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ためになるお話(みなさんの記事)

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noteで見つけたみなさんの素敵な記事をここにまとめてみようかと
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記事一覧

英語で小説を読むヒント(話法)

英語で小説を読むヒント(話法)

英語の小説は大きく分けて「1人称の語り」と「3人称の語り」というものがあります。

「むかし、私が大学生だったときに」から始まると「私」が出てくる小説なので「1人称の語り」と言い、「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました」と始まると「おじいさん」や「おばあさん」が主体となって物語が展開するので、これを「3人称の語り」と言います。

登場人物がどんなことを考え、感じ、行動を

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第10回 「脚色」という仕事について

第10回 「脚色」という仕事について

今回は「脚色」ということをテーマに書いてみます。いつかはこの連載に脚色をテーマにした原稿を書こうと思っていましたが、このタイミングにしたのは『セクシー田中さん』の作者である芦原妃名子さんが亡くなられたことが影響しています。痛ましく、最悪の事態となってしまったこの出来事については自分なりに思うところがありますし、そのことに関してもいつか書いてみたい気持ちはあるのですが、今回はあくまでも「脚色」という

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死ぬほど嫌でした

日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんが亡くなられました。
とても悲しいです。

漫画を原作とした映像化のトラブルということで、僕の名前を思い出す人も多かったようです。

日テレ「セクシー田中さん」だけではない…意外と多いテレビ局と原作者のトラブル、「海猿」は未だ二次使用できず、「のだめ」で揉めたTBS

ここ数日、当時の出来事がフラッシュバックしています。

どう

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「大本営発表」と呼ばれた原発報道 私を変えたマスターのひと言

「大本営発表」と呼ばれた原発報道 私を変えたマスターのひと言

「念のための避難です」
「直ちに影響はないということです」

政府や東京電力の説明をなぞる報道は「大本営発表」と呼ばれた。

あれから12年。あのときのことを人に聞かれると、自分の無力さをさらけ出す恥ずかしさや悔しさ、申し訳なさにさいなまれ、つい実際以上に美化して話してしまう。

私はあのとき、原発報道を担当する記者だった。

(科学文化部 ニュースデスク 大崎要一郎)

「被害の情報はない。原子

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それは「みんなが幸せ」な状態ですか?──60年続けた本業を撤退した話(6)

それは「みんなが幸せ」な状態ですか?──60年続けた本業を撤退した話(6)

2023年11月末、滋賀県大津市に本社を置く藤沢製本は、創業から60年続けていた製本事業からの撤退を決めました。

この連載は、そんな私たちの紆余曲折を記録に残し、次につなげるために始めたものです。特に第2回〜第5回までの4回で、歴史を大きく4つのフェーズに分け、起きたことや課題を整理してきました。

【第2回】攻めのアイデアと機械化で、拡大と成長

【第3回】ピークを超えた市場、浮かび上がる「問

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【目次】『これからの本屋読本』をすべて無料で公開します。【全文公開】

【目次】『これからの本屋読本』をすべて無料で公開します。【全文公開】

note版に寄せて noteにて『これからの本屋読本』の本文をすべて、無料で公開することにしました。版元であるNHK出版さんの許可も得ています。

なぜ全文を無料公開するのかについては、本書の第2章(あるいは2013年刊の前著『本の逆襲』の第2章)あたりから推察していただけるでしょう。著者としては、自分が書いた文章を「一つの流動的な構築物」の一端にしたいという思いで、このnoteという場所を選びま

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この割れ切った世界の片隅で

この割れ切った世界の片隅で

コロナウイルスが社会に与えた最も大きな影響は、見えづらかった社会の分断を可視化したことではないでしょうか。

ステイホームできない、明日を生きるのすら精一杯な人。パソコンを持っておらず、家では完全に社会から隔離されてしまう人。勉強ができるような家庭環境でない人。外で遊ぶ自分を自慢げにSNSに載せる人。「クラスターフェス」と称し、コロナに積極的にかかろうとする人。感染者を引っ越しにまで追い込む地方の

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写真が撮りたい

写真が撮りたい

毎日撮ってる。首から提げてる。

カメラ買って写真を撮り始めて2ヶ月が経った。

そのまま狭い小料理屋に入ったら料理長に「写真家さんですか?」と聞かれて煮物を噴いた。見た目の態度がデカいとそういうことになる。それくらい中尾彬さんのネジネジストールみたいにして常にカメラを持ち歩いている。

常に持ち歩くのは撮りたいときに撮れるようにしておきたいのと、昨日撮っているのに今日最初にファインダーを覗いて昨

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著者校・訳者校のときに知っておいてほしいこと、注意してほしいこと (暫定版)

著者校・訳者校のときに知っておいてほしいこと、注意してほしいこと (暫定版)

ここでは、著者校・訳者校(以下、すべて「著者校」としておきます)でゲラに朱字を入れるときに知っておいてほしいこと、気に留めておいてほしいことをまとめておきたいと思います。なお、わたしはわりと小さい出版社の専門書や学術書(ときどき文芸)の編集者ですので、それ以外のジャンルの書籍ではやり方や呼び方が異なるかもしれませんのでご注意ください。また、紙のゲラでのやりとりを前提にしています(うちはアナログなの

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自分を変えられるのは、自分だけだ。

自分を変えられるのは、自分だけだ。

私のイントネーションは、ちょっとおかしい。
それを時々指摘される。
「もしかして、関西出身ですか?」と。
その言葉は私をとろけさせる。だらしなく笑顔になってしまう。
こういう時、マスクがあって良かったと思う。

10代の頃から、私はずっとネイティブ関西人に憧れている。
私の「おかしなイントネーション」は、私なりに頑張って勉強した成果なのだ。

中学二年生の時いじめにあった。
それから卒業まで、私は

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翻訳書ができるまで① 版権エージェントという仕事

翻訳書ができるまで① 版権エージェントという仕事

先日、1冊の本ができるまでの過程を、おもに人文ジャンルの本に注目してご紹介しました。意外なまでにたくさんの人に読んでいただいて光栄です。みなさん書籍編集の裏側に関心があるようで、嬉しいかぎりです。

このなかで翻訳書についてはまた改めて書きましょうと書きました。期待の声もあったので、翻訳書のできるまでを解説しようと思ったのですが、そのためにはまず「版権エージェント」「著作権エージェント」などと呼ば

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リレーエッセイ「わたしの2選」/『エクソフォニー~母語の外へ出る旅』『複数の言語で生きて死ぬ』(紹介する人:片山奈緒美)

リレーエッセイ「わたしの2選」/『エクソフォニー~母語の外へ出る旅』『複数の言語で生きて死ぬ』(紹介する人:片山奈緒美)

英日翻訳者の片山奈緒美です。わたしは不惑を過ぎてから人生に迷いや不安を感じるようになりました。翻訳だけやっていていいのか。他に挑戦すべきことがあるのではないか。厳しい状況が続く出版翻訳界を考えると、他に収入の柱があったほうがいいのではないか――

そんなふうに思っていたころ、通っていたカルチャーセンターのマレー語クラスの隣で日本語教師養成講座が開講されていることに気づきました。直感的にこれだ、と思

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エネルギー問題に対して、私たちができること。ポスト石油戦略研究所代表・大場紀章氏インタビュー。

エネルギー問題に対して、私たちができること。ポスト石油戦略研究所代表・大場紀章氏インタビュー。

現在さまざまな問題の中心にあるエネルギー問題。こうしたエネルギー問題は選択肢も広範に渡る上、利権や地政学なども複雑に絡み合い、どこから考えるべきかよく分からない方も多いのではないか。
私たちが、もう一度エネルギー問題を正しく理解し、どのように参加すべきなのか、エネルギーアナリスト/ポスト石油戦略研究所代表・大場紀章氏にお話をお聞きした。

エネルギー問題をどこから紐解くか。-現在、エネルギー問題と

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無数の橋をかけなおす──ロシアから届く反戦の声/奈倉有里

無数の橋をかけなおす──ロシアから届く反戦の声/奈倉有里

最初の衝撃

 2022年2月24日、現地時間の早朝、日本時間の昼過ぎに飛び込んできた「ロシア軍がウクライナ各地を攻撃」という報道。慌ててロシアの独立系放送局「ドーシチ(雨)」をつけると、コメント欄は衝撃と恐怖と自責と絶望の叫びで埋め尽くされていた――「悪夢だ」「誰かあのクレムリンのクソ野郎を止めろ!」「みんな、いますぐ街に出て抗議しよう!」「戻れ、引き返せ!」「いっそここを、モスクワを攻撃してく

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