やうやう白くなりゆく
ただただ青い空に
白けた月が貼り付いていた
それがぼくをチラと見たような気がして
それだけで居心地が悪くなって
不機嫌な月曜日をやり過ごす術を
すっかり忘れてしまった
春はやりきれない
表面だけ朗らかなその季節は
多くの憂鬱を咲かせて
薄ピンクの吹雪になって
ぼくらの足元に汚れて染み込む
霞んで消えてしまいたい時にほど
昼間の月まで強く白んで
“ここにいますよ”と
ぼくを追い詰める
どこだかわからないけど
どこかへ帰りたい
そんな 春
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