馴染めないのは仕方ない
こぽこぽと泡が上がってくる水槽の中を真っ青な魚が何匹か泳いでいる。鮮やかなその青色はいずみの目をとらえて離さなかった。
「ナンヨウハギ…」
すぐに名前が分かった。ハギということは食べられるのだろうか。いずみはスマホで検索しながら魚を目で追っていた。
「おいおい…さかなくんたちをそんな目で見るなって」
ユウタロウが声をかけてきた。
「何もしてないよ」
「いやいや食べそうな勢いだよ」
「食べるわけないじゃん」
いずみは食べれるかどうかの記事を検索していたことは黙っていた。
「でも