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#エッセイ

きれいなひとみ

きれいなひとみ

「いつまで寝てるの〜!」
2020年7月25日、4連休中の昼下がり。ソファの上に、肩をゆすっても地蔵さながらびくともしない夫がいた。

すやすやと眠り続ける様子はまるで眠り姫のようで、潔くすらある。登山やキャンプを愛するアウトドア派の夫にとって、外出自粛はかなりこたえるのだ。生気を吸いとられてしまったらしい。わたしまで呼応して、死んだ魚の目になっちゃいそう。

しかし、夏の部屋はいい。風に揺れるカ

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書いて、書いて、書きまくれ! 文章を書きたい欲が湧き出る映画&マンガ作品たち

書いて、書いて、書きまくれ! 文章を書きたい欲が湧き出る映画&マンガ作品たち

そういえば昔、キッズラインの経沢さんと一緒にトークイベントに登壇したとき「モチベーションを上げるにはどうしていますか?」という参加者からの質問に、「モチベーションがないと頑張れないというのは贅沢病では?」とスパっと返されていたことをたまに思い出す。やるんだからやる。モチベーションがないと頑張れないなんてセレブじゃないんだから、と笑い話で終わっていたが、あの言葉を思い出してはどきっとする。私は仕事に

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幡野さんの『写真集』を買った。

幡野さんの『写真集』を買った。

ほぼ日から3月1日に発行された写真家 • 幡野広志さんの写真集『写真集』を買った。

わたしは『写真集』を味わい、ほぼ日刊イトイ新聞に掲載されている糸井重里さんと幡野さんの対談のまだ読めていなかったぶんを一気読みした。そして、あまりにも感じることがたくさんあり、とてもじゃないが整理しきれないまま、いま書いている。

このお二人のことばは、本当に不思議だ。柔らかいのに鋭くて、「そっかそういうことなの

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毎日、目にする景色

毎日、目にする景色

ずうっと背景に山があった。

2泊3日の宇和島出張中の話だ。車で移動していても、ほぼいつでも360度、ぐるりと山が背景にあった。

例外はみかん農家さんの畑(つまり山そのもの)に登らせてもらっているときで、そのときは上の方へ行くとぱあっと視界が開け、美しい海が広がった。背景は、青い空と青い海だけになった。それもすばらしかった。

だから山が背景にないのは山にいるときくらいで、それ以外のときはずうっ

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noteのネタに困ったら読むnote

最近、いろんな人から「note続けたい気持ちはあるけどネタがないんだ!」という話を聞くようになりました。

たしかに・・・!

私自身も、書き始めてから1、2ヶ月のあいだが一番苦しかった記憶があります(私の場合、過去の日記を引っ張ってくるというチートもやらかしてました。せこいな、おい)。

偉そうに何か言えるような立場ではありませんが、「毎日note仲間になろうよ~~」とけしかけている身でもあるの

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育児とビールと雨の街

育児とビールと雨の街

先週の金曜日、ひさしぶりにやけ酒というものをした。

ふたりで乾杯しよう。そう言って買った冷蔵庫のプレミアムビールは、こんなふうに飲まれるはずじゃなかった。

* * *

その日はそもそも、ベースとなるコンディションが悪かった。

前週に続いてその週も夫は出張で、祝日だった月曜日の早朝から金曜日の夜中まで、まるっといなかった。

一度だけ、娘のいる時間にビデオ電話をつないだけれど、初日以外はこち

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「はじめまして」でも笑顔を引き出す、カップル撮影の魔法のことば

「はじめまして」でも笑顔を引き出す、カップル撮影の魔法のことば

ここ数か月ほど、週末カメラマンとしてカップルや家族を撮影しています。

ありがたいことに、私の撮った写真を見て「いい笑顔を撮ってる」という感想をいただくことが増えてきました。

笑顔を引き出す・・・というと、どんなことを想像しますか?

私はずっと、陽気で人好きでおしゃべり上手な人のことを想像していました。

noteにはちょくちょく書いてますが、私は話すのが得意なタイプではありません。気の利いた

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復職のことを考えると、どうにもモヤモヤが止まらないのだよ

復職のことを考えると、どうにもモヤモヤが止まらないのだよ

!今日のnoteは巻き込みモヤモヤを発生する可能性があります、ご注意ください!

昨日、久しぶりに職場である病院に行った。
娘の4月からの保育所の入所が無事に決まり、復職に向けて上司と面談をするためだ。

面談と行ってもそんなに堅苦しいものではなく、現在の家族の状況と、いつから、どのように働くかと、希望部署を伝えるための簡単なものだ。事務的な手続きも含めて、30分くらいであっという間に済んだ。

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その文章は正直か

その文章は正直か

作品づくりにおいてはいつも「真実は何か」を探っていくのだと、過去にテレビで宇多田ヒカルが言っていた。

そのドキュメンタリーでは、彼女が曲をつくる現場を密着取材していて、はじめて見るその制作風景はとても地道であった。

素人目線ではすでに完成度の高い曲ができあがっている、と感じるその段階からも、わずかな音の流れやリズムの入れ方、歌詞の一言一句を、いくどもいくども試行錯誤して、リミットぎりぎりまで苦

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自虐が人生の癖になっている人に提案したい、「ストーリーにならない生き方」

自虐が人生の癖になっている人に提案したい、「ストーリーにならない生き方」

「私、モテないし、」と彼女はいう。「大学の時もぼっちだったし、本当に男受け悪いんですよー」。眉毛を下げてちょっと困ったような微笑み、髪を指に巻き付けながら上目使いにギラりチラリとこちらを見つめる。

彼女の自虐はいつものパターンだった。見た目はとってもかわいらしく、服装も流行に乗ったオシャレなものだ。爪はいつも薄ピンクに染められ、角にはちょこんとラインストーンまであしらわれている。手先まで手抜かり

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出会えるひとの数にはかぎりがあるから

出会えるひとの数にはかぎりがあるから

わたしは千葉の片田舎生まれで、東京のマンモス大学に通い、東京の会社に就職した。そのあと1年半ほどは海外をふらついていたけれど、帰国後はまた東京や神奈川を拠点に生活していた。

つまり学生時代の友人や、仕事上の知り合いは圧倒的に関東がベースである。福岡には3年前に越してきて、まだまだ日が浅い。

だから実は、note酒場へ行くというときにちょっとだけ、思ったのだ。もしかしたら会場で、顔をみてお互いに

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note酒場はぽわぽわを連れて

note酒場はぽわぽわを連れて

当日の朝、姉から「浮かれて薄着で行かないようにね!上着とか忘れてこないでね!」とLINEがあった。
妹からも「がんばれ~!」と叫んでいるスタンプが届いた。
夫は早朝に出勤して、私が出発する7時半に帰宅してくれた。
子どもたちが夫と駅まで送ってくれた。
私の大冒険はみんなを巻き込んだ、なんだか少し大げさなスタートだった。

少し前にも書いたけれど、私が一人で泊りがけの遠出(地方在住です)をするのは長

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こころの雨

こころの雨

このところのお天気と同じように、ここ最近こころの中がどんよりとしている。
水分をたっぷりとしたためた雲は、いつでも降り出さんとばかりにそこにあって、何かのきっかけで直ぐに雨を降らす。

そして水を貯めた池が、あっという間に決壊を起こす。

 ✳ ✳ ✳ ✳ ✳ ✳ ✳

以前、ぽこねんさんが書かれていたこの記事を思い出して読み返してみたら、もう本当にそのまますっぽりと当てはまっていた。

そもそも

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