白い花火
さようなら と言って
何かを手離したなら
こんにちは と言いながら
何かをたぐり寄せたい
白く焼かれるルーズリーフと
焦げたようなバスのタイヤのにおい
ナツは始まりながら終わっていって
終わりながら始まっていくアキ
いまを捕まえても
ぼくは既に いまに囚われてる
うまく嗅げなくなった
蚊取り線香の匂いのように
少し息苦しい毎日で
夜店の金魚ならば
息ができなくなるのに
掬われるのを待っているような気持ち
あぁ
それすら書けない ぼくは
ただ呆然とする
苦しくて
ねぇ
どうしようか…
今は 白い花火を見上げている
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