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正しい話はもうたくさんだ(笑)

読書、とりわけ文学や小説に、
実用性は持ち込みたくない…
と考える頑な自分がいます。
なぜ、そんなに実用性を
嫌うのか、ずっと考え考え、
ようやく、ある答えを見つけました。

賢くなれそうなビジネス書、
ためになりそうな自己啓発書が、
近年、売れ行きはさておき、
発行される新刊の数は、非常に多い。

小説家になりたい人以上に、
ビジネス書や自己啓発書を書きたい人が
最近は多くなっている。

実用書や自己啓発書は、どれも
為になり、役に立ちそうだ。
ダイレクトに人生を指南してくれる。
今、一番勢いがあるジャンル。
今、社会は非常に実用性を求めている
とも言えそうです。

ただし、文学や小説は、必ずしも
実用的には書かれていない。
実用性のために書かれたなら、
そんな文学は、終わってる!
…とすら、私は思ってしまう。

実用性とは、
人生の日常や仕事にダイレクトに
役に立つということですね。
損得で言えば得になり、
賢いか愚かかで言えば賢くて、
立派か惨めかで言えば立派さが
優先される価値観です。

ところで、
賢いか?愚かか?という価値観は、
あくまで、人生の価値観の
ワン・オブ・デムです。

正しいか、間違ってるか?
新しいか、古いか?
善いか、悪いか?
美しいか、醜いか?
動か、静か?
速いか、遅いか?
強いか、弱いか?
…私たちは人生を図る物指しを
こんなにもまだ、持っています。

ただ、最近は、
実用性、つまり、
賢さを図る物指しのニーズが、
どうも大きくなり過ぎていないかしら?
多数派、マジョリティが
マスゲームのように、
ひとつの価値観に偏っていく姿は
ちょっと気味が悪くないかしら?

「実用性」はあくまで
たくさんの物指しのひとつなのに。
賢くなりたいという人が沢山増えて、
正しい話をみんなで語り合ってる!!
正直言って、正しい話はもうたくさん(笑)。
…というのは、言い過ぎかしら??

人生というのは、
「賢いか愚かか」だけでは計り切れず、
語り切れず、説明しきれない、、、
そんな感情や欲望もいっぱい混じって
作られていますよね。

経済やビジネスで、
賢さを尊ぶのはよく分かるけど、
文学や小説までも、
賢さという物指しで計るのは、
なんだか、人間がどんどん、
小賢しい小粒になってってしまうよ。
…というのは、言い過ぎかな?
もう少し、バカな話が必要です。
少なくとも私には、愚かな、
役にも為にもならない話が欲しい。

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