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【へっぽこ教育論】高校国語教師の一日(忙しい時ver.)

【へっぽこ教育論】高校国語教師の一日(忙しい時ver.)

「こんな記事をいったい誰が読むんだろう」と思いましたが、意外に読まれているようです。今回は忙しい時を再現して書いてみました。

始業前6:40 いつもより10分早く自宅を車で出発。少しでも始業前に仕事をするため。朝は職員も生徒もいないので集中できる。通勤中は思考を妨げないような音楽を流しながら、頭の中で授業プランを考える。

7:40 職場に到着。QRコードで出退勤システムに出勤時間を登録。でも出

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50代になっても一晩に5回、セックスしていた小林一茶 #4 晩節の研究 偉人・賢人の「その後」

50代になっても一晩に5回、セックスしていた小林一茶 #4 晩節の研究 偉人・賢人の「その後」

親鸞、徳川家康、平賀源内、小林一茶、西郷隆盛……。日本の歴史に燦然と輝く偉人たちですが、実は「意外すぎる晩年」を送っていたことをご存じでしょうか? 河合敦さんの『晩節の研究 偉人・賢人の「その後」』は、彼らの「その後の人生」にスポットを当てたユニークな一冊。教科書には載っていない面白エピソードがたっぷり詰まった本書から、とくにユニークな晩年を生きた偉人たちをご紹介しましょう。

*  *  *

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正方形日記 ~インスタで、その日起きた出来事を文字で書いていたら、気づいたこと

正方形日記 ~インスタで、その日起きた出来事を文字で書いていたら、気づいたこと

僕は写真が苦手です。

「あ、素敵だな」と思った景色が目の前に現れても、それからカメラを立ち上げて、アングルを気にして撮って、良く撮れたのを選んで......という作業に、以前からなぜかあまり楽しみを感じられませんでした。

一方で、言葉や文章が大好きです。学生時代から趣味で落語をやっているせいか、言葉で絵を描くように伝えることはとても楽しいと思っています。

だから、いろいろなSNSを使ってはい

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シャンパンだけが人生だ|村上龍「テニスボーイの憂鬱」

シャンパンだけが人生だ|村上龍「テニスボーイの憂鬱」

そういえば読書感想文的な物を書いていなかったな、と気付いたので本棚を眺めていたら、やけに古い本が見つかった。

高校生の頃に買った文庫本のため、カバーはボロボロになって捨ててしまい、本のページも日焼けしている。

もう何十回読んだか分からない「テニスボーイの憂鬱」は、村上龍作品の中で一番好きな本だ。

村上春樹派VS村上龍派文壇界で村上と言えば春樹と龍。
二人共好きだ、という人も勿論いるが、二人の

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孤絶した場所にいる存在 —夏目漱石の小説「坊つちやん」について—

孤絶した場所にいる存在 —夏目漱石の小説「坊つちやん」について—

 今回は、夏目漱石の小説「坊つちやん」について見ていきます。
 この小説は、一人称が「おれ」である人物の語りで展開されます。この「おれ」については、精神のありようが、ほんの少しおかしい、そんな人物であると言えます。では、一体、どこがおかしいのでしょうか。それについては、登場人物である清の言葉を借りたいと思います。清は、「おれ」の性格について、「真っ直」(まっすぐ)な気性である、と評しています。その

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「詩」というもの/谷川俊太郎

「詩」というもの/谷川俊太郎

 僕が小学校に行ってた頃ね、日本は戦争してたでしょ、戦地の兵隊さんに手紙を書きましょうなんて宿題が出るわけ、僕は何書いていいかわからないんだ、母にそう言うと、自分のことを書けばいいのよと言われる、そこでまた困っちゃうんだ、自分のことって何書けばいいのって言うと、遊んだことでも、勉強したことでもなんでもいいのよと母は言う、そうすると頭に浮かぶのは、朝起きて顔を洗って朝ごはんを食べてみたいなこと、子供

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【第5回】あなたはどっち?「全能神型作家」「憑依型作家」

【第5回】あなたはどっち?「全能神型作家」「憑依型作家」

 ここ最近は読者の方からの質問に頼り切りであったモノカキTIPSですけれども、今回はいつもの形式に戻りまして、僕が経験したことを元にしたお話でございます。
 さて、物語を作るにあたっては作家それぞれいろいろ種々様々で、あまりこう固定化された作り方はない、ということを申し上げてきたのですけれども、ある一部分にフォーカスすると、結構作家を大別できるのではないか、というものもあります。

 今回は、「全

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日本の映画がダメな理由 again

日本の映画がダメな理由 again

◉こういう薄っぺらいことしか言えない御仁が、エグゼクティブプロデューサーのなんのと幅を利かせている業界だから、そりゃあダメですよね。以上。どうせこの作品も駄作『新聞記者』のように、お手盛りの受賞ラッシュなんでしょうけれど……。一定の映画館と映画会社さえ儲けさせられない自己満足映画作っておいて、アニメに責任転嫁が酷いですね。

映画のポスターよりもデカデカとエグゼクティブプロデューサー様の写真を載せ

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【試写】新プロジェクトX「世界最速へ技術者たちの頭脳戦〜スーパーコンピューター『京』〜」

【試写】新プロジェクトX「世界最速へ技術者たちの頭脳戦〜スーパーコンピューター『京』〜」

6月16日、日曜日の朝、名も知らぬNHK職員から1通のDMが届いた。

「京のX、見ましたか?つまらなかったでしょう?スタジオも全く生きていないし。理化学研究所の取材を十分せず、富士通に都合の良い人のストーリーばかりで、PDの力の無さが露呈している」

京が放送ラインナップに入っていることは、私は随分前から取材を通じて把握していた。文系だらけのNHK職員にとってはアーキテクチャーが難解なだけでなく

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サイゼの社長が食べにきた

ゲラゲラ笑い合った。

ラッセのホールの角の席に座っていた

キッチンから僕が顔を覗かせた瞬間に目があって2人ともニカーって笑った。

話す前から打ち解けあった様な雰囲気で近づいていって、もうお互いに「ありがとう」の連発(笑

3週間前に本間さんが僕について書いた記事https://note.com/txoko/n/nf89e5b898271がきっかけで、いつの間にか食べに来ていたので

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編集者が応募原稿を読むときに「重視しているところ」と「実は気にしないところ」【ポプラ社小説新人賞への道】

編集者が応募原稿を読むときに「重視しているところ」と「実は気にしないところ」【ポプラ社小説新人賞への道】

小説家デビューの登竜門「新人賞」。
それぞれの新人賞には傾向がある、ということは前回の記事で触れましたが、賞に応募したら選考を突破していかないといけません。

選考方法は出版社や新人賞によって異なりますが、多くは一次選考・二次選考・最終選考と段階を踏んで選考していきます。

ポプラ社小説新人賞も一次選考・二次選考・三次選考・最終選考という過程があり、一次選考から編集者が全ての原稿に目を通しています

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タイトルについて思うこと

タイトルについて思うこと

 Twitterアカウントを持って「小説家になろう」や「カクヨム」に膨大な数の作品が投稿されているのを見るにつけ、ではなぜこんなに出版文化が衰退してしまったのだろうと首を傾げざるをえないのが、正直なところです。

 なんでも無料で読めるウェブの存在が、小説そのものの在り方まで変質させてしまった。

 もともと小説は、文章を書く頭と紙とペンさえあれば、ほとんど原価がかからずに書けてしまう手軽な表現媒

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伸びる作家・伸びない作家の違い

伸びる作家・伸びない作家の違い

伸びる作家と伸びない作家の違いは何か――。
疑問に思う点であり、編集者としては、
なんとかその「要因」を探りたいと考えるものです。

同時期にデビューして、次々と作品を発表し、
ぐんぐん人気を伸ばしていく作家と、1冊出して鳴かず飛ばず、
その後もぽつりぽつりとしか売れない作家……。

おもしろいほどに、その違いははっきりと出てきます。
その要因は一体何なのか。
多くの作家をデビュー時期から見てきた

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売れる小説を作るテクニック ~隙間を探す~

売れる小説を作るテクニック ~隙間を探す~

出版界ではやはり、二番煎じというのは多いですね。
ドカーンと売れるものがあると、「お、これ売れるんだ」
とみんなが気づいて、次々と似たものが出てくる、というアレです。

まぁこれは当たり前というか、どの分野でも
起こることではありますけども。

しかし、売れたものとまったく同じものを出す、
というわけにはいきませんので、
少しアレンジしたり、違う要素を付け加えたりします。

「売れる小説」を考える

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