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#コラム

なぜ、人びとはゲーセン『ミカド』に集まって来るのか?

なぜ、人びとはゲーセン『ミカド』に集まって来るのか?

東京・高田馬場にある、伝説のゲームセンター『ミカド』をご存知だろうか? 1980〜90年代に流行ったビデオゲームを中心に並べている、雰囲気もレトロ感満載の店である。

家庭用ゲーム機、ネットゲーム、スマホゲームの台頭により、減少し続けるビデオゲームの店でありながら、いまだ客の絶えることがないのはなぜだろう。

平日は500人、休日は1000人を超えるという、2階建ての店舗には、30年以上前の古いゲ

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料理の写真と実物がまったく違うのに、なぜ「ガスト」は集客できるのか?

料理の写真と実物がまったく違うのに、なぜ「ガスト」は集客できるのか?

ファミレス「ガスト」のテレビコマーシャルやポスター、メニュー表では、実に美味しそうな料理が紹介されている。だが、期待して注文すると、そこに運ばれてくる料理は、写真とは似て非なるもの。

このことはネットでもよく話題になる。“愕然とする”という表現が大袈裟ではないほどの別物が提供されるのである。

私も一度、あまりにも粗末なものが出てきたので、クレームを入れたことがある。だが、その後改善されている気

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日本全国、B級オン・ザ・ライスが熱い!根室『エスカロップ』から長崎『トルコライス』まで。

日本全国、B級オン・ザ・ライスが熱い!根室『エスカロップ』から長崎『トルコライス』まで。

全国各地に、不思議な魅力を持った“オン・ザ・ライス”メニューが存在する。地元の人びとが愛してやまない、ワンプレート料理である。

“オン・ザ・ライス”、すなわち、ご飯の上におかずをのせてしまう。丼物もそうだが、ここで紹介するメニューは、すべてが1つの皿にのっている。

まずは、北海道根室市の『エスカロップ』。

ケチャップライスもしくはバターライスの上に、ポークカツレツをのせて、ドミグラスソースを

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“ほか弁屋”の「のり弁当」は、なぜ売れ続けているのか?

“ほか弁屋”の「のり弁当」は、なぜ売れ続けているのか?

庶民なら一度は食べたことがあるであろう、ほか弁屋の「のり弁当」。ご飯の上に、昆布の佃煮もしくは醤油和えのかつお節をのせ、焼き海苔をかぶせた本体。

その上に、白身魚のフライと竹輪の天ぷら、きんぴらがのり、さくら漬けか大根の甘酢漬けが添えられている。

見ためにはチープだが、間違いのない安定した美味しさがあり、長年に渡って人気商品である。

「ほっかほっか亭」「ほっともっと」「かまどや」などのチェー

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商品価値を高める!「ブランド牛」の作り方。

商品価値を高める!「ブランド牛」の作り方。

「ブランド牛」と聞くと、どんな名前を思い浮かべるだろうか。松阪牛・近江牛・神戸ビーフ・米沢牛・前沢牛・飛騨牛……。この程度しか浮かんでこないのではないだろうか。

だが、驚くことに、全国で200種以上の「ブランド牛」が存在するのである。誰も聞いたことがないような「ブランド牛」が、190種程度存在するということである。

「ブランド牛」でありながら、なぜ誰も知らないのか。

いきなり結論から言えば、

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本物のおっさんもタジタジ。“男子力”の高い「おっさん女子」が増殖中!

本物のおっさんもタジタジ。“男子力”の高い「おっさん女子」が増殖中!

女性らしさが希薄で、3つのシコウ(思考・志向・嗜好)が、まるで「おっさん」的な若い女性のことを「おっさん女子」と呼ぶ。本人たちも自覚しており、「おっさん」を自称している。

その生態は、実にユニークで興味深い。行動を見ていても、「おっさん」そのもの。

カフェより居酒屋を好み、カクテルではなく、ビール・日本酒を選ぶ。スイーツより珍味に目がいき、立ち食い・立ち飲みに愛着を感じる。

見ためで言えば、

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「主婦の店・さいち」に行列ができる、ごく当たり前な理由。

「主婦の店・さいち」に行列ができる、ごく当たり前な理由。

宮城県仙台市・秋保温泉に、その小さなスーパーはある。たった80坪ながら、年商6億円を売り上げ、連日開店前から行列ができる店である。

その行列客の目的は、「おはぎ」と「惣菜」である。おはぎは、1日平均5千個、土日祝日は1万個、彼岸には2万個売れるという、おばけ商材なのである。

惣菜は300種を用意し、おはぎとともに瞬く間に売れてしまう。おはぎと惣菜を合わせて、スーパー全体の売り上げの50%を占め

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「ソーダ博物館」に学ぶべきこと。

「ソーダ博物館」に学ぶべきこと。

ロサンゼルス・ダウンタウン。ここに、見た目には何の変哲もない小さなスーパーがある。だが、別名「ソーダ博物館」として、多くのファンを持っている。

全米各地から、昔ながらの製法で作られたソーダを集めている。棚一面に、ソーダ、ソーダ、ソーダ……。その品揃えは、480種類。

昔ながらの瓶詰めソーダは、砂糖と天然材料で作られるので、まぜものの多い大量生産のものより、格段に美味しいという。昔を懐かしむ人や

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大阪西成の「ドヤ街」が、『中華街』に生まれ変わる!?

大阪西成の「ドヤ街」が、『中華街』に生まれ変わる!?

大阪市西成区に、通称「あいりん地区」と呼ばれる「ドヤ街」がある。日雇い労働者やホームレスが、全国から集まって来る地域である。

長年に渡って「ドヤ街」のレッテルを貼られていたが、当時の大阪市長であった橋下徹氏の“西成特区構想”をキッカケに、平穏な街へと生まれ変わろうとしている。

まだまだ発展途上ではあるが、いま大きなうねりが起き始めている。チャイナマネーの介入である。中国人経営者たちが集まり、「

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「ウインナー炒め」のある食堂は、客に長く愛される。

「ウインナー炒め」のある食堂は、客に長く愛される。

外観は古びていて、店内に入ると年季の入った、しかもいかにも安物のテーブルと椅子が、所狭しと並んでいる。壁には、茶色くくすんだ手書きのメニューが、ところどころ歪んで貼られている。

「創業○年」という威厳はなく、ただただ古い。

だが、常連に守られ、店主も客も世代交替しながら、長く愛され続けている。そんな食堂が、チェーン店全盛の中、日本中で生き残っている。

食事をする場所など無数にあり、美味しいも

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“自身を演じる”、インスタの闇!?

“自身を演じる”、インスタの闇!?

いま、店の集客は容易である。

“インスタ映え”する店舗・商品を作れば、女性たちが写真を撮りに来てくれる。「質」は二の次。写真写りが良いかどうかで判断される。

「可愛い」「お洒落」が、すべての基本。自身のインスタにどれだけ注目が集まるかに、心血を注いでいる。

“自身の見られ方”を追求しているのである。自己研鑽して目立ちたい、ということではなく、上っ面だけで良いので、お洒落に見られたいのである。

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「スターバックス」と「ドトール」の違いは何?

「スターバックス」と「ドトール」の違いは何?

コーヒーチェーン店であるスターバックスとドトールの違いをご存知だろうか?

スタバは高くて、ドトールは安い? まずは価格の違いが浮かぶだろう。

では、味はどうだろう? スタバは美味しくて、ドトールは美味しくない?

そんなことはない。ドトールは、安くても充分に美味しい珈琲を提供している。

確かにスタバは、訓練を積んだバリスタが、こだわりを持って珈琲を淹れてくれる。その手間を考えると、価格が高く

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【気になる】正月ぐらい休めば良い? ふざけるな!

【気になる】正月ぐらい休めば良い? ふざけるな!

以前、コンビニオーナーが、
「元日ぐらい休ませろ!」と訴えて、話題になりました。

この件に関して、街の人びとは
「元日ぐらい休めば良い」
「正月ぐらいゆっくりしたいでしょ」
と言っています。

一見、優しい意見のように思えますが、
私はふざけるな! と思っています。

ならば、そう言っている人に問いたい。

旅行も行かないのか?
帰省もしないのか?
初詣はどうする?

神社も開いています。
公共

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コンビニ各社がシニア店員の採用を積極的に行う、もっともな理由。

コンビニ各社がシニア店員の採用を積極的に行う、もっともな理由。

いまコンビニ各社は、
店員へのシニア層の採用を積極的に行っている。

政府が訴えている「高齢者の雇用促進」ではなく、
シニア層の“能力”を買っての採用である。

セブン‐イレブンは、年齢無制限で、
労働日数・労働時間も相談に応じている。

なぜ、そこまでしてシニア層を採用するのか。

それは、「コンビニが社会で果たす役割」にある。

言い換えれば、
社会から求められていることに応えるためには、

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