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わたしの魚日記

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釣魚、市場の魚、スーパーの魚、あらゆる場所で出会った魚たちのこと。加工に成功したこと,失敗したこと,美味しくて嬉しかった思い出など,魚にまつわる出来事や、魚にもらった元気やチカラ… もっと読む
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年末の、頼れる味方。

年末の、頼れる味方。

空晴れ渡り、例年よりは暖かい中にも、
やはりぴりりと寒い年末の早朝。
買い物客で賑わう市場から戻ってきました。

お正月には、刺身のさくや、大きいブロックの肉などを扱うことも多いと思いますが、
いつも助けられている強い味方が、「ピチット」という脱水シートです。

業務用の調理道具店には常に置いてあり、ネットでも買えますが、
最近、たまたま寄った近所の釣具屋で取り扱っているのを知り、大喜びしてしまい

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ミントと蛸の生春巻き、そして夏の断捨離へ。

ミントと蛸の生春巻き、そして夏の断捨離へ。

家の改装に伴って、
9月から約3ヶ月のあいだ
少し自宅から離れた海沿いに
老犬と夫婦ふたりで住まうことになりました。

自宅のミントたちともしばしのお別れ。
この夏は、特に世話になったハーブでした。

仮住まいの家の近くには地ダコの直売所もあり、
遠さを嘆くより、せっかくなら楽しんで暮らしてみようと思っています。

魚屋さんでおすすめだった江戸前のたこに
刻んだミントを和え、
レモンや酢で軽くしめ

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つるりと頂く、魚と貝。

つるりと頂く、魚と貝。

今回の魚市場の買い出しに
楽しい連れがきてくれました。

一人ではいつも、
早足でくるくる回り、ご飯をかき込んで次に行くだけですが、
美味しいもの好きな旧友と一緒だと、
楽しそうな声が響いて嬉しい時間に。
予定外の大あさりも、ついつい買ってしまいました。

お盆も過ぎたというのに、
ジリジリとした暑さに参ってしまいそうで
夜もなんだか冷たいものが食べたくなります。

で、この大あさりを酒蒸しし、

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名残りのホヤを噛みしめる夏。

名残りのホヤを噛みしめる夏。

いよいよ8月。
5月から出回り始め、パンパンに膨らんだ水風船のような大きさだったホヤも、次第に小ぶりになってくる頃。
それでもこの口いっぱいに広がる海を味わいたくて、見かけると手に取ってしまいます。

捌きたてを一切れ口に放り込むたびに
思わず「く~っっ!」と唸ってしまう美味しさ。

疲れも吹き飛んでしまう勢いです。

ホヤにおこぜ、カサゴにナマコ。
ちょっとグロテスクに見えるもの、
見た目が美し

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日本の夏と、鰯。

日本の夏と、鰯。

せっかくの休日だと言うのに、
暑さが厳しすぎて、出かける気持ち、と言うより勇気が起きません。

まだ7月中頃の今、こんなに…とも思うけれど、
梅雨から夏への移り変わりに慣れなければいけない今の方が、侮れない気がしています。
昨日も昼食後、皿洗いをしていたら
身体に熱がこもったようになり、
夜は食欲不振と頭痛がやってきました。
絵に描いたような夏バテです。

水分補給はもちろん大切だけれど、
ごはん

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干物で鯛めし

干物で鯛めし

関東では珍しい、連子鯛の干物に久しぶりに出会いました。
連子鯛の四連って、なんだか面白い。
本当に連なって泳ぐらしいです。

鯛よりぐっと安いのに、干物も旨味が濃く
皮目が美しい魚。
刺身を皮霜造りにして、一度食べてみたいのですが、こちらではなかなか出回りません。

今回はお手軽に、この干物を使って連子鯛の鯛めしにしました。

うろこ引きもいらず、さばくこともなく、
たださっと焼いてから炊き込むだ

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応援したくなる鮮魚店のこと。

応援したくなる鮮魚店のこと。

神奈川・北鎌倉の、
小高いところにある閑静な住宅街。
駅からは気軽に歩けない距離だし、
コンビニなど一つも見当たらない場所。
買い物難民がたくさんいらっしゃりそうな、
そんな場所にポツンと一筋の商店街があります。

クラウドファンディングの力を集め、
様々な魚の巧者や地元の有志が力を合わせて、
ここに魚屋さんをオープンされたとのことで、車を飛ばして行ってきました。

商店街とは言っても、駐車場はな

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アンチョビーのおまけ

アンチョビーのおまけ

今年もきました、しこいわしの季節。
旬はこれから。
盛夏まで楽しめます。
横須賀、猿島沿岸の朝獲れです。

ぴちぴちと音がしそうに新鮮なしこいわし。
春に美味しい小さな生しらすが、初夏にはここまで育ちます。
そして冬には、子孫繁栄を祈ってお節の田作りに。
昔から、日々の暮らしやこうしたお祝い事に欠かせない魚として、我々日本人とともにある魚なのだと改めて気づきました。

目も口も大きく、口の形に特徴

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こごみで、春の寿司

こごみで、春の寿司

あくも優しい旬のこごみ。

青、赤取り混ぜてたくさん手に入ったので、
鯛やさよりなどの魚たちに
小ぶりの筍、そら豆など、
家じゅうの旬をかき集めて、
ちらし寿司に仕立ててみました。

その時の旬菜であれば、具は何でも。
野菜や刺身が数種それぞれ少しずつしかない時、
お寿司にしてみると、不思議と心細くありません。

こごみは、巻いた部分を特に念入りに洗ったら塩ゆでするだけ。
筍は下ゆでののち、薄味で

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筍と木の芽の塩釜焼き

筍と木の芽の塩釜焼き

今年の桜の饗宴も、春の雨とともに締めくくりを迎え、
すこし寂しくなりました。

けれど、気づけばずいぶんと日も長くなり、
ひと雨ごとにあたりは暖かくなって、
散歩にはうってつけの心地の良さ。

なかなかゆっくり歩く余裕がないけれど
このやわらかな季節、
大きく手を振ってからだごと楽しみたくなってきました。

4月に入ってからずっと
上ばかりを向いて春を探していた気がしますが、
見れば足元にも。

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やる気、元気、牡蠣。

やる気、元気、牡蠣。

(…どなたかの演説みたいですが。)

ちらちらと降る雪の夜から、凍てつく朝へ。

冬のなかでも、いまが一番寒い頃。
しかも今年の寒波は十年ぶり、厳しさ半端ない、などの噂で持ちきりです。

積雪や、その後の凍結に慣れていないこちらの地域では、靴選びから緊張します。
いっぱい着て、ぐるぐる巻いて、
少しでも暖かくして出かけましょう。

先日、友人から聞いた話を。

寒い季節の影響もあり、なんとなく気分

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温まる鉄火味噌。

温まる鉄火味噌。

いよいよ、秋が深まって来ました。
あったかいと思えば、急に上着の間からぴゅうと鋭い寒風が差し込んでくることも。
体調を崩しがちな頃に差し掛かると、たちまち絵に描いたように冷えから首や肩の凝りがきつくなったり、内臓の働きが心細くなったりしています。
夏の冷房と同様に、からだにとって冷えは大敵。

若い時より変化への順応にしばらく時間が掛かるのでしょう。
歳を重ねるごとにそう感じることが増えました。ま

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ひと匙のデトックス

ひと匙のデトックス

それはもう…50年くらい、ずっと昔の話。

飴を舐めれば舌は赤や青の原色に染まり、
きゅうりの糠漬けに化学調味料を何振りもしたものが毎日食卓に並んで、
さらにその化学調味料を食べると頭が良くなる?なんて噂まで飛び交っていた頃があったのです。

それから時は流れ、いつしかお酒を覚え始めた頃。
折しも時代は、バブル全盛期。
美味しいものたちが巷に溢れ、さまざまな味わいに大喜びで触れる日々を重ねていた私

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新銀杏と秋鮭のひりょうず

新銀杏と秋鮭のひりょうず

秋の味覚、新ぎんなん。
安い時に箱買いしておくと、いろいろ楽しめます。

でも、箱買いしたばかりに、
ぎんなんの塩炒りにハマって止まらなくなりがち。
息子が家にいた頃、秋になるとパクパクと食べ過ぎるのが心配になり、調べたことがありました。

特に子供がたくさん食べると良くないそうです。
あの苦味は子供には苦手とされやすいけれど、
理にかなっているんでしょうね。

適量なら、薬効ありで、
咳止めや頻

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