歩く水のような人の形をしたもの

ぼんやりととりとめもないことを考えることが何より好きです。映画、小説、漫画、音楽、アー…

歩く水のような人の形をしたもの

ぼんやりととりとめもないことを考えることが何より好きです。映画、小説、漫画、音楽、アートを深く愛しています。生業としてテクノロジーに関わってきました。この場では、わたしのとりとめのない言葉の断片を書き連ねてゆきたいと思います。

マガジン

  • 哲学について、あるいは、存在の複合的重層的立体性について

    哲学について。この宇宙のありようの、この世界のありようの、存在の複合的重層的立体性についての考察。哲学とは道徳の時間のことでもなければ、余白の時間を埋め合わせるための暇つぶしでもない。それは人間を未踏の領域に誘惑する〈新しい概念〉の生成の祝祭だ。

  • 日記/エッセイ、あるいは、只中の記録として、最中の記憶として

    記録/記憶として。決して忘れないために、時間の濁流に抗うために。只中の、最中の、記録/記憶としての書き記されたわたしの言葉たち。その只中のその時間と空間の中に存在し、その内部に存在し、その出来事の部分として存在したわたしの記録/記憶。

  • アート、あるいは、藝術と呼ばれるものたちについて

    藝術(アート/art)と呼ばれるものたち、あるいは、そのような名前で呼ばれないものたちでありながら、藝術(アート/art)でしかありえないものたち、についての文章。藝術(アート/art)は決して無力ではない。藝術(アート/art)こそが人間の未来を切り開く生命の閃光であることの証明としての言葉たち。

  • 小説について、あるいは、物語の言葉たちについて

    小説について。小説という言葉たちが放つその美しさと残酷さ。物語をなぜ人間が求めてやまないのか? その理由。小説でしか辿り着くことのできない場所の光と音についての文章。

  • 音楽/MUSICについて、あるいは、音の歓びについて

    音楽/MUSICについて。音楽/MUSICに何度も救われた。おおげさな言い方ではなくて、ほんとうにわたしは音楽/MUSICに救われた。音楽のことがわたしに分かるかと言われれば、多分何も分かっていないんだと思う。わたしには音楽を語ることなどできないのかもしれない。でも、しかし、それでも、わたしは音楽/MUSICに魂を救済されたんだ。何度も。

最近の記事

  • 固定された記事

人工知能は新しい芸術を生み出せない、それができるのは「生きている機械」

人工知能がどれだけ進歩しても新しい芸術を生み出すことはできない。 少なくとも人工知能がコンピュータとして存在する限り百年先も千年先も芸術を生み出すことはできない。とれだけ演算速度が向上し情報処理の能力が向上してもそれは叶わない。もちろん、量子コンピュータであろうが、千年先のスーパー・コンピュータであろうが、それはできない。そうしたことにその理由があるわけではない。 情報をどんなに素早く巧妙に処理をしたところでもそれは無理である。 その理由は極めてシンプルで、それは「芸術

    • 21世紀の言葉のルネサンス/Renaissance生の形式としての、色彩としての言葉 /.失われた〈単語/ひとつのことば=単色/ひとつのいろ〉を求めて/、人間の最後の抵抗にして戦いが、今、開始される。//.

      /2024/02/11/18:17//生の断片を保存する魔術として、そこに、それが//招喚される、〈そこにあるもの/こと、ここにあること/もの〉のために そこにあるもの/こと、ここにあること/ものをつかまえようとして、宙を切るようにして手を伸ばし、俊敏にそれを掴み取る。握った手の中を、中のこと/ものを逃さないようにして、そっと覗くと、それが手のひらの中で、立ちすくんでいる姿が見える。一瞬の間。途方に暮れたような困ったような顔をした何かがそこに。次の瞬間、それは手のひらの上で

      • 〈受肉する光/ひかり/抽象の向こう側の具象〉デイヴィッド・ホックニー/David Hockneyの絵画、そして〈カメラ・ルミネセンス/camera luminescence〉

        /2023/10/30/19:27//ありえないことがありえること// デイヴィッド・ホックニー/David Hockneyの絵画の光/ひかりの中で/ デイヴィッド・ホックニー/David Hockneyの絵画が、 わたしたちに教えてくれること。 それは、わたし/わたしたちはわたし/わたしたちのそのまま、そのままのありようで、そのままの姿で、あらゆることをそのままにしたそのままで、わたしたちは向こう側へ辿り着くことができ、向こう側の存在となることができるということ。わたし

        • 燃焼する垂直の言葉/音楽。螺旋形の階梯を、生成する白い光の言葉、あるいは、四方田犬彦「いまだ人生を語らず」

          /2023/8/24/19:17/ /書かれてはいけないこと、書いてはいけないこと/燃焼する螺旋形の階梯としての言葉/書物が燃え上がることについて/ 書かれてはいけないこと、書いてはいけないことがある。それを書いてしまうとそれが書かれた場所が発火し燃焼してしまうからだ。燃え上がる書物。真夏の正午の時間。書物が、白い光の中、宙を切り裂くように燃焼の炎を旋回させ螺旋形の階梯を生成させながら燃え上がる。書物に書かれた/書かれてしまった言葉の言葉自身が内包する言葉の核を発火点とし

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        人工知能は新しい芸術を生み出せない、それができるのは「生きている機械」

        マガジン

        • 哲学について、あるいは、存在の複合的重層的立体性について
          16本
        • 日記/エッセイ、あるいは、只中の記録として、最中の記憶として
          14本
        • アート、あるいは、藝術と呼ばれるものたちについて
          18本
        • 小説について、あるいは、物語の言葉たちについて
          17本
        • 音楽/MUSICについて、あるいは、音の歓びについて
          7本
        • 村上春樹さんの言葉たち、あるいは、村上主義宣言
          7本

        記事

          深呼吸のための余白に。//遠い向こう側の場所に辿り着く準備として。///8つの名前の人々/ジャン=リュック・ゴダールⅩ蓮實重彦Ⅹアンリ・マティスⅩ安西水丸ⅩカシワイⅩ村上春樹「街とその不確かな壁Ⅹ岸辺露伴Ⅹ荒木飛呂彦

          /2023/6/21/19:02/ /8つの名前/ジャン=リュック・ゴダール、蓮實重彦、アンリ・マティス、安西水丸、カシワイ、村上春樹「街と不確かな壁」、岸辺露伴、荒木飛呂彦/ 記録でもなければ記憶でもない。感想/印象/思考でもない。走り書いたメモですらない。強いてこれらを呼ぶならば、生の論理の記述の断章、あるいは物語以前の語りとなる。わたしの内部への旅の準備として招喚された8人。相反と離合と捩じれの渦の中を浮遊する言葉たちが風に逆らい立ち上がる。 8人を呼ぶために、つけ

          深呼吸のための余白に。//遠い向こう側の場所に辿り着く準備として。///8つの名前の人々/ジャン=リュック・ゴダールⅩ蓮實重彦Ⅹアンリ・マティスⅩ安西水丸ⅩカシワイⅩ村上春樹「街とその不確かな壁Ⅹ岸辺露伴Ⅹ荒木飛呂彦

          恥辱、それ以外の何ものでもない。川上未映子「黄色い家/SISTERS IN YELLOW」音楽の失われた迷路的なる場所。////花よ、黄金色の滴る〈がらんどうの童子〉を抱いて跳べ、そして、音楽を奪い返せ!

          /巨大な洪水のような言葉たちに飲み込まれる前、今の時刻を外すことなく、今の時刻の瞬間の時間の中で、ことばを書く。極小の堡塁として砦として/ 今の時刻:2023/04/08/20:01/ 今の時刻を外すことなく、今の時刻の瞬間の時間の中で、ことばを書く。 迅速に正確に照準を合わせ的を外すことなく、撃つ。洪水が襲来する前に。 断片的なメモ書きを。搔き集めたことばの塊を。よせあつめた論理と意味で作られたありあわせのことばの料理を。現在という時間の中で渦巻く急速の流れの中で、極

          恥辱、それ以外の何ものでもない。川上未映子「黄色い家/SISTERS IN YELLOW」音楽の失われた迷路的なる場所。////花よ、黄金色の滴る〈がらんどうの童子〉を抱いて跳べ、そして、音楽を奪い返せ!

          千葉雅也「エレクトリック/〈電子感覚〉の氾濫する電気仕掛けの宇宙/ 非存在と存在が重ね合わされ波が誕生する。//、あるいは悪魔祓い、そして、レクイエム

          /革命前夜、その光景について/ /あるいは、現在の時間の中で哲学を行うこと、哲学者であることの意味/ 哲学者が観念と格闘/闘争し科学者が物質を解剖/解体し芸術家がイメージ/像と遊戯/舞踏する。宇宙のマテリアルとしての物質と観念とイメージ/像。 言葉がその格闘/闘争と解剖/解体と遊戯/舞踏を貫通して行く。物質と観念とイメージ/像の祝祭のプロモーターにしてディレクターである言葉。言語こそが物質と観念とイメージ/像の手配師だ。世界は言語によって物質と観念とイメージ/像に腑分けされ

          千葉雅也「エレクトリック/〈電子感覚〉の氾濫する電気仕掛けの宇宙/ 非存在と存在が重ね合わされ波が誕生する。//、あるいは悪魔祓い、そして、レクイエム

          目をあけてごらん、離陸するから/Open Your Eyes, We're About to Take Off//大崎清夏Sayaka Osaki/2022の終わり/残酷に、そして、優しく、時間は流れる/12番目の月の光の中で書かれる風景

          2022が終わろうとしている。最後の月、12番目の月が始まり、それもまた終わろうとしている。誰が何を行おうとも時間は過ぎ去って行く。誰もそれを押し止めることはできない。時は流れる。残酷に、そして、優しく。光のようなきらめく歓びの時間も背後の風景の中に溶けて行き小さな瞬きとなってしまう。肉と骨を断ち切られるかのような激しい痛みからはいまもなお血が滴り落ちている。だがそれもまた12の月の終わりには風景のひとつとして取り込まれてしまうのかもしれない。流れ出る血をそのままにして。飲み

          目をあけてごらん、離陸するから/Open Your Eyes, We're About to Take Off//大崎清夏Sayaka Osaki/2022の終わり/残酷に、そして、優しく、時間は流れる/12番目の月の光の中で書かれる風景

          「われら闇より天を見る(We Begin at the End)」/13歳/聖なる無法者にして守護者の戦いの記録//、涙よ、流れろ、涙よ、止まれ、終わりより始めるために

          涙よ、邪魔をするな、涙よ、止まれ、涙よ、わたしが小説を前に進めることをさまたげないでおくれ。涙よ、視界を奪うことをやめてくれ。それが戦慄き震えるわたしの体の叫びをあらわすものであったとしても、少しの間ほんの少しの間、わたしが終わりに辿り着くまでの時間を与えてくれ。終わりからはじめるために終わりに到着するために。溢れ出る、涙、止まれ、涙よ、 小説という小さなフィクションの中で誕生し非情の世界に投げ出された13歳の少女が世界と戦う。弱き存在であり守られるべき存在であるはずの少女

          「われら闇より天を見る(We Begin at the End)」/13歳/聖なる無法者にして守護者の戦いの記録//、涙よ、流れろ、涙よ、止まれ、終わりより始めるために

          ゲルハルト・リヒター//絵画の終決者Ⅹ絵画の黙示録//〈積層流体色彩論序説〉のための短いメモ書き/〈泥の光の色彩Ⅹ色彩の光の泥〉のランドスケープ

          ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter)の絵画 ゲルハルト・リヒターのそれは絵画ではない。何度でも繰り返さなければならない。ゲルハルト・リヒターのそれは絵画のようなものですらない。ゲルハルト・リヒターの絵画は絵画ではない。それは絵画の終焉の向こう側に存在する燃え上がり燃焼した後の絵画の灰の塊りであり、絵画がわたしたちと離別するその最後の瞬間にわたしたちに見せることになるその後ろ姿だ。わたしたち人間はゲルハルト・リヒターの絵画を前にして絵画と決別することになる。

          ゲルハルト・リヒター//絵画の終決者Ⅹ絵画の黙示録//〈積層流体色彩論序説〉のための短いメモ書き/〈泥の光の色彩Ⅹ色彩の光の泥〉のランドスケープ

          怪物に食べられてしまわないようにわたしは音楽/MUSICを抱いて眠る。/あいみょん 4th full Album「瞳へ落ちるよレコード」/Falling into your eyes Record/(2022.8.17.RELEASE)

          「瞳へ落ちるよレコード」Falling into your eyes Recordのための物語/わたしと怪物と音楽/MUSIC 本当の事を言おうか。誰にも言ったことのない本当のこと。わたしには誰にも言えない誰とも分かち合えることのない/できない秘密があるんだ。わたし人じゃないんだ。人のふりはしているけれど。わたし、人になりそこねた、ひとでなしなんだ。悪い人、善い人、その前それ以前の、ひとでなしなんだ だからここに書かれていることは、いかなる意味に於いても、言葉ではない

          怪物に食べられてしまわないようにわたしは音楽/MUSICを抱いて眠る。/あいみょん 4th full Album「瞳へ落ちるよレコード」/Falling into your eyes Record/(2022.8.17.RELEASE)

          水溶性の悪夢//「生存の迷宮」シモン・ストーレンハーグ////世界は接合され、ラビリンスが誕生する。

          シモン・ストーレンハーグ(Simon Stålenhag)のそれはシモン・ストーレンハーグのそれとしか呼ぶことができない。シモン・ストーレンハーグのそれはシモン・ストーレンハーグのそれでしかない。それに名前をつけてそれを呼んではいけない。シモン・ストーレンハーグと、それの美しさのために シモン・ストーレンハーグ、その最新作、リスペクトとジェラシーを込めて No.1:シモン・ストーレンハーグとクリス・ヴァン・オールズバーグ/水溶性の悪夢と非水溶性の夢、あるいは、世界の表

          水溶性の悪夢//「生存の迷宮」シモン・ストーレンハーグ////世界は接合され、ラビリンスが誕生する。

          「NO SIGNAL(ノーシグナル)」自由と孤独と自然と都市と人につ いて/〈来るべき都市〉のために/「街を出て、大自然の中で暮らすことを選 んだ10人の生き方」

          日々のあれこれに押し流され、渦巻く流れの中に溺れそうになる時がある。 必死になって流れに逆らい泳いで泳いで目的地へ辿り着こうとして、泳ぎ切ったとしてもそれが終わることなく延々と続くことが分かっているとしても必死に足掻いて藻掻いてジタバタして向こう岸に泳ぎ切ろうとする。わたしがわたしであることを証明するために。溺れながら泳ぎ、泳いでも溺れて。 でも、でも、何もかもがいやになって、何もかも放り出して、ここではないどこかへ行きたくなる時がある。ここではない場所、あそこでもなく、こ

          「NO SIGNAL(ノーシグナル)」自由と孤独と自然と都市と人につ いて/〈来るべき都市〉のために/「街を出て、大自然の中で暮らすことを選 んだ10人の生き方」

          内的な光の写真/森山大道「写真とは記憶である」/世界は内的な光を浴び、レンズによってその風景と光景が結像され物質化することになる。/写真についての短いメモ書き(ver.02/07/2022)

          写真についての短いメモ書き(ver.02/07/2022)/森山大道の写真について 目を閉じる。記憶の中で光が散乱する。目を閉じた内部の世界に記憶の光が満ち溢れる。その内的な光を浴びて輝くその風景/光景を記録し物質化して、目を開いてその風景/光景を眺めることを欲望する。記憶の中の外部の世界。内的な光を受けながら内部のものとして記憶として、内部に封じ込められた外部の世界。その風景/光景を内部から取り出し、再び、外部に持ち出すこと 森山大道の写真がそこに存在している。

          内的な光の写真/森山大道「写真とは記憶である」/世界は内的な光を浴び、レンズによってその風景と光景が結像され物質化することになる。/写真についての短いメモ書き(ver.02/07/2022)

          完璧な文章/「風の歌を聴け」村上春樹/あるいは、手作りの散文図鑑://引用の餛飩(ワンタン:hun-tun)

          No.1:真ん中に一本の線が引かれたノートの右側と左側/ノートの上に昼と夜の時間が流れ、音楽/言葉が燃え上がる。「それが落とし穴だと気づいたのは、不幸なことにずっと後だった。僕はノートのまん中に一本の線を引き、左側にその間に得たものを書き出し、右側に失ったものを書いた。失ったもの、踏みにじったもの、とっくに見捨ててしまったもの、犠牲にしたもの、裏切ったもの、裏切ったもの・・・僕はそれらを最後まで書き通すことはできなかった。」          (「風の歌を聴け」村上春樹 P1

          完璧な文章/「風の歌を聴け」村上春樹/あるいは、手作りの散文図鑑://引用の餛飩(ワンタン:hun-tun)

          古川日出男「曼陀羅華X」自家製の雑草図鑑を盾として、あるいは、歌え!長編小説の形をした白色(ホワイト)の傾いだ十字Xの花弁のリリックを/雑なる家族の黙示録のための断片

          自家製の雑草図鑑を盾としてレインコート派の父子と犬が静かなる東京で、戦う/父と母と子の「一冊の本」、子の文字と父の絵画と母の言葉から編纂された一冊の本、表紙に十字の「白色(ホワイト)の、白色(ホワイト)の、白色(ホワイト)の、」花弁からなる「クルアーン」を盾として、揺籃から連れ去られた嬰児が子となり拉致された男が父となりフレンドが母となり、寄せ集められた雑家族がハンドメイド(手作り)の言葉を操り、書き記された予言と預言と戦闘マニュアルを凌駕して、三つの給水塔(タワー)がそ

          古川日出男「曼陀羅華X」自家製の雑草図鑑を盾として、あるいは、歌え!長編小説の形をした白色(ホワイト)の傾いだ十字Xの花弁のリリックを/雑なる家族の黙示録のための断片