幻冬舎 電子書籍

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出版社の幻冬舎・電子書籍部門アカウントです。 小説、エッセイなど文芸作品から、実用書やビジネス書まで、幅広い本の試し読み記事やオリジナルコンテンツ、そのほか幻冬舎にまつわる様々なことを発信していきます!

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モノを増やしたくない…でも推しグッズが欲しい‼ オタク沼にハマった実体験を綴った爆笑コミック『オタ活1年生』ゆるりまい

『ゆるりまいにち猫日和』や『「ねぇ、これ捨ててみない?」ふたり暮らしの片付け&掃除物語』の著者・ゆるりまいさんの最新作が今春、U-NEXTにて独占配信をスタートしました!タイトルはズバリ…『オタ活1年生』。〝捨て活〟を極めて家にほとんど物がないミニマリストとなったゆるりさんが、人生初の〝オタ活〟に目覚めたエピソードを書下ろし。笑いあり、共感ありで、推しのいる人も、そうでない人も注目の作品です! 今回は本作の第1話をご紹介。2話目以降はぜひ、U-NEXTでお楽しみください♪

    • 2024年6月のおすすめ

      【雨の日も心が晴れるおすすめ文芸書】 「その問題、私が解決いたします」が口癖の人呼んでミス・パーフェクト。実在してほしい人材NO.1! 痛快世直しエンタメ ミス・パーフェクトが行く! 昭和の芸能界を舞台に、必死にもがく少女たちと、彼女たちをなんとかスターダムにのしあげようとする大人たちによる、ド・エンタメの、痛快スター誕生物語 星屑 どんな逆境でも、知恵と仲間と笑いがあれば何とかなる、か!?興奮&感動、痛快&爽快、そして笑える、新感覚時代小説 おわりもん ペンギ

      • 2024年5月のおすすめ

        【疲れたカラダを整えるヘルス本特集】猫背・反り腰をなおせば、腰痛、肩コリ、下半身太りが瞬時に解決。シドニーのカリスマ整体師が教える時短エクササイズ 人生が変わる 1分姿勢教室不調の原因も、それを解決するのも「菌」!菌のバランスを整える食事と生活習慣で、腸活、美肌、ダイエット、免疫力、アトピー、不眠などのお悩みを根本から解決し、強く、美しい体に導きます。 腸活にも、美肌にも、ダイエットにも! 菌ケアで美しくなる人生を長く楽しむには、【丈夫な肺】と【丈夫な足腰】が必要! たっ

        • 2024年6月の新刊

          2024年6月5日配信開始パーティーが終わって、中年が始まる/pha ヘレテクの穴②/沖田×華・新井素子 19歳までに手に入れる 7つの武器/樺沢紫苑 若者が選んだ安倍晋三100のことば/安倍晋三デジタルミュージアムプロジェクト 2024年6月6日配信開始帆立の詫び状 おっとっと編/新川帆立 番所医はちきん先生 休診録七 無粋者の生涯/井川香四郎 竹本義太夫伝 浄るり心中/岡本貴也 小梅のとっちめ灸(五)豆助騒動/金子成人 宿敵の剣 はぐれ武士・松永九郎兵衛/

        モノを増やしたくない…でも推しグッズが欲しい‼ オタク沼にハマった実体験を綴った爆笑コミック『オタ活1年生』ゆるりまい

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        記事

          2024年5月の新刊

          2024年5月1日配信開始気づいたら、親と同じことをしている 苦しかった「親の子育て」をくり返さない方法/成田奈緒子 2024年5月8日配信開始ØMIフォトエッセイ『LAST SCENE』通常版 2024年5月9日配信開始幸せへのセンサー/吉本ばなな 91歳5か月 いま想うあの人 あのこと/岸惠子 2024年5月10日配信開始ダチョウはアホだが役に立つ/塚本康浩 終わりの歌が聴こえる/本城雅人 40歳になって考えた父親が40歳だった時のこと(分冊版12)/吉田貴司

          2024年5月の新刊

          2024年4月の新刊

          2024年4月3日配信開始「一セットの服」で自分を好きになる/あきやあさみ 路上ネコ、22の居場所で222匹/佐々木まこと 2024年4月10日配信開始なるほどそうだったのか! ハマスとガザ戦争/高橋和夫 2024年4月11日配信開始往復書簡 限界から始まる/上野千鶴子┴鈴木涼美 全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割/岡本雄矢 みんなのヒーロー/藤崎翔 吉祥寺ドリーミン てくてく散歩・おずおずコロナ/山田詠美 J 寂聴最後の恋/延江浩 2024

          2024年3月の新刊

          2024年3月1日配信開始晩ごはん食堂の無限においしい野菜レシピ / 晩ごはん食堂 2024年3月6日配信開始捨てたい人 捨てたくない人 / 群ようこ 板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh / 原田マハ 2024年3月7日配信開始ダ・ヴィンチの遺骨 コンサバターⅤ / 一色さゆり あなたと食べたフィナンシェ / 加藤千恵 ファズイーター 組織犯罪対策課 / 八神瑛子 鬼才 伝説の編集人 / 齋藤十一 叫び / 矢口敦子 姫と剣士 二

          2024年3月の新刊

          2024年3月のおすすめ

          【新年度を新たな気持ちで!前向きになる本集めました】「美を育てる」ことは「自分を育てる」ことにつながる。キレイになるコトはもちろん、自分の“これから”を前向きにとらえて、楽しく、ラクに、心地よく生きるための心得が分かるはずです。 美を育てる 宇賀なつみ、初エッセイ! 「自分を幸せにするために、私は今日も旅に出る!」人生を前向きに生きるヒントがたくさん詰まった1冊。 じゆうがたび 「みんな違ってみんないい」。これからは、ひとりひとりが「自分軸の幸せ」を追い求める時代。わ

          2024年3月のおすすめ

          原田マハ『板上に咲く』担当編集者の想い

          −この本がそばにあれば、私は大丈夫だ−この度、原田マハさん3年ぶりの長編アート小説『板上に咲く』を刊行いたします。 『たゆたえども沈まず』ではゴッホと画商林忠正の絆を、『リボルバー』ではゴッホとゴーギャンの友情を描いてきた原田さんが今回テーマに据えたのは、ゴッホに憧れゴッホを追い越した、日本人アーティストの棟方志功。 青森の寒村出身で、お金もなく、目もよく見えず、満足な絵の教育も受けられなかった棟方が「世界のムナカタ」になったのはなぜなのか? 彼のそばには、妻・チヤがいつ

          原田マハ『板上に咲く』担当編集者の想い

          鍵の掛かった男 #5

          十四日の九時半にホテルを出ていた残りの二人は夫婦だった。 「萬さんとおっしゃって、ご主人は北浜の証券会社に、奥様は堂島にある広告代理店にお勤めになっています。お齢は四十代半ばです」 北浜は中之島線に乗ればふた駅だし、堂島は橋を渡ったところだ。仕事が忙しくて遠くの自宅に帰る間もなかったのかと思ったら、そうではない。年明け早々から自宅の大幅なリフォームを始めたので、工事中の十日間を通勤に便利なこのホテルで過ごしたのだという。芦屋市内在住なので、話を聞くためこちらから出向くこと

          鍵の掛かった男 #5

          神の手(上) #5

          その日の午後、白川が病室に行くと、晶子が窓際に立って泣いていた。病室は六階だ。窓には簡単な手すりしかない。白川は不吉な予感に襲われて、晶子に歩み寄った。 「どうしたんですか」 「さっき、妹から電話があって、叱られたんです。わたしがしっかりしていないから、妹が大事なときに、先生に振りまわされると」 「そんな。古林さんはこんなに一生懸命に看病しているのに」 ふたたび康代に対する怒りがこみ上げた。章太郎は完全に意識が消えないまま、うめき続けている。康代には晶子の苦しみがわか

          神の手(上) #5

          鍵の掛かった男 #4

          3 彼が差し出した名刺は、肩書が副支配人・レストラン長になっていた。それについて支配人が説明をする。 「うちの純利益の七割以上はレストラン部門が稼いでくれています。だから重責を担ってもらっているんですよ。それに」顔を丹羽に向けて「実質的には営業部長も兼務してもらっているようなものですよね」 丹羽は控えめに頷く。 「マルチ・ジョブで、フロントに立ってご予約を受け、お客様の応対や精算業務もいたしますし、小さな所帯ですから外回りの営業も施設管理もこなします」 会って一分と

          鍵の掛かった男 #4

          神の手(上) #4

          安楽死は、日本ではまだ法的には認められない。いくら安楽死の要件がそろっていても、やれば医師は殺人罪に問われる。 押し黙っている白川に、晶子が泣きながら取りすがった。 「望んで選ぶんじゃないんです。それしかないから頼むんです。これ以上、この子を苦しめるのは耐えられません。いつかまた元気になれるのなら、我慢もします。でも、もうどんなに苦しみに耐えても、望みはないんでしょう。それなら頑張らせるのはかわいそうすぎます。だから先生、お願いします」 「しかし、今の日本では、まだ……

          神の手(上) #4

          鍵の掛かった男 #3

          私は、ココアを飲んでいた巡査部長の顔を虚空に思い浮かべ、文句をぶつけたくなった。──悩み電話相談の件は話してくれたけど、それ以外にも色々とボランティア活動をしていたことを隠しましたね。本件に無関係と思って言わなかっただけで、隠したつもりはない? こっちは「とりあえず」他殺説をとったから、梨田さんの身辺にトラブルがなかったかに大きな関心を持っているんですよ。彼が部屋に引きこもったままだったら、他人との間に摩擦が生じる機会はほとんどなかったでしょうけれど、盛んに外の人たちと接触し

          鍵の掛かった男 #3

          有頂天家族 #5

          夜も更けたけれども、四条大橋はぞろぞろと人間が行き交っている。 弁天の氷の接吻でにわかに興奮した私は、店主の奢りであることをよいことに、偽電気ブランを続けざまに呷って大いに酔った。そこで四条大橋の欄干へ優雅にもたれて、夜風に吹かれながら酔いを醒ました。 四条大橋の東詰にレストラン「菊水」があって、屋上にはビアホールらしい明かりが灯っている。真ん中がぽこんと高く飛び出していて、そのてっぺんがつるりと丸いのがいつ見ても妙ちくりんである。壁面に並んでいる縦長の二連窓から細く明か

          神の手(上) #3

          1 二十一歳の安楽死末期がん患者の病室には、特有のにおいが漂っている。 死臭を先取りしたような、甘酸っぱく、饐えたにおい。それは、全身に広がったがん細胞からにじみ出る独特の臭気である。若い患者のそれは、旺盛な身体の代謝や髪の汗と混じり、ことさら濃密になる。 古林章太郎。二十一歳、肛門がん、末期。 部屋の明かりを常夜灯だけにしているのは、本人がそう望んだからだ。彼には蛍光灯の光さえ、耐えがたいようだった。 主治医の白川泰生は、ベッドの傍らに立ち、じっと章太郎を見おろして

          神の手(上) #3