syk999
とるに足らない“ぼく”の感じ方の話です。ちょっと覗いてやるかなと思ってくださったなら笑
渡したくて渡せなかった想いを綴って投函してみました。いつか届くといいな。もう届かなくてもいいかな。でもやっぱり届けたいな。
ぼくが出会った心に残る味をまとめてみました。お店の情報とかはないんですが、よければひとくちどうぞ。
“君”に片想いする“ぼく”の物語
まだ誰にも踏まれていない1日を 彼女は無機質に歩く けれども白線の上をゆくとき 見えない顔の下側が 朝鳥の歌声のように 愛くるしく揺れているように思えた ちらと揺れ…
暑い日を想い 喫茶店の窓辺から めぐりゆく田舎町のロータリーに視線を流す グルグルとあんなに うなだれていたのに 過ぎてみると 少し美しいものだったように思える 不思…
キラキラと揺れる ガムランボールの音色 君の肩に降ってきた アラザンみたいな星屑ぼくはそれすらもどかしくて 出来るだけ傘を傾けた 君がどこかに だれかに 連れ去られ…
さようなら と言って 何かを手離したなら こんにちは と言いながら 何かをたぐり寄せたい 白く焼かれるルーズリーフと 焦げたようなバスのタイヤのにおい ナツは始まり…
ただただ青い空に 白けた月が貼り付いていた それがぼくをチラと見たような気がして それだけで居心地が悪くなって 不機嫌な月曜日をやり過ごす術を すっかり忘れてし…
寒くて目が覚めた朝 初めて触れたトゲのように 知らない痛みが ぼくを刺す 小さく震えて トクトク揺れる 朝焼けを写した なんでだろう 部屋の片隅でひとり 朝日に…
乗り物酔いする ぼく 君がいなかったら バスなんて好きにならなかったな バスの窓から吹き込む風を 心地いいだなんて思わなかったろうな 『ふたり分』って言って乗り…
「雨ってこんな匂いだったかしら」 ビニールに弾き返されてパチパチと弾ける雨粒の音を聞きながら、君の右耳に揺れる耳飾りを見た。 「どんな匂い?」とぼくが訊く 「金…
涼風の夜 川面にたたずむ月をみていた キラキラと それはキレイだ 衛星がくだけたカケラは ちいさな金色の結晶になって きっと この星に降り注いだ 美しい水に吸い…
もう少しだけと 唇のなかでつぶやく 動けないのは 見つめられてるからじゃない 暖かさを超えて 熱せられる水分 襟足をつたう 甘い視線 長く伸びる太陽を 白く染め…
ポストを開けたら ひらりと葉書が舞い落ちた 遠くにいる ぼくのともだちからの絵はがきで 美味しそうなあんみつの絵が書いてある ともだちの想い出話を読んでいたら …
放置されたコーラの様な ぼくに 今更ながら君は言う “ここって穴場なんですよ”って 柔らかい表情に ゆっくり浮かぶ仕草で まだ見ぬ季節の情景も添えて よく見えな…
さようならと言ってみる 声に出して言ってみる 心をそっと解いてみる ぼくらはふっと眼を閉じて 空が何故に青いのか 海は何故に誘うのか 笑わなくなったその光は ど…
あなたが 今 やさしさだけで出来た風に 抱きとめられ またたく星のような 柔らかな光で満たされて あたたかくて 心地良い ベールのような雲に救いあげられたなら あ…
季節がらの くしゃみが止まらず 右側の風は まだ旋毛をなでている 外苑前のサクラ通りを ひとり 知らないふりでやり過ごして 慌てる前に 無表情をつくる わかりた…
ぼくの知らない 君の友達のこと ぼくの知らない 恋人のこと ぼくの知らない 誰かとの未来 楽しそうに話すんだね サクラみたいだ そっと 心に傷を残す その美しい…
2023年4月5日 22:31
まだ誰にも踏まれていない1日を彼女は無機質に歩くけれども白線の上をゆくとき見えない顔の下側が朝鳥の歌声のように愛くるしく揺れているように思えたちらと揺れる長いまつ毛の先に光のかけらが射し込んで目の下の薄く白い肌を照らす白線は一層白んでいよいよ谷底に落とさんとするけれどそんなのどうだっていい事のように彼女の脚は嬉しげに転がるのをやめない彼女の愁いが何なのかきっと
2022年10月3日 23:31
暑い日を想い喫茶店の窓辺からめぐりゆく田舎町のロータリーに視線を流すグルグルとあんなに うなだれていたのに過ぎてみると少し美しいものだったように思える 不思議香ばしいと呼ぶにはまだ早い甘さの強い空気がまったりと頬をすべって爆裂が起きている煉瓦造りの建物の隅で野良猫が退屈そうに人を眺めているこれでいいのかなという日常に回答はないけれど、パリパリとした冬へのあこがれを
2022年9月29日 22:53
キラキラと揺れるガムランボールの音色君の肩に降ってきた アラザンみたいな星屑ぼくはそれすらもどかしくて出来るだけ傘を傾けた君がどこかに だれかに連れ去られてしまう気がして飛べるねこんな香りが迫る夜はポプラグリーンに向かって走ってかかとを蹴りあげるんだ冷たくなった風に溶けるように舞い上がる澄んだ濃紺のそう もう飛べそう季節の隙間に首を突っ込んで何も聴こえないフリを
2022年8月21日 22:36
さようなら と言って何かを手離したならこんにちは と言いながら何かをたぐり寄せたい白く焼かれるルーズリーフと焦げたようなバスのタイヤのにおいナツは始まりながら終わっていって終わりながら始まっていくアキいまを捕まえてもぼくは既に いまに囚われてるうまく嗅げなくなった蚊取り線香の匂いのように少し息苦しい毎日で夜店の金魚ならば息ができなくなるのに掬われるのを待ってい
2022年3月15日 00:44
ただただ青い空に白けた月が貼り付いていたそれがぼくをチラと見たような気がしてそれだけで居心地が悪くなって不機嫌な月曜日をやり過ごす術をすっかり忘れてしまった春はやりきれない表面だけ朗らかなその季節は多くの憂鬱を咲かせて薄ピンクの吹雪になってぼくらの足元に汚れて染み込む霞んで消えてしまいたい時にほど昼間の月まで強く白んで“ここにいますよ”とぼく
2022年1月24日 09:03
寒くて目が覚めた朝初めて触れたトゲのように知らない痛みが ぼくを刺す小さく震えてトクトク揺れる 朝焼けを写したなんでだろう部屋の片隅でひとり 朝日に照らされて生きることの意味と その孤独を反芻している気になった海辺の板張りの部屋でひとり朝に焼かれるぼくはなぜだかわからないけれど“生きなくては”とそう 強く思った
2021年12月4日 00:51
乗り物酔いする ぼく君がいなかったらバスなんて好きにならなかったなバスの窓から吹き込む風を心地いいだなんて思わなかったろうな『ふたり分』って言って乗り込むときの温かい気持ちは何だろうなお客さんがいない雨の日は頭が痛くて 君に寄りかかって揺れた人混みのスクランブルを驚くくらい上手に掻き分けて走るバスはまるでサファリパークぼくは知らなかったなバスがこ
2021年10月14日 17:19
「雨ってこんな匂いだったかしら」ビニールに弾き返されてパチパチと弾ける雨粒の音を聞きながら、君の右耳に揺れる耳飾りを見た。「どんな匂い?」とぼくが訊く「金属を舐めた時みたいな、少し生っぽくてツンとする匂い。」今朝、秋の香りがした甘くてそわそわしてまだ芳ばしさのない香り群青色のタイルが並ぶ淡い70年代の街の曲がり角ぼくはまだこの季節の狭間でいつかの君を探し
2021年9月29日 18:06
涼風の夜川面にたたずむ月をみていたキラキラと それはキレイだ衛星がくだけたカケラはちいさな金色の結晶になってきっと この星に降り注いだ美しい水に吸い寄せられてとけた跡を ぼくは見ているこの部屋に 止まない風が吹き込んだらカンザスゴールドきっと幻じゃない
2021年8月30日 21:53
もう少しだけと 唇のなかでつぶやく動けないのは 見つめられてるからじゃない暖かさを超えて 熱せられる水分襟足をつたう 甘い視線長く伸びる太陽を 白く染める季節いっときの青空に 足先から浸かる煙り始める爪先の雲にどうしよう ときめいてしまう 風の波あまい香りの誘い水残り香を残す 焦げたキャラメルみたいなスっと溶けていかない後口はきっと君に夢中になった理由
2021年7月6日 00:07
ポストを開けたらひらりと葉書が舞い落ちた遠くにいる ぼくのともだちからの絵はがきで美味しそうなあんみつの絵が書いてあるともだちの想い出話を読んでいたらぼくも何だか そわそわしちゃってあんみつが食べたくなってしまった雲がすっぽり蓋をして ぼくは蒸し焼きジリジリ焼かれて 霧雨の蒸気もあがるもう前髪が言うことを聞かないので散歩がてら 新しいお店を探す計画は諦め
2021年6月29日 18:56
放置されたコーラの様な ぼくに今更ながら君は言う“ここって穴場なんですよ”って柔らかい表情に ゆっくり浮かぶ仕草でまだ見ぬ季節の情景も添えてよく見えないけどきっと可愛く微笑んでいるだけど ぼくのポケットからは結局何も出せなくていつもよりキョロキョロと親しみ歩く君を見て適時は噛み合わないものだと頭の片隅で 溜め息を昇華させた欲望は曖昧になると ヒト
2021年6月9日 08:10
さようならと言ってみる声に出して言ってみる心をそっと解いてみるぼくらはふっと眼を閉じて空が何故に青いのか海は何故に誘うのか笑わなくなったその光はどこに溶けていくのだろうゆらゆら流れて行くのだろういつか無邪気だった猫が笑うまでぼくはまだここで手を振っている気がする
2021年4月19日 22:53
あなたが 今やさしさだけで出来た風に 抱きとめられまたたく星のような 柔らかな光で満たされてあたたかくて 心地良いベールのような雲に救いあげられたならあの大粒の雨はもうすぐ その悲しみの全てを洗い流すでしょう吹き荒れるような空は雷鳴を連れ あの苦しみを代弁してやがてあなたは 輝ける芽吹きになるその時は必ず幸せは渇れることなく 溢れ続けているそ
2021年4月4日 23:13
季節がらの くしゃみが止まらず右側の風は まだ旋毛をなでている外苑前のサクラ通りを ひとり知らないふりでやり過ごして慌てる前に 無表情をつくるわかりたくないのに わからせられる日常せっかくサクラが咲くのにつまらないモノに つまずきっぱなしで手のひらの何もない中身に何かを見つけたくて虹を描いてみた ハル傘がいらないのは 雨が降ってくれないからお願いをど
2021年3月26日 12:42
ぼくの知らない 君の友達のことぼくの知らない 恋人のことぼくの知らない 誰かとの未来楽しそうに話すんだね サクラみたいだそっと 心に傷を残すその美しい花びらでぼくの頬を撫でながら