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食の不安&こじらせ解消編~キケン情報バスターズ~

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ちまたに溢れる“食の情報”。みな閲覧数稼ぎたいがために、流行りのコトバで大袈裟に専門家のようにアブナイキケンと好き勝手なことを言います。さも本当かのように誇張されたチープで根拠レ…
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#コラム

病院食の実感【八百屋から見た“食”no.53】

病院食の実感【八百屋から見た“食”no.53】

持病の手術で4日ほど入院しました。術後2日目に退院。
ぱっと見は健康体。歩行速度がネジ巻のおもちゃ並みです。
ぼちぼち営業再開への準備をはじめます。
(スタッフ皆のチカラをいつも以上に借ります!頼りにしてます!)

病院食というと味も素っ気もない代表みたいに評されることもありますが、
可能な限り味がつき、惣菜も毎食工夫されています。ゆっくり美味しくいただきました。

病院食の特徴は以下6項目にあり

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農薬不使用の栽培/食材普及を政策に嵌め込むのは無理筋【八百屋から見た“食”no.51】

農薬不使用の栽培/食材普及を政策に嵌め込むのは無理筋【八百屋から見た“食”no.51】

農薬を使わない栽培の最もプラスな点は【味が素直(≒品種・農地の特性・肥培管理に対して正直)】なこと。これ以外ないと言っていいです。

慣行農法との比較を各種記事で見かけますが、環境負荷面で優位かと言われると微妙です。病害虫を物理的に避ける際に使う農業資材は(トンネル・マルチ・ビニールハウスetc.)一緒。燃料も石油資材も使います。農薬に頼れない分、農業資材を慣行農法より多く使う場面もあり、大差ない

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買い物と多様性【八百屋から見た“食”no.1】

買い物と多様性【八百屋から見た“食”no.1】

いつからか出てきた多様性というワード。
「多様性こそ大切」と言われてしばらく経ついっぽう、
興味の細分化(分散)と情報化社会が相まって
【共通認識(基礎知識≒一般常識)の低下】を招いている
「多様性は大切」と朧気には皆思いつつ「分断」が進んでいて、
極論の両岸から主張し合っている・相容れない状況が進んでいるように思えるのです。

日本史・戦国史・幕末に詳しい・詳しくない
海外居住・現地事情・外交に

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八百屋からみた“食” ー序章ー

八百屋からみた“食” ー序章ー

こんにちは。noteで出会えたこと、嬉しいです。
対面販売・小売り、学生時代からずっとやってます。
いつのまにか八百屋になってそろそろ20年。独立して10年以上経ちます。

「食」の対象は広いです。とてもとても広いです。
職業柄、青果・農産物に限定しても「原料生産・食品製造全体・世界の政治経済情勢・気候変動・農法(生産技術)・流通(輸送貯蔵技術)・市場出荷/非市場出荷・法律・栄養・ブーム・外食産業

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都合のよいSDGs【八百屋から見た“食”no.4】

都合のよいSDGs【八百屋から見た“食”no.4】

こんにちは。
タイトルがまたアレですが、SDGsでもスローフードでもフードロスでもなんでもいいです。

あくまで個人の見解ですが、数年に1度新たなワードが出て、賑やかで盛り上がっていて、さぞ世の全員が知っている…ように見えるだけです。
商業上(商売上)都合よく使われて、消費の一部になり、消耗して、また新たなワードが出て。

都内の八百屋の店頭で、ずっとそんな状況を見聞きしてきました。

今話題のS

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画面の中に「解」はない【八百屋から見た“食”no.9】

画面の中に「解」はない【八百屋から見た“食”no.9】

動画・雑誌記事・ワイドショー・健康番組。
すべて“話半分”、もしくは“すべてエンタメ”と思って接してください。

特に動画配信関連。
注目を浴びたいがために『キケン』だ『危機』だと大層な見出しを付ける。過激な物言いをする。皆、フォロワーを増やし、動画再生回数を上げて収入にしたい。要は胴元が囲い込みと換金に必死なだけです。

前回投稿でいうところの
“コダワリが強い・多い”人ほど、囲い込みに弱いです

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安全に食べる=農薬&肥料の使用不使用“ではない”話。【八百屋から見た“食”no.13】

安全に食べる=農薬&肥料の使用不使用“ではない”話。【八百屋から見た“食”no.13】

栽培期間に起こり得るあらゆる病害・虫害・天候不順を経験されながらも、いわゆる栽培時農薬不使用(≒オーガニック・無農薬)の生産者皆さんのポリシー。敬意しかありません。美味しい状態にまで仕上げ、当店に出荷される農薬/化肥不使用の生産者も多数いらっしゃいます。お世話になってます。

しかし“病気治す効果”とか
“栄養価高い”とか
“安全に生で食べれる”とか
栽培時農薬不使用という事実に関係しない『変なユ

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食べ物にも“ベストバイ”の習慣を【八百屋から見た“食”no.14】

食べ物にも“ベストバイ”の習慣を【八百屋から見た“食”no.14】

直近のあらゆる原材料&食品の値上がり要因は主に4つです。

①原料の供給減:稀少化・輸入減・不作
②動力費:ガソリン・電気・ガス
③輸入品:円安
④給与増:人件費上昇

小麦・大豆・食用油・砂糖・カカオ等含めた豆類は現地コスト増と円安の掛け算で値上げ続き。いま挙げた5種はほぼすべての食品でなにかしらの原材料となるため、今後も数段階の値上げが想定されます。また、輸入果物(&原料にしたジュース類)も安

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not full_organic, but delicious.【八百屋から見た“食”no.15】

not full_organic, but delicious.【八百屋から見た“食”no.15】

なにげなく並ぶ小松菜を買う。食べる。美味しい。
つぎはトマトを買ってみた。食べた。美味しい。
じゃ、りんごを買ってみた。美味しい!

表示やストーリーに特色が無くてもいい。
採れたてもぎたて、味が乗った野菜の美味しさ。
私が心がけているのは、普段遣いの美味しいお店です。

情報化社会の果て【八百屋から見た“食”no.16】

情報化社会の果て【八百屋から見た“食”no.16】

伝えなくても知っていたであろう食の知識(一般的な経験則や常識といわれる情報)の範疇が年々狭まっています。
知りたい情報を画面上で見て済ませてしまい、体験経験として蓄積されないのも一因と推察します。

大昔より、昔より、今の方が
【商品紹介・理由説明が必要で、会話の時間がかかる】事実。

自炊する。料理する。素材食材を買う。
都市部では「家でご飯を食べる」生活が、すでに非日常です。
家庭内調理がある

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お客さんが売場で“目利き”しても無意味。モノを選ぶより店を選ぼう【八百屋からみた“食”no.17】

お客さんが売場で“目利き”しても無意味。モノを選ぶより店を選ぼう【八百屋からみた“食”no.17】

秋です。りんごの収穫出荷の声を各地からいただくようになりました。
長野・青森の生産者直送。最速もいだ翌日に売場に並びます。いま(10月前半)のおすすめは「サンつがる・早生ふじ」です。

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Q. 売場でできる美味しい〈りんご〉の見分け方は?(ホントよく聞かれる)
A. 正直なところ、ありません。
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〈り

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悲観も楽観もしない。正しい現状把握を【八百屋からみた“食”no.25】

悲観も楽観もしない。正しい現状把握を【八百屋からみた“食”no.25】

たまに、店先に立つ自分の感覚がオカシイのかな(ズレてる自覚あるし直す気もない)とは感じますが…

同業やお客さんで
「安くないと困るし、物価安定(≒安値安定)に補助金出ないと困る」という昭和思考&国や政治が何とかしてくれる思考(私に言われても困る)の人や
「これまでが大丈夫だったから、これからも大丈夫」という思考の人や
「戦争のセイ・コロナのセイで石油危機肥料危機食料危機」だと捲くし立てる人もいて

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オーガニック⇔慣行農業は対立しない。比較・優劣・区別する人達は時代遅れ【八百屋から見た“食”no.35】

オーガニック⇔慣行農業は対立しない。比較・優劣・区別する人達は時代遅れ【八百屋から見た“食”no.35】

いわゆる“オーガニック農業/農産物”を10項目にまとめます

(慣行農業と比べ)
①石油資材&動力使用は減らない。地球環境に優しいとはいえない。
②生態系に優しいが、生育中の植物に対して悪さもする。
③栽培条件(生育適期/地域/地質/水/温度/日照≒旬)に合う品目品種がメイン。
④栽培条件に合わない品目品種の栽培は困難。技術力と天候と運。
⑤栽培条件&品種特性&技術投入に対し、出来&味が素直。良く

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40代以上は気をつけよう【八百屋から見た“食”no.42】

40代以上は気をつけよう【八百屋から見た“食”no.42】

目の前にあるモノ・場・人・状況から連想することでヒトの判断力は育ちます。

スマホ(web)・テレビ・雑誌といったメディアを閲覧して情報を“仕入れ”たところで、誰かが発した悪い意味での「伝言ゲーム」には参加したくないし、参加するメリットがありません。

10代20代30代の皆さんは、物心ついたころからWebやスマホとの付き合い方に慣れていて、エンタメとして(≒情報の距離を置いて)閲覧できても、40

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