バス
乗り物酔いする ぼく
君がいなかったら
バスなんて好きにならなかったな
バスの窓から吹き込む風を
心地いいだなんて思わなかったろうな
『ふたり分』って言って乗り込むときの
温かい気持ちは何だろうな
お客さんがいない雨の日は
頭が痛くて 君に寄りかかって揺れた
人混みのスクランブルを
驚くくらい上手に掻き分けて走るバスは
まるでサファリパーク
ぼくは知らなかったな
バスがこんな乗り物だったなんて
こんなに思い出がいっぱいになるなんて
君が居なくなったら
やっぱりもう
バスには乗らないだろうな
いいや
乗れないんだろうな
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