小説について。小説という言葉たちが放つその美しさと残酷さ。物語をなぜ人間が求めてやまないのか? その理由。小説でしか辿り着くことのできない場所の光と音についての文章。
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「われら闇より天を見る(We Begin at the End)」/13歳/聖なる無法者にして守護者の戦いの記録//、涙よ、流れろ、涙よ、止まれ、終わりより始めるために
涙よ、邪魔をするな、涙よ、止まれ、涙よ、わたしが小説を前に進めることをさまたげないでおくれ。涙よ、視界を奪うことをやめてくれ。それが戦慄き震えるわたしの体の叫びをあらわすものであったとしても、少しの間ほんの少しの間、わたしが終わりに辿り着くまでの時間を与えてくれ。終わりからはじめるために終わりに到着するために。溢れ出る、涙、止まれ、涙よ、 小説という小さなフィクションの中で誕生し非情の世界に投げ出された13歳の少女が世界と戦う。弱き存在であり守られるべき存在であるはずの少女