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心動かされた素敵な文章を、いつでも読み直せるようにまとめさせていただきました。
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関係につける名前なんて問題にならないぐらいの、あなたなのだ。――「ことぱの観察 #15〔友だち(訂正)〕」向坂くじら

関係につける名前なんて問題にならないぐらいの、あなたなのだ。――「ことぱの観察 #15〔友だち(訂正)〕」向坂くじら

詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。

友だち(訂正) 三十になろうかという秋の夜、「お友達になりたいです」と言われた。この、もっぱら人づきあいが苦手で、友だちの少ない、そして「友だち」という語のうまく使えない、わたしが。そうメッセージをくれたのは同年代の女性で

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幸せの握り方

幸せの握り方

過去、人生に行き詰ってしまった時、自分の中でひらめいた造語がありまして、それが「チャンスは逃(の)がせ」だったのです。

この「チャンスは逃がせ」は、今でも僕の中で座右の銘になっているぐらいに大事にしている言葉なのですが、その言葉というか、感覚について書かせてください。

昔話になってしまうのですが、僕は自分の10代の頃に抱いていた人生の目標が「とにかく幸せになること」だったのです。

当時の僕の

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原作者が尊重され、守られるように――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

原作者が尊重され、守られるように――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子

『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は、映像化の際に原作者に大きくかかる負担について、小説家であり、かつて脚本家志望だった柚木さんからの提言です。
※当記事は連載の第35回です。最初から読む方はこちらです。
#35  映像化と原作者

 テレビドラマにもなった漫画「セクシー田中さん」の原作者・芦原妃名子さんがお亡くな

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「日記の本番」1月 くどうれいん

「日記の本番」1月 くどうれいん

小説、エッセイ、短歌、俳句とさまざまな文芸ジャンルで活躍する作家、くどうれいんさん。くどうさんの1月の「日記の練習」をもとにしたエッセイ、「日記の本番」です。

 数年前から、自分の悩みをジャンルに分けず、いま抱えている悩みのすべてを話せる相手が少なくなっていくような感覚がある。それはわたしが作家を仕事にしているからではなく、年を重ねるごとに、自分とそっくりそのまま同じような境遇の人はどんどん減っ

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仕事をしない人に対する、こちら側の心得や対策について

仕事をしない人に対する、こちら側の心得や対策について

今回のお手紙はけっこう辛辣な面もあるけど、誰もが一度は考えたことがあることかも知れないと思い、取り上げさせていただきました。

この相談者の方は、「頭の回転の速い人は、そうでない人を許していかないといけないのでしょうか?」という疑問をお持ちでした。

この方は「とっても性格の悪い考え方だと捉えられると思いますが」の前置きをした上で、やはり色々な場面でそういうことを思ってしまうそうです。でも、正直、

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「〇〇しようね」の約束にうんざりしてしまう

「〇〇しようね」の約束にうんざりしてしまう

今回のお手紙は面白かったのですが、相談者の方は「また遊ぼうね」や「また会おうね」などと言われることに、うんざりしてしまうそうです。世の中には色々な怒りがあると思いますが、この相談者の言いたいこと、ちょっと共感するところがありました。またそれは後でお伝えしていきますね。

相談者の方の意見としては、明日のことさえもわからないわけだから、「楽しかったね。またね」でいいじゃないかと。「また〇〇しようね」

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自分の人生のすぐ近くに「地獄」があった人の爽やかさ

自分の人生のすぐ近くに「地獄」があった人の爽やかさ

これは僕自身が「占い」という仕事をしてきたこともあるし、あと、年齢的にある程度までこの人生を生きてきて感じたことのひとつに、「どの人にも、近くに『地獄』がある環境で生きてきた人はいるんだな」があったりするのです。

これは僕の実体験なのですが、大人になってからも仲良くさせてもらっている方がいるんですね。

この人は本当に良い人なんです。会って不快な思いをしたことがないし、むしろ、いつもこちらが恐縮

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「あなたのお守りは私のお守り」ヒスイのバッグ購入記+じたばた入稿作業

「あなたのお守りは私のお守り」ヒスイのバッグ購入記+じたばた入稿作業

「人生には、良きタイミングがある」という話です。

最近のヒスイは、少し新しいことを始めようと思って悪戦苦闘(笑)
詳細については後日お話しますが、
とにかくまあ、うまくいかない(笑)
目次とか、段組みとか、ですね。やればやるほどドツボにハマる。
もうやめようかなーと思うんですが、
今回に限り、ヒスイを教え導いてくださる方がいるので、
やめることもできぬ(笑)

ヒイヒイ言いながら、ちょっとずつ作

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優先順位をつけられないほど忙しい

優先順位をつけられないほど忙しい

今回の相談者の方は、「とにかく時間が足りない」問題にぶち当たっているそうです。

今までライフワークとしてずっとやってきた趣味、新しく始めた趣味、家族のこと、新しい人間関係、自分のメンテナンス、やらなければいけない仕事など。それらのことを全部やろうとしたら、時間のやりくりがつかなくなってしまったみたいです。

「何にもせずにぼーっとする時間」も大切だと頭ではわかっていても、なかなか取れずにいるそう

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「うん。やさしいために」――「ことぱの観察 #04〔やさしさ〕」向坂くじら

「うん。やさしいために」――「ことぱの観察 #04〔やさしさ〕」向坂くじら

詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。

やさしさ バスのあの席が戻ってきた。
 あの席だ。前方の扉から乗り込んですぐ、運転席の真後ろにある、一人掛けの席。バス通学だった中学生のころから、わたしはあの席が好きでしかたない。
 まず、少し高いのがいい。ほかの席と違っ

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ベストレビュアー賞記念:哲司展

ベストレビュアー賞記念:哲司展

金曜日につぶやきで土曜日に記事で報告した創作大賞の授賞式ですが、私のいただいた賞はベストレビュアー賞でした。

代表的な物として

が紹介されましたが、このほかにも2本、創作大賞の感想を書いています。

3記事全てに共通するのが「哲司」です!もしかしてnote事務局も哲司るに一票を入れてくれたかもしれません。

「らんまん」が終わってだいぶ経ちますが、本日はベストレビュアー賞記念として「哲司展」を

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自分にとって許せない人を新たに作らないことにした

自分にとって許せない人を新たに作らないことにした

最近、「隣町珈琲」の店主の平川克己さんの新刊の『「答えは出さない」という見識』(夜間飛行、2023年)を読んでいたら、ものすごく衝撃を覚える一文があったのです。

この本は一応人生相談本の形式なのですが、相談者からの「問い」に対して、著者の平川さんがこれまで生きてきた人生経験を踏まえて、エッセイ的にこちらに話しかけてくれるような本なのです。それこそ、コーヒーを飲みながら少しずつ読み進めている本なの

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9月の獅子座の運勢

9月の獅子座の運勢

9月前半

9月前半の獅子座は「もう我慢できん!私は全力で遊ぶ!」の黄色が出ていました。

この9月も含めて、ここ数年間の獅子座は一種の「吹っ切れるための訓練」をしていたりします。

「ちゃんと吹っ切れる。自分の行動が周りにとって正解なのか不正解なのかは知らない。でも、これは私の人生。だから、私がちゃんと100%の力を出していける環境を自分で作っていきたい」

と。

もちろん、こういう心意気とか

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ここぞというタイミングで問題が起きてしまう

ここぞというタイミングで問題が起きてしまう

今回ですね、相談者の方は意を決してお手紙を送ってきてくださったそうです。全文を通じて、すごく聡明でしっかりとされた方の印象を受けたのですが、「本当に困っている」という気持ちも伝わってきました。

相談内容なのですが、この方は海外の映画・ドラマの字幕翻訳者として働いていらっしゃるそうで、「翻訳で食べていこう」と思い立った日から数年かけて掴み取った、夢の仕事だそうです。

そして、適性みたいなものもあ

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