マガジンのカバー画像

気になる記事

874
運営しているクリエイター

#小説

正しい話はもうたくさんだ(笑)

正しい話はもうたくさんだ(笑)

読書、とりわけ文学や小説に、
実用性は持ち込みたくない…
と考える頑な自分がいます。
なぜ、そんなに実用性を
嫌うのか、ずっと考え考え、
ようやく、ある答えを見つけました。

賢くなれそうなビジネス書、
ためになりそうな自己啓発書が、
近年、売れ行きはさておき、
発行される新刊の数は、非常に多い。

小説家になりたい人以上に、
ビジネス書や自己啓発書を書きたい人が
最近は多くなっている。

実用書

もっとみる
『生のみ生のままで』 綿谷りさ

『生のみ生のままで』 綿谷りさ

テレビをつければ、腹が立ったり不安になったりするニュースばかり。
バラエティ番組にも、そこまで面白みを感じない。

そんななかで、現実から逃れるように小説『生のみ生のままで』を読む。
ハッピーエンドに幸福を感じて、本を閉じるのを拒む自分がいた。
そして「やっぱり、ハッピーエンドがいい」とシンプルに思う。

未来に一体何が待ってるって言うの。そんな生き方してたら一生なにが幸せか分からないうちに死ぬよ

もっとみる

君はどう読む!?ノルウェイの森 《漫画家志望の読書感想文》

 暇である。暇。

僕はブラジルに家族の都合上、約4年も在住して今はなんやかんや通信制の学校に通っているがまーー暇である。読書にハマるというよりかは読書という穴に自然に流れていったという感じであるがーー

っていう流れで読むことになった 『ノルウェイの森』

日本を代表する文豪、村上春樹氏による上下巻が存在する長編小説である。

なる...hodo..... これがそうか、これがかの村上作品なの.

もっとみる
小説が好きになった話

小説が好きになった話

小説って面白い・・・!

僕は、大学生になるまでほとんど本を読んだことがなかったです。

現在は、本を手にとって開くというハードルは乗り越え、自分にとって重要な場所を見つけ出すことができるようになったりと少しづつ楽しめるようになってきました。

がしかし、小説だけは敬遠して読んで来なかったです。

すぐに効果を得られない気がしていたのが1番の理由です。

自己啓発や建築の本、エッセイなんかは自分の

もっとみる
読書の管理

読書の管理

私は年間100冊本を読むために、日々読書に励んでいます。

「年間に100冊読む」という目標ではどうしても「明日でいいや」と今日やらない理由を探してしまいます。

実は私は以前に『読書のスケジュール管理』という記事を書いています。その記事を書いたのも気がつけば1年前。今はどのような意気込みで行っているかを今日は記載していきます。

(念のため1年前に書いた記事のリンクを貼っておきますので、興味のあ

もっとみる
ノベルボchのボイスドラマはVoicyで無料配信!

ノベルボchのボイスドラマはVoicyで無料配信!

こんにちは! 『ノベルボch(チャンネル)』公式noteです。
現在、ノベルボch第1弾となるボイスドラマを鋭意制作中です!
8月上旬より放送開始予定なので、楽しみにお待ちくださいね。

この記事では、ノベルボchのボイスドラマの視聴方法や、Voicyアプリの使い方を詳しくご紹介します。

ボイスメディア「Voicy」は、無料で視聴可能な「日々の情報を個性豊かな声で楽しむ放送局」今日を彩るボイスメ

もっとみる
書評 強運の神様は朝が好き 早川勝   ベストセラー作家早川さんの自己啓発小説。著者の考えが凝縮されていてお得です。

書評 強運の神様は朝が好き 早川勝   ベストセラー作家早川さんの自己啓発小説。著者の考えが凝縮されていてお得です。



早川さんというと、『死ぬ気で働いたあとの世界を君は見たくないのか?』
などの「死ぬ気・・・」シリーズというベストセラーがあります。
自己啓発本の世界では有名な人です。

本書は、小説版なので読みやすい。
ただし、小説としては?です。
雰囲気は、「夢をかなえるゾウ」に似ています。

海野というアル中の才能はあるが不運なサラリーマンが
色んな神様たちに助けられて自己変革していく話しです

どんな教

もっとみる
詰み

詰み

頭部と腰部がはっきりと残った、立派な亡骸だった。

火葬後の祖父の亡骸を見た親戚一同は、まるで誰かを励ますように健康だった祖父の過去を称えた。祖父は過去の人になったのだと自覚させられたようで聞いていられなかった。

火葬直後の祖父を拝むために群がる親族の様子は、焼き立てのパンに群がる主婦のようだった。小さな祖母の前に立ちはだかる野次馬達に、私は小さな怒りを覚えた。

喪服を纏った祖母の小さく曲がっ

もっとみる
お前だったのか

お前だったのか

 子どもたちはそれぞれ物蔭に隠れ、息を潜めていた。
 彼らが見ているのは、今にも崩れ落ちそうな小さな家。漆喰の壁はぼろぼろで、病気の犬の肌のようだ。家の周りには、背の高い草や年老いた木が生い茂っていた。子どもたちはみな、その木の下に集まっていた。はるか高くからの太陽の光が、枝や葉を通して、光のノイズを散りばめていた。虫の羽の音が、あちこちから聞こえた。
 突然、小さな汚れたきつねが一匹、家の前へと

もっとみる
「ウィルス時代に教える(生きる)とは」 その3 著者 / ボローニャ大学教授フェデリーコ・ベルトーニ 訳者 / 入江風子

「ウィルス時代に教える(生きる)とは」 その3 著者 / ボローニャ大学教授フェデリーコ・ベルトーニ 訳者 / 入江風子

著者 / フェデリーコ・ベルトーニ

略歴
ボローニャ大学で文学理論を教える。 主な作品には、「疑わしい真実。ガッダと現実の発見」(エイナウディ社、2001年)、「リアリズムと文学。起こりうる歴史」(エイナウディ社、2007年)、「ユニヴァーシィタリー。箱の中の文化」(ラテルツァ社、2016年)。 イタロ・ズヴェーヴォの批判校訂版「劇場と評論」(モンダドーリ社、2004年)を監修。 2017年には

もっとみる
リアル寄り洋風ファンタジー →  SF転生

リアル寄り洋風ファンタジー →  SF転生

【ジョン・レンダー少尉:惑星級戦術護衛艦ニューカッスル動力部門第17区画都市内の休憩施設にて】

間近で見たコーフ灯台の火より明るい眩さで目を覚ました。全身を動かすと身体を覆っている泥のような液体がまとわりついてきた。ここはどこだ?今は何時だ?そう思い始めるまもなく肉体は眠りを欲しているようだった。

突然脳内に騒音が挿し込まれた。

話者は声のトーンを上げて声真似を始めた。

“おはようございま

もっとみる
グラヴィタスフィリア

グラヴィタスフィリア

かぐやSFコンテストの応募作です。

『グラヴィタスフィリア』

訓練服大好き野郎さんのカスタマーレビュー
★★★★☆
>地球服のセットでこの価格なら安いと思い、詐欺覚悟で購入しました。包装はしっかりと密閉されており、商品が届いて中を見ると、校服と、運動靴、重力訓練服の上下がきっちり揃っていました。くじ運の悪い私ですがついにアタリを引いたなと歓喜しております。
校服は某有名私立○○中学高等学校の夏

もっとみる
『ふたり』 角田光代

『ふたり』 角田光代

聡史は、誕生日を祝うような年じゃないんだし、そういうの、そろそろやめにしない? と言ったのだ。じゃあいくつまでが誕生日を祝っても許される年で、いくつになったら誕生日を祝うべきではないのよ、と訊くと、それが嫌みだということにも気づかず、やっぱ三十歳が境じゃないのかなあ、なんてまじめくさって答えやがった。 (p.10)

誕生日に思うこと。
ひとつ目は、そのときの状況によって異なる思いだ。

「一番に

もっとみる

燦々と夜更かし(前編)

 ばしゃん、と足元を濁った水が濡らした。
猛スピードで走る鉄塊が去り際にお見舞いしてきたその攻撃をすんでのところで躱し、オレは大袈裟に舌打ちをした。続けざまに何らかの罵声を浴びせてやりたくなったが、思いとどまる。真夜中に大声でがなり立てるような人間にはなりたくなかった。

 Tシャツに短パンで家を出たはいいものの、特に行くアテもない。惰性に身を任せて辺りをぶらついている間、様々な生物と遭遇した。歩

もっとみる