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ひと匙のデトックス

それはもう…50年くらい、ずっと昔の話。

飴を舐めれば舌は赤や青の原色に染まり、
きゅうりの糠漬けに化学調味料を何振りもしたものが毎日食卓に並んで、
さらにその化学調味料を食べると頭が良くなる?なんて噂まで飛び交っていた頃があったのです。

それから時は流れ、いつしかお酒を覚え始めた頃。
折しも時代は、バブル全盛期。
美味しいものたちが巷に溢れ、さまざまな味わいに大喜びで触れる日々を重ねていた私。
頂く料理や飲み物から、自分の身体にどんな食材や調味料を摂り入れているのかなんて、頭に浮かぶはずもありません。

その後、料理の仕事を始めてからは、
例えば揚げ物の次にダイエット料理、その次にケーキなど、オファーが来たものを次から次へ、とことん作っては試食を繰り返すようになりました。
バランスなんてそっちのけの、
健康とはかけ離れたデタラメ食生活。

それが今のように激変したのは、
当たり前の話ですが…
息子を授かってからのことでした。

自分の身体は自分のもの。大丈夫だと言い切って、食べたいものを好きなだけ自由に口にすることになんの躊躇いも持たなかったけれど、
小さな小さな胎児、そして生まれ出でて腕に抱いた我が子の無垢なお腹に入れるものへの責任感のとてつもない重さと、湧き上がる心細さを今も鮮明に憶えています。

また、小さな子供の味覚は面白いほどに研ぎ澄まされていました。
同じ魚の切り身でも、スーパーのものと魚屋さんで捌きたてのものとでは、食べる勢いもまるで違うのです。
こうして授乳や離乳食というきっかけから、
毎日買い出しのたびに食材を調べるようになり、
市場に溢れる添加物まみれの商品たちや、国の規制のあまりの緩さにあらためて愕然としたわけで。
そういう経緯もあり、育休中の私の中の無添加信奉?は、日に日に増して行ったのです。

けれどその後保育園、学童と進み成長していくうちに、次第に親から離れた外での付き合いも増え、それに伴ってカップ麺やスナック菓子、ファストフードの強い旨味も覚えて行きました。
仲良しと食べる楽しさは、なにものにも代え難いもの。
そんな成り行きから、あれほどこだわっていたある種の「無添加主義」も、いつしかざっくりとした中身へと変化していきました。

それでも家族にとっては、まだまだ窮屈かもしれないなあ、と時折思います。
飼っている犬のおやつまで無添加!と友人に笑われたりも。


♪嬉しいな楽しいな 気持ちいいな愉快だな
嬉しいな楽しいな 気持ちいいな愉快だな
今朝カミさん実家に帰るんだ 里帰りで3日間
一人きりの道中心配さ さてゆっくり眠ろう

腹も減ったもう起きよう 布団なんてたたまなくていい
パンツ一丁でうろつこう 新聞はそこらにばらまこう
買い出しに行こうコンビニに サラダなんて要らない
思い切り体に悪いもの ばっか並べて食べよう

明るいうちに出かけよう 馴染みの店でくだ巻こう♪

吾妻光良&The Swinging Boppersの
「嫁の里帰り」という曲の歌詞の一節です。

日常のユーモアやペーソスをゴキゲンなサウンドで包んで、クスッと笑いほろっとなる曲。

うっすら我が家に似ていて、聞くたび笑ってしまいます。


そして今。
歳を重ね、次第に心配は子供から、家人と自分の健康へ。
ざっくり無添加主義は、相変わらずです。
外で頂く食事も楽しみですし、お酒も甘味も。
特にお酒は弱くなりましたが、日々あれこれと楽しんで味わっています。
家で作るものに気を配っている一方で、
ヒステリックに除去し過ぎるのが良いとも限らない、というのも,暮らしの中の一つの気づきでもありました。

そうして外食等で色々なものをとる代わりに、排出をスムーズにできる状態を心がけるように。

特に朝は、排出のためには大切と捉えています。
レモン汁とリンゴ酢を入れた白湯をまずお腹に。
その後、青汁を飲んでから朝食に移ります。
糠漬けや豆乳ヨーグルトなどの植物性乳酸菌で、海藻やきのこ,豆などの食物繊維で、
腸内環境を整えるようにもなりました。


お酒を過ごした後など、特に気に入っているのはパクチーの力です。
カメムシ草なんて不名誉な別名もあるほどで、
独特の香りも風味も強いですから、
苦手な方も少なくないかもしれません。
そんな方には余計なお世話この上ないけれど、
我慢してでも食べると、
ご褒美がいっぱいなんです。

パクチーには、
野菜髄一!とも言えるデトックス効果やアンチエイジングの力があり、
さらににんにく、玉ねぎ、長ネギ、にらなどと合わせると、
知らず知らず蓄積した毒素や有害な金属を吸着して排出する働きも、グンと強くなるそう。

毒素を排出すれば、様々なからだの巡りも良くなり、それに伴って代謝も上がり、
細胞レベルで若返る(^ ^)などなど、
ほんとうに?と思うほどの効能がずらり。

大束でたくさん手に出来たときが、
色々使えるパクチーソースを仕立て、保存するには良い機会。

ココナッツオイルも合わせて
ついでに悪い脂などの老廃物や、生活習慣病の芽たちにも、
まとめて出ていって頂きましょう。

ソースに変わると見た目も香りもマイルドになり、
娘も嫌がらずにいけました。

*パクチーとココナッツオイルのソース レシピ

材料
パクチー4束、長ネギ1本、にんにく2片、アンチョビーフィレー2枚、ナンプラー小さじ1/2~1、胡椒少々、ココナッツオイル適量、好みでケイパー20粒、種抜きオリーブ4粒


作り方
1、パクチーと長ネギはざく切りして、皮をむいたにんにくとともにフードプロセッサーにかけ、アンチョビー、好みでケイパーやオリーブも加えてさらになめらかにする。

2、ここにココナッツオイルを少しずつ加えて、好みの固さに仕上げ、ナンプラーと胡椒で調味する。


パクチーがお安い時にぜひ。
どうしてもなければ、味は多少変わるけれど、
パセリでも効果は大きいです。
長ネギでなくても、玉ねぎでも、エシャロットでも、冷蔵庫にあるもので。
刻んだナッツも混ぜると良く合いますよ。


ココナッツオイルはバージンのものが良いそうで、
ほんのりと甘い香りがたまりません。
サラダにも、スープの香味にも
蒸し鶏や餃子にも、刺身にも。

角切りにした鯛と。

生ニラ醤油の気分で、秋からは鍋にも良さそうです。

鍋と言えば、例えば茹でただけの牛テールにも
このソースがぴたりとはまります。
そして食べ過ぎ、翌朝胃が重くなり…
あぁ、情けない。

わたしの場合、
デトックスしているそばから食べ過ぎる、
この不毛ないたちごっこをまず何とかすべきレベルではありますが、
それでも、何もしないで食べ過ぎるよりはずっといいと信じて…
次第に汗もかきにくくなる秋口からの
ひとさじずつのちょこちょこデトックスを続けてみるつもりです。

今はまだなんとなく身体が軽いな、という程度。
思いのほかパワフルなひとさじですから、
生のまま山盛りを頂くのとはまた違う
さまざまな効きめが楽しみです。


あっという間にもう11月に入りました。
まだまだ秋を満喫しきれていないのに、
もう冬の足音が聞こえて来そうです。
季節の変わりめというだけでなく、
体調を崩しやすい頃ですね。

毎回何かに加えているうちに
内側からすっきりとして、
寒い季節を乗り切れることを願っています。






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