マガジンのカバー画像

#ライティングのコツ

31
現役コピーライターも実践している「わかりやすい文章の書き方」に関する記事をまとめました。
運営しているクリエイター

#ライティングのコツ

あなたの説明がつまらないのは、説明しているから

あなたの説明がつまらないのは、説明しているから

コピーライターとして仕事をしていると、自分が書いたコピーにいろいろとフィードバックをもらいます。一番ショックを受けるのは「説明になっちゃってる」と言われること。

説明ーー。

手元にある学研の小学国語辞典では「ことがらの意味や中身がわかるようにして示すこと。」という意味。一見、いいように思えるのに。正しいように思えるのに。世の中には説明責任なんていう言葉があって、説明さえおぼつかないエラい人もた

もっとみる
昔からあるものに名前をつけ直す「レトロニム」を知っていますか?

昔からあるものに名前をつけ直す「レトロニム」を知っていますか?

みなさんは「レトロニム」を知っていますか? 新しい薬の名前? メトロノーム? いえいえ。

「レトロニム」は「再命名化」という意味です。例えば、電話。携帯電話が登場して、家庭にひく電話を「固定電話」と呼ぶようになりました。あるいは、本。電子書籍の登場で、単に本と呼ばれていた印刷物は「紙の本」として区別されるように。

あるもの・ことに新星が現れ市民権を得ることによって、それまでのもの・ことを再び名

もっとみる
新人コピーライター、オリエンに必要な「キャッチボール」を学ぶ

新人コピーライター、オリエンに必要な「キャッチボール」を学ぶ

私の会社では、イラストを描くことが好きなデザイナーが集まって「あどぶ いらすとぶ」として制作活動をしています。
仕事ではないので、それぞれの個性が色濃く表れていて素敵なんです。ぜひ覗いてみてください!

そんな「あどぶ いらすとぶ」、今年3周年を迎えました。めでたき3周年、社内で記念展示を行うことになり、展示ポスターのコピー制作をしました。
"新人コピーライター、初めてボディコピーの仕事をした話"

もっとみる
広告の「!」はウザいのに、仕事だとよく使ってしまう不思議

広告の「!」はウザいのに、仕事だとよく使ってしまう不思議

コピーライターとして広告に使う言葉を考えていると、「!」を書く場面があります。そう、びっくりマーク。これは俗称で、正式には「感嘆符」や「エクスクラメーションマーク(exclamation mark)」と言います。

ドラッグストアの店頭POPやWebサイト、ポスターやチラシなどさまざまなところで使われています。

お客さんに振り向いてほしい、気づいてほしい、そんな気持ちが込められている広告の「!」

もっとみる
「写真撮影はご遠慮ください」は写真撮影OKなのかNGなのか

「写真撮影はご遠慮ください」は写真撮影OKなのかNGなのか

タイトルを見て「え?」と思った人もいると思います。

「写真撮影はご遠慮ください」というこの言葉、ふつうに考えれば写真撮影はNG、ダメという意味ですよね。

しかし、少し前にTwitterでこの言葉をめぐって議論が起こりました。

きっかけはある人が「写真撮影はご遠慮ください」について、「できればしないでくれたらありがたいの意味で絶対だめだとは思っていなかった」と告白したこと。具体的には、「たくさ

もっとみる
デジタル全盛期だけど、結局は「手書き」が言葉を鍛えてくれる

デジタル全盛期だけど、結局は「手書き」が言葉を鍛えてくれる

みなさんは言葉や文章を考えるとき、手書き派ですか?デジタル派ですか?

コピーライターの私は手書き派です。周りのコピーライターを見ても、手書き派しかいません。

正確に言うと、コピー作業の前半は手書きで、後半はパワポやワードを使います。

noteも同様で、記事を書き始める前に、どんな記事を書くか紙の上でアイデアを膨らませ、それが固まったらnoteのサービスに移行して文字を打ち始めます。

not

もっとみる
Yahoo!ニュースを読んだ感想は、なぜ「いいね」ではいけないのか

Yahoo!ニュースを読んだ感想は、なぜ「いいね」ではいけないのか

少し前から、Yahoo!ニュースで配信される記事にはこんな表示が出るようになりました。

記事を読んでどうだったか?という感想を選んで押せる「記事リアクションボタン」です。

みなさんはこのボタン、押したことありますか?

わたしは押したことがあるのですが、実はそのときちょっと引っかかったんですよね…。

「学びがある」「わかりやすい」「新しい視点」という言葉に、です。

なぜ、「いいね」のような

もっとみる
「我慢」すると、言葉は強くなる。

「我慢」すると、言葉は強くなる。

わたしはコピーライターです。コピーライターは、商品やサービスを宣伝するための言葉(コピー)をつくることが仕事。

しかも、単なる言葉ではなく、「いい」つまり魅力的なコピーをつくらないといけません。

そこでみなさんに質問なのですが、いい言葉をつくる、いいコピーを書くために一番大事なことはなんだと思いますか?

センス? 読書量? 体力? 経験?

どれも重要ではありますが、一番大事なのは「我慢」で

もっとみる
人を振り向かせる言葉とは、「魅力的な情報」である

人を振り向かせる言葉とは、「魅力的な情報」である

突然ですが、この封筒、どのくらいの大きさだと思いますか?

わたしの会社のデザイナーがデザインした封筒です。すてきですよね。

さて、大きさはどのくらいでしょう? ヒントは「封筒」で「わたしの会社でよく使うサイズ」ということ。

みなさんは正直いま、困惑していると思います。いきなりクイズ? いったい何が言いたいんだろう…と。

いちばんの問題は、「わたしの会社でよく使うサイズ」という説明。まったく

もっとみる
文章術で一番大事なのは、やっぱりシンプルに書くことだった

文章術で一番大事なのは、やっぱりシンプルに書くことだった

「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。という本をご存知でしょうか?

内容は、文章術の名著100冊のポイントを1冊にまとめたもの。ありそうでなかった文章術のまとめ本です。

文章のノウハウ本が溢れる中、どれを読んだらいいか迷っている初心者や、色々読みたいけど時間がないという人に持ってこいです。

掲載されているノウハウは全部で40あり、文章を書くにあたって大事な順ランキン

もっとみる
「ふつうじゃない視点」が、面白さにつながる

「ふつうじゃない視点」が、面白さにつながる

先日、脚本家の三谷幸喜さんがテレビで話した「読書感想文の書き方」が話題になりました。

三谷さんはそこで、『桃太郎』について読書感想文を書くなら、と例を挙げてこんなことを言っています。

太字にした部分、ネガティブ思考で面白いな〜と思いながら、わたしはドキッとしたんです。

三谷幸喜は、桃太郎の視点じゃなくて「おじいさんとおばあさんの視点」で話してる!

おじいさんとおばあさんの視点から見る『桃太

もっとみる
コピペをやめると、文章力がアップする

コピペをやめると、文章力がアップする

スキが170越え…これは勉強になりそう!とスキ数にひかれて、「プロの記者と編集者から学ぶ “伝わる”取材&ライティング講座」というイベントをアーカイブで視聴しました。

ゲストは赤石晋一郎さん(ジャーナリスト・文藝春秋の元記者)と、村井弦さん(文藝春秋の雑誌編集者・週刊文春電子版コンテンツディレクター)。

社内外に向けて日常的に文章を書く広報や人事といった職種の人にはもちろん、Webライターやコ

もっとみる
文章も「見た目」が大事である

文章も「見た目」が大事である

読みやすい文章を書くうえで、大事な心得の一つ。

それは「文章も見た目が大事」ということ。

文章の読みやすさには、2つの種類があります。

・文章自体の読みやすさ(質や中身にかかわる)
・ぱっと見の読みやすさ(見た目にかかわる)

今回は後者に焦点を当てて、文章の見た目をどうすれば良くできるのか?解説したいと思います。

読む前に、見られている文章を読む前に、私たちは文章の全体を目で見ています。

もっとみる
コピーライターが気になる半角カッコと全角カッコの話

コピーライターが気になる半角カッコと全角カッコの話

つい、先日のこと。わたしはデザイナーからリーフレットの文字チェックつまり校正作業を頼まれたんです。

その際、次のような指摘を入れました。

夜、パートナーと一緒にご飯を作りながらこのカッコのことを話したところ、予想もしていなかった返事をされたのです。

「全角なんて絶対使わない」

わたしは包丁を持ったまま、絶句しました。

全角を使わないエンジニアと、全角も使うコピーライターパートナーはIT企

もっとみる