猫を棄てる

猫を棄てにいった村上春樹と、猫を拾いにいった川上弘美。
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猫を棄てにいった村上春樹と、猫を拾いにいった川上弘美。

今回、読書オプチャの課題図書が川上弘美さんの 「猫を拾いに」に決まった際に、母にそのことを話したら、一緒に母棚にあった村上春樹さんの「猫を棄てる」を拝読したらと言われ、タイトル繋がりなだけだけど、なんだか面白そうなのでその案に乗っかってみました。 村上春樹さんのエッセイ「猫を棄てる」は、お父様を通して自分と向き合った1冊。 読者である私もこのように自分と向き合っていけばいいのだと、自分を村上春樹さんと置き換えながら拝読しました。 一方、川上弘美さんの短編小説「猫を拾いに」

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猫を棄てる/村上春樹
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猫を棄てる/村上春樹

母棚から拝借した村上春樹さんの著書「猫を棄てる」を拝読📖しました。(2021,10,4読了) 村上春樹さんのお父様のことを描かれたエッセイ。 村上春樹さんは、お父様と長いこと絶縁状態だったのだそうです。 お父様が亡くなる少し前にやっと和解し、亡くなられた後にお父様がどのように生きてこられたのかを辿りながら、村上春樹さん自身を深掘りしているように感じました。 人には、おそらく誰にも多かれ少なかれ、忘れることのできない、そしてその実態を言葉ではうまく人に伝えることのできない重

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「猫を捨てる」の感想

「猫を捨てる」の感想

村上春樹さんの「猫を棄てる」を読みました。 2020年4月発行。 挿絵が多く入っています。 ネタバレがあるのでご注意ください。 簡単なあらすじ著者の父親について書かれたエッセイ。 著者の父親の家系は代々僧侶の家系だったようです。 人のルーツと戦争がテーマかな? 個人的に心に残ったところ表紙や挿絵は台湾のイラストレーターが描いているそうです。 繊細なイラストでどのイラストもどこか寂しい雰囲気が漂っています。 今回のエッセイの内容とぴったり。 以下は心に残った部分を

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晩期村上について 村上春樹さんの「今の時代のこともやる」姿勢は、多くの文学青年を勇気づけている。

晩期村上について 村上春樹さんの「今の時代のこともやる」姿勢は、多くの文学青年を勇気づけている。

 私は、村上春樹を尊敬して生活スタイルの真似ばかりをしていた青春期を体験し、やがて「いや、春樹さんと僕とは別人かぁ」と思い始め、今はパート先のソーシャルワーカー を尊敬している、一文学青年です。  最近の村上春樹さんの作品を読んでいると、円熟の卓越だな、と思います。そして、なんともうれしいことに(興奮することに!)現在の文学の状況を鼓舞するような、「新チャレンジ」があります。それが合う人も、合わない人もいると思いますが、どんな「村上主義者」も飽きている人などいません。  

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雑文 #247 村上春樹の「猫を棄てる」

雑文 #247 村上春樹の「猫を棄てる」

村上春樹氏のエッセイ「猫を棄てる」を読んだ。 出版から一年経った。私は新刊が出れば飛びつく春樹ファンなのに、手を出せなかったのはタイトルのせいだろうか。それとも「父親について語るとき」というサブタイトルのせい? いや、私は最近趣味に前のめりにならない。以前のように、速く濃く吸収しようとがっつかない。なんか、クールだ。それも自分にとっては変なことなのだけれど。 とにかく、出版から一年以上経って私はその薄い書を読んだわけだ。 「海辺のカフカ」などを読んで思うように、春樹氏

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読後感想・4月

読後感想・4月

読書メーター( https://bookmeter.com/users/940103 )に書いたり書かなかったりの最近の簡単な読後感想など。 『下山事件完全版―最後の証言 (祥伝社文庫 し 8-3)』 柴田 哲孝 あまりこういう系の本は読んだことなかったが、面白く読めた。構成も良いのだろう。登場人物が多く、理解の意味では著者に申し訳なく思う部分もあるのだけれど。昭和の未解決事件は何かと興味深い。 『昭和路地裏大博覧会 (らんぷの本) 新装版』 市橋 芳則 その昔福井に

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「猫を棄てる」村上春樹

「猫を棄てる」村上春樹

村上さんのお父さんとのかかわりを書いたエッセイ。 お父さんが国語教師であったことは知っていましたが、寺に生まれ、僧としての修行をしていたこと、戦地で句を書いていたこと、村上さんが小説家になってから、断絶状態であったことなど、初めて知ることが多かったです。 村上さんがとうしても小説を書かなければならない、突き動かされる何かを、このエッセイの中に見た気がします。 『兵にして僧なり月に合掌す』(P44) これは二十歳のお父さんが戦地で書いた句。 生と死の間にいる身で、月を

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天才たちが描く「父と子の和解」ー村上春樹、庵野秀明、宮藤官九郎ー

天才たちが描く「父と子の和解」ー村上春樹、庵野秀明、宮藤官九郎ー

「シンエヴァンゲリオン」に何かの既視感を覚えた。 それは、繰り返し描かれてきたエヴァの物語への既視感ではなく、「父と子の和解の物語」への既視感だった。 しかも、それは、昔観たものへの既視感ではなく、最近、記憶にあるものだった。 村上春樹の「猫を棄てる」は、父と関係が疎遠であった春樹が、死んだ父を思い返し、父の過去(戦争体験など)を知ることにより、自分の中の父へのわたがまりを解消していく話が描かれる。 春樹が、自分の父のことをこのように語ったことは今までなかったので、こ

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人生で2回目、村上春樹さんの小説を読む/海辺のカフカ

人生で2回目、村上春樹さんの小説を読む/海辺のカフカ

こんにちは、てしゆりです。 いまさらですが。 本当にいまさらなんですが。 村上春樹さんにはまりそうです。 図書館で『海辺のカフカ』を借りてきたんです。まだ上巻の序盤しか読んでいないのですが、めちゃくちゃおもしろくて。 実は、村上春樹さんの小説に挑戦するのは2回目、約20年ぶり、『ねじまき鳥クロニクル』以来です。 ねじまき鳥もおもしろかったんですよ。次から次にページをめくりたくなる、先が知りたくなる、カフカと同じような感覚です。 だけど、最終的に頭の中が「???」と

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『猫を棄てる 父親について語るとき』村上 春樹 読書記録(2021.02.01)

『猫を棄てる 父親について語るとき』村上 春樹 読書記録(2021.02.01)

 「時が忘れさせるものがあり、そして時が呼び起こすものがある。-中略-歴史は過去のものではない。このことはいつか書かなくてはと、長いあいだ思っていた。」  ここ書いてある「時が忘れさせるもの」とは、父親との関係のことでは無い。それは、確執が生じたときの生の感情(怒りや悲しみや反抗心などの直接の気持ち)は薄れてきたということだろう。父親に小説家になることを告げてから頑固な二人は交流もなく、できるだけ実家に関わらないように過ごして20年以上経つうちに父は亡くなってしまう。父親のこ

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