は、サンタクロースのお手伝いの指定校になりました。」

先生の名前は、澤田先生。4月から6年2組の担任の先生だ。クラスメイト、お互いの名前と顔を覚えたころの4月下旬、澤田先生の言葉で、クラスはザワザワした。

「それでは、今日はサンタクロースの代理の方がいらっしゃっているので、説明をみんなでききましょう」

澤田先生はそう続け、教室の後ろに座っ

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サンタクロースは、いつしか魔法を使えるようになった。

「サンタさんは、魔法を使える!」

2001年、7月末。

教室の窓からは、梅雨明けの日差しで白飛びしたグラウンドが見える。

セミがうるさくなってきた。

夏休みが始まることが寂しかった小3の僕は、現実逃避するように季節外れの持論を友達に力説していた。

3年生にもなると、「サンタさん」の正体を知っている友達が周りに増えてくる。弱冠10歳の世界では「知っている」方が、「大人」であり、そもそもこれ

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ありがとうございます。嬉しいです。
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やさしい〜〜。私からの拍手を送ります!
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たとえばこういうものを書きます ファンタジー編

メリークリスマス

 目がさめた。
 何か気配がしたからだ。
 ベッドサイドに若い男。
 赤い服。
「チカン!!」
 叫んで跳ね起きる。
「違います違いますサンタです」
 サンタ?
 なわけないじゃん若くてハンサムで。
「まだ見習いなんです」
「そんなの信じれるわけないじゃない。ヒゲもない。体型だってスラッと」
「じゃあれですか? 全てサンタは太鼓腹で赤ら顔でホウホウホウって言ってなきゃだめなんで

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スキありがとうございます(*^_^*)

サンタクロースとワンコ

季節外れだが、サンタクロースを信じていたのは何歳までのことだったろうか。

もはや記憶にない。ただ、母が弟にクリスマス前にサンタクロースとして手紙を書いていたことを思い出す。弟が幼稚園の頃だったろうか。小学校になってからだろうか。これも今となっては記憶にない。

大人が子供に対しサンタクロースの実在を否定せず子供の夢想力(?)に託す。これに対し子供の方はどうだろう。いつだったか何かの映画かドラマで

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有難うございます(^。^)
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