齋藤 亮次|地理×旅×キャリア

旅を愛する地理教師。国家資格キャリアコンサルタント。湘南在住、2児の父。|公文国際学園…

齋藤 亮次|地理×旅×キャリア

旅を愛する地理教師。国家資格キャリアコンサルタント。湘南在住、2児の父。|公文国際学園中・高等部 教諭/ブランド分析室|早稲田大学教育総合研究所 特別研究員|はじまる学び場。 共同創業者|高校地理教科書執筆者|Hatch Edu|HATSU鎌倉|100BANCH|FabQuest

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【自己紹介】辺境として生きて、辿り着いた現在地

はじめまして&いつもお世話になっています。齋藤亮次です。「齋藤」で35画です。「次」ですけど長男です。メンドくさくてすみません。 自分自身の整理のために、更新し続…

地理旅#12 「ニュージーランド編~多様性先進国への"越境"」(2023.9)

6年ぶり2度目のニュージーランドを訪れて、多様性について探究して、その一端に触れてきた。わずかな滞在で触れられることなんてほとんどないことを承知の上だが、生徒に…

はたちの頃

二十歳を迎えた皆さん、おめでとうございます。 恩師たちを同窓会に招待したのは、もう14年前。今度は招待してもらう側になるとは。感無量。 ====== はたちの頃。未来の…

で、結局「キャリア教育」って何なの?【Part1】

先日、学校の先生向けにキャリア教育の勉強会を開催しました。今回は、その様子を一部レポートにしてお届けします。今回は、「なぜ、いまキャリア教育なのか?」について考…

【学級通信】「日本やばくね?」に対して、私たちは、何をすべきか。何ができるか。

地理の授業中。ニュースアプリで調べ学習をしていたときだった。 「先生、大変です!!」 もはや、授業どころの話ではなかった。 次に聞こえてきたのは、 「日本やばく…

「悪いのは子どもではない」とは、どういうことか。

高校生へのキャリア支援を考えるシリーズ第2弾は、「悪いのは子どもではない」とは、どういうことか。この言葉は、公文式創業者・故公文公先生が残した言葉だとされ、勤務…

だから、ふつうの先生が「国家資格キャリアコンサルタント」を取得した。

高校生へのキャリア支援を考えるシリーズ第1弾。キャリア教育の専門家でもない中高一貫校の教員が「国家資格キャリアコンサルタント」の取得を目指した経緯について綴りた…

12ヶ月間、パパ育休を終えて

育休を頂いてから、早いもので1年の月日が流れました。僕自身は大きく何かが変わった気がしませんが、子どもの写真を見返すと、1年って長かったんだなと気付かされます。…

なぜ、いま地理なのか?~高校「地理総合」必修化を目前に控えて

2022年4月、高等学校における地理がおよそ50年振りに必修化する。 ・・・と言っても、多くの方から「え?むしろ地理って必修じゃなかったの?」というリアクションを頂くの…

地理旅#11「チベット編~聖地の引力」

生きる、死ぬ、そして還る僕ら教員一行は、拉薩の町中を巡ったあとでチベット人の民家にお邪魔して、夕食をご馳走になった。 まずはお母さん手作り、チベットのソウルフー…

地理旅#10「チベット編~他者のために祈る」

赤がなびく聖地チベットの聖地を求め、青蔵鉄道約2,000kmの旅路を経て、天空都市・拉薩(ラサ)へやってきた。富士山とほぼ同じ海抜3,600m,チベット自治区の政治的・文化的…

地理旅#9「チベット編~天空列車に揺られて」

民族の交差点2017年、夏。地理教員で企画している海外研修のスタッフとして、チベットの聖地を目指す旅に出た。 上海を経由し、青海省の省都・標高2,250mの西寧へ。ホテル…

地理旅#8「ヨルダン編~おまえは、何のために生きている?」

地球でイチバン低い場所イスラエルを後にして、再びヨルダンへ戻ってきた。次に訪れたのは、地球でイチバン低い場所・死海。なんと、海抜およそ-400m。ただ、何かが変わっ…

地理旅#7「エルサレム編〜青空の不協和音」

架けられた橋、架からぬ橋カタールを発って、ヨルダンの首都・アンマンに着いたのは18時過ぎ。外に出ると、日は沈んでいた。日較差が大きい乾燥地帯の夜は急に冷える。肌寒…

地理旅#6「カタール編〜描かれない国を目指して」

2014年の暮れ、僕は世界の宗教対立の中心に立っていた。イスラエルの事実上の首都・エルサレムだ。この都市には、ユダヤ教徒とイスラム教徒、キリスト教徒の3つの宗教の聖…

地理旅#5「インド編~違和感を抱いて生きる」

マザー・ベイビー・スクール今回の旅の目的はもう一つ。それは、ヴァラナシ郊外にあるマザー・ベイビー・スクール(以下、MBS)への訪問。 MBSは、僕がインドを目指す…

【自己紹介】辺境として生きて、辿り着いた現在地

【自己紹介】辺境として生きて、辿り着いた現在地

はじめまして&いつもお世話になっています。齋藤亮次です。「齋藤」で35画です。「次」ですけど長男です。メンドくさくてすみません。

自分自身の整理のために、更新し続ける「自己紹介」させて下さい。「お前のことは知っとるわ!」という方は、「2.」からお読みください。

1.略歴

2.辺境として生きて有り難いことに、生徒からはこう言われる。我ながら、大好物のマグロが憑依したように笑、立ち止まらずに(れ

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地理旅#12 「ニュージーランド編~多様性先進国への"越境"」(2023.9)

地理旅#12 「ニュージーランド編~多様性先進国への"越境"」(2023.9)

6年ぶり2度目のニュージーランドを訪れて、多様性について探究して、その一端に触れてきた。わずかな滞在で触れられることなんてほとんどないことを承知の上だが、生徒にも「多様性」について考察するよう求めている以上、できる限りの洞察を試みたい。

理想郷としてのニュージーランドニュージーランドは1930年代には福祉国家化を果たし、かつ国民所得も高水準で羨望の的となる理想的な社会を構築した。移民や難民にもフ

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はたちの頃

はたちの頃

二十歳を迎えた皆さん、おめでとうございます。

恩師たちを同窓会に招待したのは、もう14年前。今度は招待してもらう側になるとは。感無量。

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はたちの頃。未来のために始めた塾講師。子どもを前にすれば、未来は吹き飛んだ。今日こそが人生だと気付いた。

はたちの頃。バイト代をはたいて世界を旅した。外から見るまで、自分が何者かも知らなかった。

はたちの頃。失恋を引きずり回し、友を呼びつけ

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で、結局「キャリア教育」って何なの?【Part1】

で、結局「キャリア教育」って何なの?【Part1】

先日、学校の先生向けにキャリア教育の勉強会を開催しました。今回は、その様子を一部レポートにしてお届けします。今回は、「なぜ、いまキャリア教育なのか?」について考えたいと思います。

1.〇〇〇〇〇する人の母校にしたいまず、勉強会に参加した皆さんに「〇〇〇〇〇する人の母校にしたい」という問いを投げてみました。

「幸せ」「世のための貢献」「社会を変革」「自分らしく」などなどのキーワードが出てきて、そ

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【学級通信】「日本やばくね?」に対して、私たちは、何をすべきか。何ができるか。

【学級通信】「日本やばくね?」に対して、私たちは、何をすべきか。何ができるか。

地理の授業中。ニュースアプリで調べ学習をしていたときだった。

「先生、大変です!!」

もはや、授業どころの話ではなかった。

次に聞こえてきたのは、

「日本やばくね」

という声。

世界一の治安が良いと称された国で起きた蛮行。あまりにショッキングな事件だったので、心が痛んでいる人は、いまは読まないで欲しい。また、そういう時には、できる限りメディアから距離を取った方が良い。

さて、暴力は、

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「悪いのは子どもではない」とは、どういうことか。

「悪いのは子どもではない」とは、どういうことか。

高校生へのキャリア支援を考えるシリーズ第2弾は、「悪いのは子どもではない」とは、どういうことか。この言葉は、公文式創業者・故公文公先生が残した言葉だとされ、勤務校でもしばしば耳にするフレーズです。

公文式HPでは、"悪いのは子どもではない"について以下のように説明しています。

公文式では、今や時代の常識にもなりつつある「個別最適学習」に60年以上前から取り組んできたのです。

今回は公文式の宣

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だから、ふつうの先生が「国家資格キャリアコンサルタント」を取得した。

だから、ふつうの先生が「国家資格キャリアコンサルタント」を取得した。

高校生へのキャリア支援を考えるシリーズ第1弾。キャリア教育の専門家でもない中高一貫校の教員が「国家資格キャリアコンサルタント」の取得を目指した経緯について綴りたいと思います。

1.進路指導のモヤモヤ今まで塾講師として4年、教員として8年間、生徒の進路やキャリアについて、延べ1,000人以上、向き合ってきました。

しかし、教員しか経験してこなかった自分にとって、今まで生徒との対話の中で、たびたび

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12ヶ月間、パパ育休を終えて

12ヶ月間、パパ育休を終えて

育休を頂いてから、早いもので1年の月日が流れました。僕自身は大きく何かが変わった気がしませんが、子どもの写真を見返すと、1年って長かったんだなと気付かされます。

育休取得の経緯、育休生活についてはコチラ↓

日本では、2020年度に男性の育休取得率が初めて1割を越えましたが、スウェーデンの88.5%など欧米先進国と比べると、まだまだ課題は山積。

実は日本、世界一長く男性育休が取れる国とも言われ

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なぜ、いま地理なのか?~高校「地理総合」必修化を目前に控えて

なぜ、いま地理なのか?~高校「地理総合」必修化を目前に控えて

2022年4月、高等学校における地理がおよそ50年振りに必修化する。

・・・と言っても、多くの方から「え?むしろ地理って必修じゃなかったの?」というリアクションを頂くので、いま、改めて「地理総合」に求められる意義を考えてみたい。

地理ってどんなイメージ?そもそも、「地理」と聞いて何を思い浮かべるだろう?

リンゴといえば青森、ミカンといえば和歌山、自動車といえば愛知?日本アルプスといえば、飛驒

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地理旅#11「チベット編~聖地の引力」

地理旅#11「チベット編~聖地の引力」

生きる、死ぬ、そして還る僕ら教員一行は、拉薩の町中を巡ったあとでチベット人の民家にお邪魔して、夕食をご馳走になった。

まずはお母さん手作り、チベットのソウルフード・ツァンパ。日本でいうところのオニギリ的ポジションだろうか。

ツァンパは、粉状にした裸麦にバター茶を入れ、手でこねて作る。味は素朴で、麦こがし、きな粉といったところ。口の中の水分は持ってかれた。

ヤク肉の煮込みとカレーも作ってもらっ

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地理旅#10「チベット編~他者のために祈る」

地理旅#10「チベット編~他者のために祈る」

赤がなびく聖地チベットの聖地を求め、青蔵鉄道約2,000kmの旅路を経て、天空都市・拉薩(ラサ)へやってきた。富士山とほぼ同じ海抜3,600m,チベット自治区の政治的・文化的中心都市である。

駅舎を出て最初に目に飛び込むのは、中国の歴代国家主席が描かれた巨大看板。街中は中国語で溢れ、他の地方都市にもありふれた無機質な高層ビルがそびえている。拉薩では、1966年の文化大革命以降、9割の寺院が破壊さ

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地理旅#9「チベット編~天空列車に揺られて」

地理旅#9「チベット編~天空列車に揺られて」

民族の交差点2017年、夏。地理教員で企画している海外研修のスタッフとして、チベットの聖地を目指す旅に出た。

上海を経由し、青海省の省都・標高2,250mの西寧へ。ホテルに到着したころには日付も変わっていた。これから訪れる標高4,000~5,000m級のチベット高原への高地順応も兼ねて、西寧で一日を過ごすことに。

西寧は、中国のほぼ中央部に位置しており、漢民族のほか、ムスリムの回族、チベット族

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地理旅#8「ヨルダン編~おまえは、何のために生きている?」

地理旅#8「ヨルダン編~おまえは、何のために生きている?」

地球でイチバン低い場所イスラエルを後にして、再びヨルダンへ戻ってきた。次に訪れたのは、地球でイチバン低い場所・死海。なんと、海抜およそ-400m。ただ、何かが変わった様子もなく、「地球の溝」に来たという実感はないのだが・・・。

真冬だったからか、完全なプライベートビーチ。標高が低いとは言え、海パンになれば肌寒い。ホテルのお姉さんは「Too cold to swim!」と笑っていたけど、ここまで来

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地理旅#7「エルサレム編〜青空の不協和音」

地理旅#7「エルサレム編〜青空の不協和音」

架けられた橋、架からぬ橋カタールを発って、ヨルダンの首都・アンマンに着いたのは18時過ぎ。外に出ると、日は沈んでいた。日較差が大きい乾燥地帯の夜は急に冷える。肌寒いのか、ちょっとした緊張なのか…鳥肌が立っている。

飛行機からタクシーに乗り換え、世界一厳しいと言われるイスラエルとの国境へ。整備された幹線道路を、タクシーは猛スピードで走る。市街地を抜けて丘陵地帯に差し掛かり、暗闇が前から後ろへと流れ

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地理旅#6「カタール編〜描かれない国を目指して」

地理旅#6「カタール編〜描かれない国を目指して」

2014年の暮れ、僕は世界の宗教対立の中心に立っていた。イスラエルの事実上の首都・エルサレムだ。この都市には、ユダヤ教徒とイスラム教徒、キリスト教徒の3つの宗教の聖地がある。とりわけ、イスラム教徒のパレスチナ人とユダヤ教徒(ユダヤ人)との間に勃発しているのが「パレスチナ問題」である。

ただし、問題の本質は、宗教の対立だけではない。中東周辺国や欧米諸国も巻き込んだ利害関係が、複雑に絡み合っている。

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地理旅#5「インド編~違和感を抱いて生きる」

地理旅#5「インド編~違和感を抱いて生きる」

マザー・ベイビー・スクール今回の旅の目的はもう一つ。それは、ヴァラナシ郊外にあるマザー・ベイビー・スクール(以下、MBS)への訪問。

MBSは、僕がインドを目指すキッカケになった雑誌『旅学』の編集長・池田伸氏と、旅好きには広く知られている高橋歩氏が、恵まれない子どもたちのために作ったフリースクール。2007年、彼らはヴァラナシで1人のインド人と出逢った。彼の「自分の村に学校を作りたい」という想い

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