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海の近くに暮らし、 殊に魚料理を愛するフードコーディネイター。 子育て卒業を機に、これ…

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海の近くに暮らし、 殊に魚料理を愛するフードコーディネイター。 子育て卒業を機に、これまでの自分の料理を見つめ直しつつ、作ること食べることの面白味を伝えたく鋭意投稿中。 フォローに❤️、心から感謝申し上げます。 URL: https://cucinette.com/

マガジン

  • 美味しいものたちとの出逢い

    美味しいレストランの逸品たち、市場で瑞々しく輝く食材、採れたての魚など、さまざまな美味しさとの邂逅について、忘れずに心にとどめるための備忘録です。

  • トロフィーなど評価頂いた記事

    note運営事務局から、トロフィーを頂いたもの、テーマの記事まとめに採用していただいたものなどの備忘録です。 たいへん励みになりました。ありがとうございます。

  • 「作家の手料理」を作る楽しみ

    野村麻里さん編「作家の手料理」。 尊敬してやまない幸田文さん、向田邦子さんをはじめとした料理に一家言お持ちの作家や随筆家の皆さんの大好きな一品を紹介した文章に触れることができます。 その一つ一つを、自分勝手に再現した料理。 楽しんでゆっくり続け、その先に見えてくる何かを楽しみにしています。

  • Flavors

    いつも馴染みの食材たちに、くだものやスパイス、ハーブ、薬味や自家製の調味料など、香りや風味をまとわせることで生まれる変化の可能性や面白味のこと。 忘れずに書きためていこうと思います。

  • 食べもののチカラ

    身体は食べたものでできている。 同じくらい心の栄養も、食べものには確かに存在している。 そんな思いから、元気をくれるたくさんの味方たちをご紹介したいと思いました。

最近の記事

蕗の小さなお寿司

茹でたての蕗の皮をむくのが、好きです。 中からあらわれる美しい緑色に出会えるのも、 今の季節ならでは。 蕗は皮ごと、鍋のサイズに合わせてカットし、塩を加えた湯を沸かした鍋へ。 茹でたてを水にとって、 少しずつむいた端っこの皮をいっぺんに持って下方向にすっとひくと、指先が黒くなることもなく つるりと簡単にむけます。 皮をむいた翡翠色の蕗を 鰹のだし汁と薄口しょうゆ、みりんで煮含め、 煮汁の中で冷ましておき… ひとつは蕗と小海老のちいさなお寿司に。 寿司めしに、斜め切りに

    • 『作家の手料理』より〜鮪とこんにゃくのりゅうきゅう

      小説や随筆、または詩歌を読みながら 背景となる場所に行きたくなるのと同じように、 話の中に時折登場する料理を、どうしても作ってみたくなる。 読む側のそんな気持ちを丁寧に掬い取ってくれるそんな本に出会いました。 目次を開くなり、この一冊を編纂されたライターの野村麻里さんの作家や作品選びの巧みさにまず心を掴まれ、順不同にあっちへ、こっちへ、とページを開きたくなります。 大好きな作家や脚本家、その生き方を尊敬してやまない随筆家、食通で名高かった著名人などが、たくさん選ばれていま

      • 大豆粉と米粉と、PERFECT DAYS。

        気づけば、歳を重ねた夫婦二人暮らしが始まってもう9ヶ月が過ぎようとしています。 朝起きて飲むもの、食べるものや 夜の食事に大切にしていること、 そんな日々のルーティンも次第に一つずつ定まってきました。 子供達の好みを気にしなくて良くなったぶん、 “二人の健康”がやおら立ち上がり、一番目につくところに鎮座しているよう😊 日々料理する中で、除去ではないものの距離を置くようになったものは、白砂糖、白米、そして小麦粉などいくつかあります。 グルテンなど遅延性アレルギーの自覚はな

        • チョコレートは、気持ちだけ🤏

          バレンタインウィークだった、今週。 ひと頃、夥しい数の友チョコや彼への贈り物などを作るべく、娘やその友人と共に毎年毎年チョコレートまみれで過ごしていた、狂騒曲のような日々がありました。 娘も昨年初夏に独立し、 すっかり静かになった2月を 懐かしさを胸にのどかに過ごしていたところ 件の娘がギリギリになって仕事帰りにうちに立ち寄り、アセアセとチョコレート作りを始めたのです。 その背中を見ていたら何だか翌日の仕事が大丈夫か気になり、ついつい加勢。 やはり、並んでともに作るのは

        蕗の小さなお寿司

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        • 美味しいものたちとの出逢い
          28本
        • トロフィーなど評価頂いた記事
          72本
        • 「作家の手料理」を作る楽しみ
          1本
        • Flavors
          57本
        • 食べもののチカラ
          61本
        • おいしさを開く鍵
          25本

        記事

          海老芋のあったか治部煮

          先日、母と娘を伴って関西に向かいました。 神戸の施設にいる叔母〜母の姉〜が、昨年末の電話で会いたいと言ってくれたのが母の背中を押す形になり、連れて行くことに。 ふたりは父の葬儀以来、コロナもあってなんと10年ぶりの再会でした。 歳を重ねても、何年離れていても、 きょうだいというのは、何とも言い難い格別の絆が在るもの。 二人の背中を見ながらしみじみと感じ、 束の間のあたたかい時を過ごしました。 また連れて行かねばと思います。 その後は、たった1日の京都弾丸ツアーとなりまし

          海老芋のあったか治部煮

          年明けに〜きもちアジアなコブサラダ

          あけましておめでとうございます。 …とはいえもう仕事始めを過ぎてしまい、 鏡開きも終え、遅めのご挨拶になりました。 元旦の夕方、おそらく多くの方が家族や親しい人と和やかな時を過ごしているなか、 北陸では、実に激しい地震が何度も起き、 痛ましい事態の年明けになってしまいました。 暖かい部屋で食べたいものを食べ、休みを楽しんでいた自分のいろいろを投稿して何になるのだろう、嫌な思いをされる方もいるのでは、と、 noteに向かうことがはばかられていました。 そんな中、フォローく

          年明けに〜きもちアジアなコブサラダ

          年末の、頼れる味方。

          空晴れ渡り、例年よりは暖かい中にも、 やはりぴりりと寒い年末の早朝。 買い物客で賑わう市場から戻ってきました。 お正月には、刺身のさくや、大きいブロックの肉などを扱うことも多いと思いますが、 いつも助けられている強い味方が、「ピチット」という脱水シートです。 業務用の調理道具店には常に置いてあり、ネットでも買えますが、 最近、たまたま寄った近所の釣具屋で取り扱っているのを知り、大喜びしてしまいました。 確かに、大漁の時にも季節問わずに冷蔵庫で干せるというのは、釣り人にはあ

          年末の、頼れる味方。

          フィグログと待つ、クリスマス

          ググン、と寒さが押し寄せてきました。 今年のイブは、久しぶりの週末。 サンタさんの来訪を子供たちと楽しみに待っていた頃も、 そのうち来なくなってからも、 そして、子供たちが独り立ちした今も 寒い冬を彩るクリスマスは、特別に思えます。 SNSでも街角でも それぞれの過ごし方が垣間見られて、 心がほっと温まる頃。 素敵なレストランに行かれたり、 おうちでゆったり過ごされたり、 仲間と賑やかに食卓を囲んだり、 音楽や映像の投稿でクリスマス気分を盛り上げていらしたり、 また仕

          フィグログと待つ、クリスマス

          冬のくだものとチョコレート

          あれよあれよという間に12月に入り、 真冬の寒さが身にしみる日もあまりないまま、 いつしか街はすっかりクリスマス色に。 気忙しいけれど、楽しくて。 来年に思い馳せつつ、今年に追い立てられて。 そんな季節になりました。 寒くなると、決まってチョコレートが恋しくなる私。 以前訪ねたメキシコのかご展で頂いた、 このスパイシーなホットチョコレートのバー。 夜中に気になってしまうと、もう眠れません。 チョコレートがしばしば「悪魔の囁き」と称される理由に、しみじみ気づく夜更けです

          冬のくだものとチョコレート

          晩秋ルッコラのピュレ

          一向に寒くならない今年の11月ですが、 雨上がりの朝ならではの、 一面、雨風で散った落ち葉の絨毯。 あたたかい色合いの妙が、 晩秋の風情そのもので、 急ぎ足が はたと止まってしまいました。 春と秋、どちらも短いのが惜しまれますが、 それでも、桜よりは紅葉の方が 少しだけ長く楽しめて嬉しいのです。 そんな晩秋の今週末、 農家の直売所で見かけたルッコラは 日頃目にするハウス栽培のパック入りの、 二倍以上の大きさでした。 さわやかな苦味や、サラダ向きだということで 夏のイメー

          晩秋ルッコラのピュレ

          残り野菜でいちょうのお寿司

          秋が来た、と言い切れない日が続いていたけれど、 気づけば銀杏並木は色付きはじめ、 ところによってはまるで黄色い炎が立ちのぼるように美しい眺めを楽しませてくれるようになりました。 落葉樹は自分の身を守るために葉を落としてしまうけれど、 その、いらなくなったはずの葉が こんなにも美しいのは、どうしてなんでしょうね。 さて、今夜のごはん作りです。 仕事で煮物用の切れ端野菜ばかりが余ることが多いので、 同じく白和え用で残った厚揚げの皮とこの野菜を 干ししいたけの出汁と醤油みりんで

          残り野菜でいちょうのお寿司

          ふた色のとろとろ煮豚

          長い豚ばら肉のブロックを縛り、煮込みました。 ブロックは長さを半分に分けて ひとつは、いつもの煮豚と煮卵に。 もうひとつは、 今年の暑さで大きく育ったボックセージの葉を芯にして巻き、 玉ねぎも丸ごと一緒に煮込んで、ワインのソースで頂きました。 何てことない流れですが、さっくりと流れを書いてみます。 切り分けた豚肉はラップフィルムで挟んで、 麺棒などでたたきのばします。 塩胡椒、ニンニクおろしまたはガーリックパウダーを振ってしばらく置き、 たこ糸できつく縛ります。 ゆ

          ふた色のとろとろ煮豚

          玄米ご飯の気楽なパエリア

          今日の昼食に、 冷やご飯でフライパンパエリア🥘を作りました。 生米からじっくり炊くのが醍醐味ですが、 玄米入り冷やご飯で、歯応えも生米から炊いてる風、の炊き上がりになっています😅 もちろん、白いごはんでも。オール玄米ならさらに良し、です。 これは、ステイホームの頃からよく炊き始めたものです。 サフランもあまり身近でないので、 香りの似ているオレンジジュースをスープに加え、 色はカレー粉とケチャップに頑張ってもらいました。 できるだけ身近にあるものを使い、 その分、海老はぜ

          玄米ご飯の気楽なパエリア

          生落花生と誕生日

          秋生まれのわたし。 今年の誕生日で、 いよいよというか、ついにというか、 第二の人生の始まりともいうべき、還暦を迎えることになりました。  還暦は厄年でもあると聞きますが、  まだ歳をとる前だというのに ここのところなんだかついていない私。 一つ一つはそれほど大きくないけれど、 あまりに重なるのでいささか凹んでいます。  思えば昨年も、せっかくの誕生日前に胃を壊し、お祝いの美味しいものもお預けになったり。 昔は、試験がダメでも失恋しても、なにがあろうと時分どきになれば必

          生落花生と誕生日

          栗とアーモンドミルクの秋プリン

          朝の空を見上げれば、巨大な雲は小さく千切れ、 すっきりとした秋晴れ。 報道に翻弄され、右往左往していた数日が嘘のようです。 引っ越し先の居住まいにまだ不慣れなうえに、 こんなに海の近くで台風襲来をただ待つ心地に なかなか落ち着いていられず、 ちょうど買っていた初物の栗1キロの袋を湯につけてしまいました。 こうならばもう、あとへは引けなくなり、 ただただ栗と向き合う時間の始まり。 柔らかくなった栗の鬼皮を、小さな包丁で一つ一つ剥きます。 お尻の方に、渋皮を傷つけないよう注意

          栗とアーモンドミルクの秋プリン

          ミントと蛸の生春巻き、そして夏の断捨離へ。

          家の改装に伴って、 9月から約3ヶ月のあいだ 少し自宅から離れた海沿いに 老犬と夫婦ふたりで住まうことになりました。 自宅のミントたちともしばしのお別れ。 この夏は、特に世話になったハーブでした。 仮住まいの家の近くには地ダコの直売所もあり、 遠さを嘆くより、せっかくなら楽しんで暮らしてみようと思っています。 魚屋さんでおすすめだった江戸前のたこに 刻んだミントを和え、 レモンや酢で軽くしめたものを、 きゅうり、ラディッシュ、にんじんなどの千切り野菜と合わせて生春巻きに

          ミントと蛸の生春巻き、そして夏の断捨離へ。