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#195 「トップ5%社員」が持っている「再現性」という能力

先日、「AI分析でわかったトップ5%社員の習慣」という本から最も大事な2つのことをご紹介しました。

そのうちの1つ、「再現性」について、どうやったら身につけることができるのか、メモ。


1、そもそも「再現性」とは?

「再現性」。同じことを繰り返しできること?

なんとなく分かる言葉ほど実は各人で思い浮かべるイメージが異なるものです。

「再現性」を辞書で調べると…

1.科学実験などにおいて、所定の条件や手順の下で、同じ事象が繰り返し起こったり、観察されたりすること。
2.写真や印刷物、ディスプレーなどの画像出力装置における画質。とくに色や質感の正確さ、または意図したとおりの表現が実現していることを指す。「色の再現性がよい」

なんとなく某リケジョさんを思い出してしまいましたが…

「科学実験など」、となっていますから、ビジネスの場面に置き換えると…

所定の環境下で行った業務やプロジェクトにおいての成果が、他の環境下でも繰り返し出せること。

というのが「再現性」の定義でしょうか。

というのも、「科学実験」では、同じ条件や手順で繰り返しその事象が確認できることでその理論が正しい、ということになりますが、ビジネスでは、全く同じ環境であることはありませんし、逆にいえば、同じ環境で同じことをやって同じ成果を出すというのは、そう難しいことではありません。

ビジネスでいう「再現性」というのは、異なる環境でも成果を出し続けることができる能力、なのです。


2、ビジネスでいう「再現性」はどうしたら身につくのか?

私は、営業部門在籍時に、のべ数千人の方々に研修を企画し講師も行ってきました。また、営業社員が数千人いる企業から研修相談を受け、その一環としてハイパフォーマーの方々(まさにトップ5%に入る方々です)にインタビューさせていたく機会がありました。

その経験から、「どんな環境でも」成果を「再現」できる方、というのは、以下の3つができる方でした。

☑️「振り返り」
☑️「因果関係分解」
☑️「キードライバー理解(環境含む)」


1つ1つ見ていきましょう。

まず、「振り返り」です。

「振り返り」。実は、必ずする、という人は驚くほど少ないのです。
しているよ、という人も、よくよく聞くと、「報告」のための「正当化」するような内容だったり、「反省」に留まるものだったりするのです。
ましてや、うまくいった場合にはしない場合がほとんどです。

どんな環境でも成果を再現できる方は「振り返り」をします。


次に、「因果関係分解」です。

「振り返り」で成功なら成功の、失敗なら失敗の因果関係を分解するのです。
分析でなく「分解」です。
自分が取ったアクションと先方の反応とを分解して全て場に出すのです。
事実を淡々と分解していきます。評価はしません。

どんな環境でも成果を再現できる方は「因果関係分解」をします。


最後が「キードライバー理解(環境含む)」です。

場に出したものから、どれが何に効いたのか、を考えます。
そして、何が最も成果につながった行為、つまり「キードライバー」だったのか、を理解するのです。
カッコで(環境含む)とあるのは、そのキードライバーが効果を発揮したのは、環境に依存している場合が多々あることを理解しているので、その時の環境も含めて理解する、ということです。

どんな環境でも成果を再現できる方は「キードライバー理解(環境含む)」をします。


かなり、手間がかかるなぁ、と思われたかもしれません。
実際結構な時間がかかります。

ただ、繰り返すうちにかかる時間は短くなります。
私がハイパフォーマーの方にインタビューした際には、上司や同僚の方にもお話を伺ったのですが、「最初来たときはエライ鈍臭いヤツが来たなぁと思った」という上司がいました。

新しい職場に来て、新しい業務で振り返ることが多かったのでしょう。振り返りなんて、机に座って考え考えメモとっているだけですから、「いつまでそんなことやってんだ」とその上司は思ったのでしょう。

逆に言えば、ほとんどの人はそこまで丁寧に振り返りはしないのです。


3、まとめ

「まだ判断するには情報が足りないな。もっと集めてこい!」と闇雲に情報収集だけさせるマネージャーがいます。

一方で、情報は少なくとも、いくつか質問をしただけで決断して指示を出すマネージャーがいます。

何が違うのでしょう?

「再現性」だと私は考えます。

先ほどご紹介した「3つ」を続ければ、成果につながるキードライバーを的確に見つけることができるようになります

しかも、効果を発揮しやすい環境も合わせて把握していますので、それを判断するために最低限把握すべき情報は何か、が整理されています。
ですから、闇雲な情報収集のための情報収集は必要ないのです。

AをやったらBができた、という単純な成功体験の積み重ねは、周りの環境が変わったら成り立たないものです。
ですから、上司が得意げに話す武勇伝に部下はシラけるのです。

一方で、ハイパフォーマーは成功体験を徹底的に分解し、その時の環境も含めて理解します。組み合わせのパターンは多いほど環境の変化に対応できます。
ですから、上司は部下がハッとする的確な質問ができ、その環境に有効である選択肢を提示できるのです。

しかも、構造化されていますから、説明によって部下も「再現」が可能です。
つまりハイパフォーマーは管理職に仕事が変わっても、部下を育成するという最も重要な仕事も円滑に行えるのです。

ご紹介した「3つ」の振り返りは手間がかかります。

でもその積み重ねが、どこでも仕事ができる「トップ5%社員」に必要な「再現性」という能力を身につけることができるキードライバーなのです。


最後までお読みいただきありがとうございました。

個人的に接したことのあるハイパフォーマーの方々からの私の個人的見方になりますが、何か参考になるところがあれば嬉しいです。

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