「新潮」編集部

明治37年創刊! 日本で最も長く刊行され続けている文芸誌です。 https://www.shinchosha.co.jp/magazine/shincho/  このnoteは、雑誌に掲載された読み切りの原稿を、より多くの方々に知っていただく場にできたらと考えています。

青山真治をみだりに追悼せずにおくために/蓮實重彦

 まだまだ元気だった頃のその人影や声の抑揚などをせめて記憶にとどめておきたいという思いから、死化粧を施されて口もきくこともない青山真治――それは、途方もなく美し…

無数の橋をかけなおす──ロシアから届く反戦の声/奈倉有里

最初の衝撃  2022年2月24日、現地時間の早朝、日本時間の昼過ぎに飛び込んできた「ロシア軍がウクライナ各地を攻撃」という報道。慌ててロシアの独立系放送局「ドーシチ…

眼差し――西加奈子『夜が明ける』書評/小池水音

 親しくしていた親戚の窮状を私が知ったのは、彼女の重い病が判り、命を分ける手術が決まってからのことだった。彼女は長きにわたり、家事、育児に励みながら、非正規雇用…

黒人の正典を定義する――ヴァージル・アブロー最後のロングインタビュー

 2018年に黒人として初めて〈ルイ・ヴィトン〉メンズウェアのアーティスティック・ディレクターに就任したヴァージル・アブローが、2021年11月28日に心臓血管肉腫で急逝し…

片道十三時間の街で/近藤聡乃

 中学生になると、電車を乗り継いで一時間半ほどの学校に通い始めた。小学校は徒歩三分であったから、はじめての電車通学、はじめての長距離移動生活である。子供の頃から…

下級国民の家族小説/綿野恵太

 子供は親を選べない。そのことを景品くじの「ガチャ」に喩えた「親ガチャ」というスラングが流行したとき、小林秀雄「様々なる意匠」の有名な一節を思い出した。「人は様…