佐藤芽衣

映画感想文や読書感想文などをつらつら書いています。ごった煮アカウントです。ご容赦くださ…

佐藤芽衣

映画感想文や読書感想文などをつらつら書いています。ごった煮アカウントです。ご容赦ください!

マガジン

  • #エッセイ・日記

    日々の気付き、書いておかないと忘れてしまうけれど、また繰り返されるであろう思考について書いています。

  • #映画感想文

    映画感想文です。備忘録です。分析的な批評はなく、ネタバレしています。

  • #お仕事の話

    失業、無職、転職など、波乱万丈のお仕事人生。何が来ても意外と平気。今、落ち込んでていても何とかなるものです。

  • #読書感想文

    文芸書から自己啓発書まで、読書感想文として書き留めています。ご参考になれば幸いです。

  • #怪談牡丹燈籠 現代語訳

    三遊亭円朝の速記本『怪談牡丹燈籠』の口語文体を現代語訳しています。江戸の風に吹かれようではありませんか。

最近の記事

読み切れないテキストがここにある

先日、某書店の本店に行ってきた。一生かけても読み切れない本であふれていた。出版されている本は、選ばれし作家のテキストである。彼らとて、はじめは「ただの人」だったのだろうけれど、努力を重ねて世に出て、担当の編集がつき、出版社の選定会議をくぐり抜け、原稿は推敲され、校閲を受け、書店に並んでいる。書籍の帯コメントは、SNSのインフルエンサーの「この本を読まずに生きていたらと思うとぞっとする」などの言葉がアカウント名とともに記載されている。 とにかく売らなければならないのだろうけれ

    • #映画感想文336『荒野に希望の灯をともす』(2022)

      映画『荒野に希望の灯をともす』(2022)を映画館で観てきた。 監督は谷津賢二、医師の中村哲のドキュメンタリー映画。 2022年製作、90分、日本映画。 医師の中村哲さんは、長年にわたりアフガニスタンの医療や復興に尽力され、2019年12月に何者かによって暗殺された。 中村医師は、彼らに求められていくうちに自然とそこに根差すようになる。はじめはハンセン病患者の治療にあたり、病院を作る。そのなかで、水質の悪さが住民の健康を害していることに気が付き、井戸を掘り始める。しか

      • 「食事」が変化していく

        わたしは子どもの頃、少食だった。お弁当も給食も残すタイプで、食べてもおいしいと感じられなかった。正直に言うと、大体の食べ物がまずく、食事の時間は苦痛以外の何物でもなかった。だから、体型はがりがりだった。 二次性徴を迎えると、「食欲」がやってきた。その頃、食べ物がおいしく感じられるようになった。体重が増え、運動能力が落ちてしまったが、食欲はコントロールすることはできなかった。(ホルモンの影響ってすごいのね) 社会人になってからは、「食事」は可処分時間に大きく左右された。アル

        • 人生には遊びが必要

          定期的に物を捨てている。キャラクターのTシャツなどはすべて捨ててしまった。仕事の時に着られない服は捨てろ、と断捨離の本にも書いてあったし、少ないアイテムで生きていこうと決意したはずだった。 ところが、である。休日に仕事の服を着ていると、なんだか休んだ気がしない。頭がお休みモードにならない。朝、服を選ぶときに、仕事着だと、それだけで気持ちが沈む。 以前は、休日にド派手な蛍光色のワンピースなどを着ていた。平日はモノトーンの服が多いので、自分を解放したかったのだろう。ただ、部屋

        読み切れないテキストがここにある

        マガジン

        • #エッセイ・日記
          197本
        • #映画感想文
          346本
        • #お仕事の話
          200本
        • #読書感想文
          108本
        • #怪談牡丹燈籠 現代語訳
          16本

        記事

          #映画感想文336『ヒットマン』(2023)

          映画『ヒットマン(原題:Hit Man)』を映画館で観てきた。 監督はリチャード・リンクレイター、脚本はリチャード・リンクレイター、グレン・パウエル、出演はグレン・パウエル、アドリア・アルホナ。 2023年製作、115分、アメリカ映画。 ゲイリー・ジョンソン(グレン・パウエル)は大学で哲学を教えているが、副業として警察のサポートスタッフとして働いていた。ある日、殺人依頼のおとり捜査をしていた刑事が停職となってしまい、急遽、殺し屋役を任される。依頼人が彼に「〇〇を殺してほ

          #映画感想文336『ヒットマン』(2023)

          #映画感想文335『ぼくのお日さま』(2024)

          映画『ぼくのお日さま』(2024)を映画館で観てきた。 監督・脚本は奥山大史、出演は池松壮亮、越山敬達、中西希亜良。 2024年製作、90分、日本映画。 小学六年生のタクヤ(越山敬達)は、野球もアイスホッケーも好きではないのだけれど、男子のたしなみ、友達との付き合い、あるいは慣習として部活動に参加している。彼は集中力もなく、ぼんやりと空を眺めていたりする。豪雪地帯に住んでいるため、春夏は野球部、冬はアイスホッケー部に切り替わる。野球部でも走らない彼は、リンクを滑れるはず

          #映画感想文335『ぼくのお日さま』(2024)

          #映画感想文334『愛に乱暴』(2024)

          映画『愛に乱暴』(2024)を映画館で観てきた。 監督は森ガキ侑大、脚本は森ガキ侑大、山﨑佐保子、鈴木史子、出演は江口のり子、小泉孝太郎、風吹ジュン。原作は吉田修一。 2024年製作、105分、日本映画。 桃子(江口のり子)は専業主婦8年目。夫の真守(小泉孝太郎)は妻の話にあいづちを打ちながらも、まったく聞いていない。義母(風吹ジュン)との間にも、微妙な距離感がある。 桃子の日常には、小さなひびが入っていく。疎外されたり、小さな無視が積み重なり、彼女は徐々に精神的なバ

          #映画感想文334『愛に乱暴』(2024)

          ノートPCを持って外に出て、結局、作業せずに帰ってきてしまう現象に名前をつけてほしい。ただ、重い荷物を持って移動しただけの人を何回もやっている。早く秋が来てほしい。

          ノートPCを持って外に出て、結局、作業せずに帰ってきてしまう現象に名前をつけてほしい。ただ、重い荷物を持って移動しただけの人を何回もやっている。早く秋が来てほしい。

          『終わらない夏』は詩的な表現だが、『夏が終わらない』だと地球温暖化、あるいはタイムリープを連想してしまう。とにかく暑いので、出かけただけで、ぐったりする。倒れないように気をつけたい。

          『終わらない夏』は詩的な表現だが、『夏が終わらない』だと地球温暖化、あるいはタイムリープを連想してしまう。とにかく暑いので、出かけただけで、ぐったりする。倒れないように気をつけたい。

          わたしのマルチバースがあるのなら

          先日、わたしがやりたかった仕事をそのままやっている人を見つけてしまった。知らなければ良かったのだが、その事実にズドーンとショックを受けてしまった。妬ましいという気持ちもゼロではなかったが、それよりも、この二十年ぐらいの努力が適切ではなかった自分、頑張り続けることができなかった自分の不甲斐なさについて考え、いわゆる後悔に襲われた。一つのことを続けられる人、続けている人は偉い。その仕事の依頼元はわたしのことなど何一つ知らないのだから、自分はスタートラインにすら立っていない。お声が

          わたしのマルチバースがあるのなら

          花のある生活

          以前の記事で、花と旬の果物が買える人間になりたいと書いた。 言霊というのは恐ろしいもので、日記に書いた通り、花を買って飾るようになった。スーパーで売られている300~400円の安いものだが、食べられない花を買うという贅沢をしている。 花は机に飾っている。パソコンで作業をするとき、必ず目に入るので、なんとなく和む。そして、花というのは徐々に枯れていくので、時間の経過を否が応でも意識する。 そして花の枯れ方は、茶色くなってしおれる前に、色が抜ける、という段階があることをはじ

          花のある生活

          そんなに進化していない

          エヌビディアの動き一つで株価が乱高下する世の中って、どうなのさ。そんで、AIの進化がすごいとか何だか言われているけれど、さほど便利になっていないものも多い。 まず、傘。暴風雨だと骨は折れるし、服もびしょ濡れになる。全然、体を雨から守れていない。人類には、傘を進化させる、という気合が見られない。 次に靴。靴擦れもするし、歩いていたら疲れる。こちらも雨が降れば濡れる。テクノロジーをさほど感じない。 そんで、めがね。形状が進化していない。ラーメンを食べるとレンズが曇る。App

          そんなに進化していない

          #映画感想文333『墓泥棒と失われた女神』(2023)

          映画『墓泥棒と失われた女神(原題:La chimera)』(2023)を映画館で観た。 監督・脚本はアリーチェ・ロルバケル、主演はジョシュ・オコナー。 2023年製作、131分、イタリア・フランス・スイス合作。 アーサー(ジョシュ・オコナー)は地下に埋まっている遺跡を探す霊能力を持っている。墓泥棒仲間と埋葬品を掘り起こしては売りさばいていたが、それが原因で刑務所に入っていた時期もある。ただ、アーサーがいつも探していたのは亡くなった妻で、彼は彼女の影を追い求めて、イタリア

          #映画感想文333『墓泥棒と失われた女神』(2023)

          #映画感想文332『恋する惑星』(1994)

          映画『恋する惑星(原題:重慶森林/Chungking Express)』(1994)の4Kリマスター版を映画館で観てきた。 監督・脚本はウォン・カーウァイ、出演者はトニー・レオン、フェイ・ウォン、ブリジット・リン、金城武。 1994年製作、100分、香港映画。 みんな恋をして、失恋をしている。男性の刑事だって失恋をしたら、昔の恋人が好きだったパイナップル缶を食べ続けたり、ブリーフ姿でぬいぐるみや石鹸に話しかけたりする。香港の男性は情緒不安定だと思わせる描写が続く。 ち

          #映画感想文332『恋する惑星』(1994)

          自分に似ている人を好きになる

          世の中には顔がそっくりな夫婦がいる。飼い主と飼われている犬の顔がよく似ていたりする。これは生活をともにしていたから似てきたのではなく、似ているから一緒に過ごすようになるのだ、と言われている。 有名人が結婚したとき、そのお相手の顔がその本人と似ているとき、何ともいえない気分になる。そのうえ、そのお相手の顔が親に似ていたりすると、さらに萎える。 人間は似ているもの、自分が知っているものを好む。詩人の金子みすゞは「みんなちがって、みんないい」と歌ったが、現実はそうでもない。会社

          自分に似ている人を好きになる

          豊かさとは、可処分所得がすべて使えることだと思う

          わたしが大学生のとき、それほど就職はたやすいことではなく、公務員試験を受ける同級生は多かった。彼らは大学と公務員予備校のダブルスクール、運転免許合宿などの費用を親に負担してもらっていた。彼らの多くは、奨学金などは借りていない。合計すると学費だけで年間二百万ぐらいかかっていたのだろうけれど、彼らは別に親に感謝もしていないようで当たり前という感じだった。就活せず、大学院に進むことを決める人たちもいたが、彼らの場合も、親が難なく学費を支払えるようだった。 (わたしも実家暮らしで、

          豊かさとは、可処分所得がすべて使えることだと思う