コンビニ各社がシニア店員の採用を積極的に行う、もっともな理由。
いまコンビニ各社は、
店員へのシニア層の採用を積極的に行っている。
政府が訴えている「高齢者の雇用促進」ではなく、
シニア層の“能力”を買っての採用である。
セブン‐イレブンは、年齢無制限で、
労働日数・労働時間も相談に応じている。
なぜ、そこまでしてシニア層を採用するのか。
それは、「コンビニが社会で果たす役割」にある。
言い換えれば、
社会から求められていることに応えるためには、
シニア層の力が必要なのである。
シニア層は社会経験が長く、
常識や人との接し方を知っている。
SNSで暴走するような若い店員のようなことはしない。
学生やフリーターと比べると、
勤務態度が良く、遅刻や欠勤も少ない。
世代的に真面目な人が多いので、
自分の与えられた仕事・役割をきちんと理解している。
それが、若い店員にも良い影響を与えているという。
だが、これらはシニア層の“素質”であって、
“能力”ではない。
コンビニが期待する能力は、もっと他にある。
コンビニではいま、高齢者の利用が増えている。
遠くのスーパーより、近くのコンビニ。
店の規模や利用できるサービスが、
高齢者にとって非常に便利なのである。
スーパーは大きくて疲れるが、コンビニは小さい。
すぐに食べられる弁当や惣菜、
小さくカットされた野菜が売られている。
荷物を送ることも公共料金を支払うこともできる。
そんな便利さに気づいた高齢者が、
日常的に利用するようになったのである。
こうなると、高齢者にとってコンビニは、
生活に不可欠な存在となってくる。
コンビニとしても、望まれているのなら、
それに応えなければならない。
そこで始まった取り組みが、
ひとり暮らし高齢者への買い物支援や
弁当の配達、移動販売などである。
この取り組みに必要なのが、シニア店員なのである。
若い店員でも良いのだが、
高齢の客とのコミュニケーションが難しい。
シニア店員なら、
同年代や年配者の気持ちを理解しやすい。
また、地元の人間なら、地域の実情にも詳しいので、
客とのコミュニケーションが取りやすい。
人と人との繋がりを作りやすいので、
地域密着型の店舗として、客にも愛される。
今後、コンビニに求められるのは、
「地域のインフラを担うこと」である。
地域の中心的存在となって、地域社会を守っていく。
その“機動力”となるのが、シニア店員なのである。
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