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いつも馴染みの食材たちに、くだものやスパイス、ハーブ、薬味や自家製の調味料など、香りや風味をまとわせることで生まれる変化の可能性や面白味のこと。 忘れずに書きためていこうと思います。
note運営事務局から、トロフィーを頂いたもの、テーマの記事まとめに採用していただいたものなどの備忘録です。 たいへん励みになりました。ありがとうございます。
身体は食べたものでできている。 同じくらい心の栄養も、食べものには確かに存在している。 そんな思いから、元気をくれるたくさんの味方たちをご紹介したいと思いました。
美味しいレストランの逸品たち、市場で瑞々しく輝く食材、採れたての魚など、さまざまな美味しさとの邂逅について、忘れずに心にとどめるための備忘録です。
数多くの失敗があるから今があり、これからも重ねていくでしょう。いわば宝物のような失敗の数々を書き留めたものです。
春のお彼岸の法要が延期になり、 久々に、小さな旅に行くことになりました。 国内旅行で、数時間で着く場所ですが、 仕事でも帰省でもない、旅らしい旅はもう5〜6年行っていないようで 思えばずいぶん長く、旅から離れた日常が続いていたようです。 せっかくの機会、 初めて着物だけで過ごしてみることにしました。 荷物が思いのほか少ないので、着物をもう一枚増やしたほどです。 紐に下着に、と小物の全てを身につけているせいかもしれません。 そう言えば、 行き先が近くても遠くても、 いざ家を
自宅からウォーキングに程良い距離の場所に、 ある臨済宗の禅寺があります。 土曜の早朝のたびに早朝座禅の会が開かれていて 5時半に目覚ましをかけ、 眠る家族を置いてそっと一人で出掛けていた頃がありました。 禅寺に何故こんなに来たかったのか、には いろいろな理由があって、 気持ちが些か弱っていたことも 確かにあったのだと思います。 今は感染リスクなど諸事情あり、開催されていないので残念ですが、 思い返せば、始めたのはちょうど今くらいの季節でした。 最近の物忘れの勢いは激し
随分と暖かい日が増えました。 纏う衣が薄く、少なくなるごとに、 面白いように心も軽やかになっていきます。 この間お正月を迎えたと思ったら、もうじきお彼岸なのだと、 和菓子屋さんのおいしそうなぼたもちでやっと気がつくわたし。 食いしん坊にもほどがあるよ、と半ば呆れつつ… 近所のご住職に 「お墓参りにいけなかったら、遠くからでも手を合わせて思い出すといいんですよ」 と教えてもらったことを思い出しました。 ぼたもちではないけれど 昨日の仕事先のすぐそばに、 群林堂という豆大
友から高知の露地物、土佐文旦が到来! 皮も柔らかく、プリッとした果実の味わいも濃くて、心身に染み渡る栄養。 まずはそのままで。 そして実をむいて、 アスパラとトマト、水菜にチーズのサラダに。 あまりに立派な果肉なので、 きび砂糖をまぶしてココナツオイルでさっと焼いてみると、 なんでもないけれどあったかくて、 癖になる味わいになりました。 炒めてバラバラにほぐれた果肉とむいた薄皮は、スペアリブとともに煮ました。 醤油や味醂ともよく合います。 肉のこってり感を、柑橘の爽やか
ものすご~くおいしい苺を、頂いちゃいました。 村田さん家のいちご。 ユーモラスなロゴの箱も、どことなく昭和を感じる愛らしいものです。 まずはそのまま、へたを持ってパクリと頂きました。 ルビィ色の大きなとちおとめは、 甘いだけでなく、食べごたえ抜群。 娘は目を1.5倍くらい見開いて、 一粒ごとに食べては大騒ぎし、 立て続けに大きな粒を 4個もいってしまいました。 このいちごは、煮たり干したり、なんて もったいなくてできません。 なにか、そのままをおいしく頂ける術を探し
朝、出掛けに立ち寄ったファミリーマートで。 タリラリララ~ン♪タリラリラン♪の音を背に店に入ると… なぜかふわん、と でも確かに、桜の匂いがするのでした。 そこはやたらと広い駐車場の奥にある店。 辺りには桜どころか、なんの木も見当たりません。 前の日の夕方あたりから降り出した真冬の寒雨に、 なかなか衰えを見せない朝晩の厳しい寒さも手伝って、 その 春そのものの香りが どうやら無性に、嬉しくなり… ついそこにいた店員のお兄さんに 「桜餅とか、おいてるんですか?お店、す
一昨日のぽかぽかはどこへやら。 明るいうちから絶えず寒かった昨日今日。 まだまだ居座る気満々の冬と、 新参者の春が共存しているようです。 着物で出かけたため、 首筋にひゅるる、と刺すような冷たい風を受け、 背中丸めて縮こまりながら、家路につきました。 ありがたいことに、 せっかくここまで風邪知らずのうちの今冬。 あと少し 揺るぎないポカポカ陽気がやって来る日まで 元気で乗りきれますように。 それには朝ごはんがやっぱり大事な気がして、 何となくやめられないルーティーンがあ
有機レモンで久しぶりに作り、 前回投稿のパンケーキにも添えたレモンカードの話を。 私にとっては、作るたびに若い頃の心持ちが甦ってくる、大切なものです。 大学3年の春休みに 心配する父に反対されながらも、アルバイト代を貯めてイギリスに語学研修に行ったのですが、 なぜか頭に刻まれていくのは英会話よりも食べ物ばかり。 このレモンカードもその一つでした。 初めて口にした時の高揚感は、いまだに忘れられません。 レモンのバターのようにさわやかで甘く、 口当たりは至極なめらか、 生ま
いつものめまぐるしさが嘘のように、 誰も起きてくる気配のない休日の朝。 やにわに嬉しくなって、 自分だけのパンケーキを焼きたくなることがあります。 最近痩せると評判のオートミール。 自身にはまるで効果なしですが、 うちにあると心強いものの一つです。 スープに入れても、ドライフルーツやナッツといっしょにグラノーラにしても、クッキーに入れても、風味が深まって良いけれど、 一番好きなのは、パンケーキに混ぜること。 たっぷり入れて香ばしく焼きます。 *オートミール入りのパンケ
高知、四万十川から届いた、 早春のすじ青海苔。 河口から少し上った、海水と綺麗な淡水が混ざり合ったところで採られ、丁寧に天日干しされたものです。 色も美しいけれど、 香りはさらに素晴らしく、 袋を開けて何度もクンクンしたくなりました。 さっと乾煎りしたすじ青海苔とピザ生地を混ぜて、 ゼッポリーネという小さな揚げパンを作りました。 ここ最近、イタリアンのバルなどでも見かけることが増え、お馴染みになってきた一品。 イタリアではあまり海藻料理はないけれど、これは特別で 磯の香り
ピリピリとした寒さで、からだの芯まで冷える夜。 とろ〜りとろけた柔らかい湯豆腐を愉しみました。 嬉野温泉の本物の湯豆腐にはかなわないけれど、 それに近い味わいをうちで再現します。 ラクチンなので、 お疲れの時などにぜひ(^▽^;) 豆腐の角が鍋の中にとろけてゆき、次第にとろんとした仕上がりに。 鍋に振りかけた重曹のアルカリ性で水が柔らかくなり、豆腐のタンパク質を少しずつ分解していく仕組みです。 始めは水に豆腐、好みでささみや鱈などを入れて、 鰹節を入れたポン酢の器とと
天気の良し悪しや自然現象のありようで、 ひとの心は大きく揺らぐものだそうで。 アメリカのあたたかい地域に住む友人のところに、イギリス在住の親戚の方が、 冬の間長く逗留されていると聞きました。 寒くて曇りや雨ばかりのイギリスでは、 天気のせいで実際に鬱になってしまう人がたくさんいるそう。 あちこちで明るい方へ、元気な方へ、力強い方へと向かう春。 毎日良いことばかりじゃないとしても、 ずっと俯いているのは勿体無いよ、 と前に向かせてくれるような季節です。 人間は、どの季節も楽
最強寒波の報道が各地に物凄い大雪を降らせ、 道路網も麻痺しているようです。 物流が止まってしまう地域もあるそう。 近所でも、出先でも、 会う人会う人と、「寒いですねぇ」と声をかけあう一日でしたが、 陽射しや空気の匂いだけは春遠からじ、 と言いたくなる感が確かにあります。 風邪をひかないように、 今夜はあったかメニューを作りました。 八つ頭のおでん。 八つ頭は、里芋の仲間。 親芋の周りに、小芋がくっついて一体化しています。 その小芋が、八個の頭のように見えるので 八つ頭
(…どなたかの演説みたいですが。) ちらちらと降る雪の夜から、凍てつく朝へ。 冬のなかでも、いまが一番寒い頃。 しかも今年の寒波は十年ぶり、厳しさ半端ない、などの噂で持ちきりです。 積雪や、その後の凍結に慣れていないこちらの地域では、靴選びから緊張します。 いっぱい着て、ぐるぐる巻いて、 少しでも暖かくして出かけましょう。 先日、友人から聞いた話を。 寒い季節の影響もあり、なんとなく気分がすぐれない日々だったそうで、 自信もなく、集中できない、それに更年期も気になる
明日は二十四節気のなかの、大寒。 暦の上で言えば、一年で一番寒い日です。 朝のあまりの寒さに 初めて手袋を履いて出かけ、 買い物に寄ることもなく、直帰。 仕事で残ったチーズとじゃがいもで、 ぽかぽかあったまるものを作りました。 そう言えば、 大寒の頃に生まれた卵が金運や健康運を連れてくる、というお話を聞いたことがあるのです。 昔は今のように養鶏技術が高くなかったので、 寒い冬はなかなかたくさん産卵されなかった分、栄養価も高かったそう。 そんな寒い冬を耐え抜いて生まれたと
2023年はじめの朝から、あっという間にもう半月が経ちました。 寒さ厳しいところと、そうでもないところの差がかなり激しい年明けになっています。 我が家の正月は、少々波乱含みでした。 元旦早々、家族が階段を踏み外したり、 初詣で頂いてきたお札をしまっているフレームのガラスを、私の不注意で割ってしまったりして… 幸いにも怪我は大事なく、自身の粗忽も相変わらずともいえますが、 なんとも言えぬ不安な思いを抱いていたときに ふともらえる優しさや思いやりは、 より深く強い有り難さで心に