広瀬クリストファー

#創作大賞2023中間選考通過! 海外と国内で痛い目にあってきた現役ビジネスマンが語る…

広瀬クリストファー

#創作大賞2023中間選考通過! 海外と国内で痛い目にあってきた現役ビジネスマンが語るシミジミとほろ苦く恥ずかしい話の数々。 海外へ行く若者と海外で生活してきた大人に読んでほしいインターナショナル日常エッセイ。 ちなみに英検1級、TOEIC 990点、ICEE 2022 優勝。

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  • 【厳選エッセイ】笑いと涙の 創作大賞2023 応募作品

    広瀬クリストファーによる笑いと涙の厳選エッセイ! オススメ順にならんでおります。(創作大賞2023中間選考通過させて頂きありがとうございます!)

  • 【連載小説】絵具の匂い(全12話)創作大賞2023応募中

    ある日本人の男が、最初は放浪旅行のようなつもりで訪れた国にひょんな事から住み着くことになり、様々な心温かい人達や一癖あるけど憎めない人達と出会い、時に驚き、時に喜び、そして時に少し傷ついたりしつつも、徐々にその国に溶け込みながら人間的に成長していく(成長していってるつもりの)、楽しくもちょっと悲しい出会いと別れの物語です。 今回の全12話は、その男が移民第二世代(親が移民)の女性と出会い一緒に過ごした時期の話です。 (2023年5月から7月にかけて連載した小説です)

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バルセロナのドクター・キリコと梅沢富美男

目と眉毛、そして家と仕事場は近いほど素敵である! 異論のある方もいるかもしれないが、これは俺がある体験から導きだした結論である。どういうことかって? こういうことである。 *** 俺がもうちょっと若かったある夏の事だった。1年おきに開催されているある学会の総会に参加することになった。その年の会場はスペインのバルセロナの近郊の街だった。 I💗海外出張 俺は昔から海外出張が好きだった。もしも、I💗海外出張 と書かれたTシャツがあったら、恥ずかしいけどもしかしたら着ちゃうか

    • 涙の胃カメラ

      これまでの健康診断で、色んな生活習慣病的な数値で引っかかったことはあったが、胃のX線で引っかかったのは初めてだった。ちょっとイヤな感じの影があると言う。「ちょっと影のある男」と言われることはあったが、胃に影があると言われたのは初めてである。昨年末の健康診断のことだった。 健診施設のドクターが説明のために見せてくれたX線画像を見ると、確かに胃の中にポコッとした何かがあるように見える。 「まあ、大したもんじゃないと思うけど念のため診ておきますか。胃カメラで」 その、あまり心

      • サンタクロースはどこにいる

        良い子の皆さん。今年も例年通り皆さんの家にはサンタクロースがプレゼントを持って来てくれただろうか。えっ、今年も来た?それは良かった。 では、ここからは大人の間の話なので、小さなお子様は読まないで早く寝て欲しい。 *** さて、大人の皆さん。子供がいなくなったところでちょっとお聞きしたい。皆さんは何歳までサンタクロースの存在を信じていただろうか。育った時代によって結構違うのではないかと思うが、私はかなり小さい頃にそのカラクリに気が付いてしまっていたような記憶がある。 な

        • 銀行窓口のあの娘は毛量が凄かった

          先日、仕事帰りに銀行に行き ATM で通帳の記帳をしていたら、印字欄が一杯になったようで、ATMから「しばらくお待ち下さい。新しい通帳を準備しています」という機械のお姉さんの声が聞こえてきた。 (おお、わざわざ昼間に窓口に行かなくていいのか。ATMで準備してくれるのは便利でいいな) 機械の中から聞こえている「ジー・ジー・ジー」という記帳の音が止むと、機械の声のお姉さんは「通帳は、二冊でます」と言った。 そして ATM のスリットからスルスルスルっと、まず元々の通帳が出て

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        バルセロナのドクター・キリコと梅沢富美男

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        • 【厳選エッセイ】笑いと涙の 創作大賞2023 応募作品
          28本
        • 【連載小説】絵具の匂い(全12話)創作大賞2023応募中
          12本

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          目パッチリで肌ツルツルのオッサンになった話

          以前に「街角の証明写真ボックスで写真をとったら色々画像補正機能がついていて驚いた」というような話を書いたことがあった。その時は、撮影の時に『男前+1, +2, +3』などの中から希望のレベルを選ぶとそれなりにちょっと男前になるという機能だったのだが、ま、結果的にそれほど男前にならず、「人間、何事も期待しすぎてはいけない」と言う教訓を得たのだった。 証明写真だったからなのかもしれないが、その頃は基本的には肌の色をちょっと濃くしてワイルド感を増す程度の加工で、顔の造作に手を入れ

          目パッチリで肌ツルツルのオッサンになった話

          十五夜お月様と夜空に浮かぶ謎

          古来より日本人は何かを見ながら酒を飲むのが好きである。春の「花見酒」、秋の「月見酒」、そして冬には「雪見酒」という具合である。 花見酒は桜が咲いている間の短い期間限定だし、月見酒も満月(十五夜)の夜に限られる。しかし雪見酒と言うのは何なら冬中ずっと飲めちゃうので、これは単なる酒飲みの言い訳という感じもする。 それはともかく、今年も秋の代表行事、月見の季節がやってきた。十五夜はその年々によって日にちが違うが、今年2023年の十五夜は9月29日とのことだ。しかし当日は会計年度

          十五夜お月様と夜空に浮かぶ謎

          #創作大賞2023中間選考通過!ありがとうございます!

          9月のある日、いつもの様に note を開き、面白そうな記事はないかな?と思いズラッと並んだサムネイルを眺めていると、誰かの書いた「創作大賞中間選考を通過しました!」という記事が目に入った。 (おお、中間選考結果でたのか!) その記事を開いて見ると、「なんと中間選考を通過した旨メールで通知があった。やったぜ!」的な事が書かれてあった。 (そうか、メールで通知があったのか……) 実は私も今回の創作大賞2023にいくつか作品を応募していたのだが、そのようなメールが来ていた

          #創作大賞2023中間選考通過!ありがとうございます!

          君の名はスケソウダラ

          まず、この題名を見て「え、スケトウダラじゃないの?」などと言う声が聞こえてきそうである。そう、私も「ん?どちらの名前も聞いた事があるけど違う魚なのかな」などと思いググって見たのである。するとこんな感じの回答がたくさん出てきた。 どうやら正式名称は、「スケトウダラ」らしい。しかし日常的には「スケソウダラ」と言う呼び名の方をよく聞くような気がする。食品の包装の裏側の原材料などの欄には「スケソウダラ」と書いてある事が多いのではないか。 ま、それはともかく、「どちらで呼んでも大丈

          君の名はスケソウダラ

          今年もお盆がやってきた

          今年もお盆がやってきた。 「お盆」。良く考えれば妙な名前ではないだろうか。こんな生活用品の名前がついている期間が他にあるだろうか。「お皿」「お椀」「お箸」「お風呂」「お布団」。やっぱりそんな名前のついた期間はなさそうだ。 先祖の魂が帰ってくる期間というのは知っているが、なぜ「お盆」という名前がついたのだろうか。 子供の頃は漠然と、 (お供え物をお盆に載せて置いておくからかな?) などと鼻を垂らしながら考えていたような気もするが、良く考えると「うら盆」などと言う言葉も聞い

          今年もお盆がやってきた

          癒しの琉球音階

          少し早い夏休みを取って沖縄に行ってきたのである。昼は海で泳ぎ、夜は沖縄料理を肴に泡盛を飲む、そして夜が明けたらまたその繰り返し、という背徳の日々。心身共にリフレッシュしたのである。特に三線歌いの女の子と話をしたのが心に残ったのである。こうして、「である調」で書くとあまり楽しそうだった感じがしないかもしれないが、浦島太郎なみに楽しかったのである。 三線(さんしん=沖縄の三味線)の聴けるお店には何回か行ったことがあったが、大概の場合ステージで歌っているのを聴くというスタイルだっ

          ガタガタ言ってると三枚におろしちゃうぞ

          無許可で魚を路上販売していた男が逮捕されたとニュースで聞いた。違法販売だけでなく、さばいた魚の残り屑をいつも路上の排水溝などに放置しており近所の住人から度々通報されていたというので、お縄になったのもいたしかたあるまい。まあ生臭い事件である。 しかしである。魚をさばくという行為には何とも言えない魅力がある。私も一時期、魚を下ろすのに大変凝った時期があった。ある日私は何かのはずみで魚のおろし方を知り、興味半分に自分で試して見たところ想像以上に仕上がりが良く、いつもの悪い癖でどん

          ガタガタ言ってると三枚におろしちゃうぞ

          【連載小説】絵具の匂い 【最終話】ファストカー

          絵具の匂い 【最終話】ファストカー それからしばらくしたある日のこと、仕事を終えてフラットに戻るとセシリアもバイトを終えて帰って来ていた。彼女は俺の顔を見ると、もともとの自分のルーツでもあるヨーロッパに行くことに決めたのだと話を切り出した。 ヨーロッパと聞き、行き当たりばったりの半分旅行のような形で色んな場所を回るのかなとも思ったが、良く聞くと、そこはしっかり者のセシリア、補助金も出る芸術交換プログラムのようなものを既に探してきており最終的に大学の推薦も使ってフィレンツェと

          【連載小説】絵具の匂い 【最終話】ファストカー

          【連載小説】絵具の匂い 【第11話】火を運ぶ鳥

          絵具の匂い 【第11話】火を運ぶ鳥 結局は二週間近くにもなってしまった西オーストラリアへの旅だったが、なんとか無事にセントキルダの『黒い家』に帰ってくることができた。 そして、俺達はまた普段の生活に戻り、平穏な時間が流れて行った。変わった事はと言えば、その後しばらくして『黒い家』の中の少し大きめのユニットが空いたので、それまでそれぞれ別々に住んでいた個室からそこに移って二人で一緒に暮らし始めた事だった。 そのユニットには部屋が二つあり、古いけど小さなキッチンとバスルームも

          【連載小説】絵具の匂い 【第11話】火を運ぶ鳥

          【連載小説】絵具の匂い 【第10話】マリアの涙とミイラ男

          絵具の匂い 【第10話】マリアの涙とミイラ男 結局、俺達が出発したメルボルンから目的地のシャークベイ(シャーク湾)まで実際には4,000kmあったのだ。昔風に言えば一千里である。しかしその「母をたずねて一千里」の旅もこれで最後の百里となった。良くこんなに走ったものである。既に出発して4日が経っていた。 *** 俺達はパースから国道1号線をシャークベイに向かい北上していた。 (あれ?パースに来る時も途中1号線を通ったな) それもそのはず、良く見るとこの国道1号線は国の外周を

          【連載小説】絵具の匂い 【第10話】マリアの涙とミイラ男

          【連載小説】絵具の匂い 【第9話】砂漠の向こうに母をたずねて一千里

          絵具の匂い 【第9話】砂漠の向こうに母をたずねて一千里 小さいながらも車のある生活は思った以上に快適だった。トラムに乗って行っていた週末の市場への買い出しにも車で行けるようになったのだ。遠い昔、プラムが主食だった頃に比べるとなんという出世だろうか。アレはもしかしたら悪い夢だったのかもしれない。 セシリアのデカいキャンバスやイーゼルを学校まで運んでやることもできるようになったし、必要に応じて空港や仕事先にも車で行き来できるようになったので一気に生活の効率が良くなった。 禁断

          【連載小説】絵具の匂い 【第9話】砂漠の向こうに母をたずねて一千里

          【連載小説】絵具の匂い 【第8話】イタリアン大豪邸の小さな車

          絵具の匂い 【第8話】イタリアン大豪邸の小さな車 中古車を探すにあたって、俺はまずこの『黒い家』の最長老であるフランクじいさんに相談に行った。今では、共同冷蔵庫の甘いものを狙うことが生きがいの年金暮らしのじいさんだが、その昔は結構ちゃんとした勤め人だったと聞いていた。 窓際に置かれたひじ掛けのついた安楽椅子に座るフランクじいさんの後ろの壁には、雑誌の付録のようなノーカットのエロいポスターが張ってあった。 「これ誰?」と聞くと「死んだ女房だ」と言った。答えに困るギャグである。

          【連載小説】絵具の匂い 【第8話】イタリアン大豪邸の小さな車